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魔殺しのベルセルク  作者: のぶなが
精霊ツクヨミ契約編
17/23

自分とベルセルクの直観

暗闇の世界に音だけが響き渡る。


「アァァァァ!」


「きたねぇ声だな」


なにも見えないが、耳と肌、そして自分とベルセルクの直感を信じて闘うことにする。


感じろ......絶対に音が聞こえるはずだ。


サレイの足音。空気が震え......右だ!


右から地面を蹴りあげる音。それとほぼ同時に俺は五歩ほど後ろに下がる。


「アァァァァ?」


疑問のうめき声なのだろう。上手くよけれたようだ。ならば、次は攻撃に転じる。


「かかってこいよ」


挑発して攻撃を誘う。感じなければ攻撃を喰らうことになる。ミスは、許されない。


神経を研ぎ澄まして、心でサレイを見る。僅かな空気の震え、それに音も逃してはならない。


地面を蹴りあげる音が聞こえた。その音は、俺の真正面から。横に動く。俺のすぐ横で地面に何かが降りた音。恐らくサレイは今、バランスを崩しているはず。ならば、


―――殺れ。


拳を振り上げ、力を込める。そして、力の限り振りかざす!


「おらぁ!!」


手に生暖かい物が当たり、それを俺の拳がぶっ飛ばす。メキメキと嫌な感覚が伝う。そして、急に手の感触が消える。それと同時に、何故か辺りが明るくなった、と思ったらすぐに元の暗闇に。


「どうだ」


恐る恐る目をあける。


「あれ?どこだ?」


そこにサレイは居なく、目に入ったのは近寄ってくるアリサ達だけ。


「サレイは?」


「あんたが殴ったらそれと同時に消えたわよ?」


なるほど。サレイが消えた理由が分かった。俺が殴ったのは右手だったのだ。腕輪がしてある右手でサレイを殴った。そして、俺の右手が触れている間にサレイは死んだのだろう。つまり、そのまま俺の腕輪に吸収されたってことだ。さっきの光はそれだったってわけだな。


と、いうことは、


「ツクヨミ。もういいよな」


「えぇ。三人目のツクヨミと契約は完了です」


やっぱりか。予想は的中した。


「海斗さん。体の方はどうですか?」


「あぁ。だいぶ楽だわ。まぁまだちょっと疲れは残るけどな」


疲労感はだいぶなくなってきた。夜ぐっすり寝れば、この疲れはとれるだろう。


と、ここでアリサが、


「ていうか、なんであんた目を瞑って戦ってたのよ」


「あぁ。アリサをぶん殴りたく無かったからな」


「え?」


「サレイの奴がアリサとかの顔をして、俺に攻撃を躊躇させようとしてたんだよな。だから、顔を見ないように目を瞑ったんだ」


「まぁ。それは酷いですね」


ルシアさんが反応してくれたが、アリサはというと、


「そ、そう。それより、帰るわよ」


それよりって、アリサが聞いてきたんじゃないか、と疑問に思いながら来た道を戻って行く。


ところで、なんでアリサはあんなに顔が紅くなってるんだ?


三人目のツクヨミ契約完了


残り一人



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