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魔殺しのベルセルク  作者: のぶなが
精霊ツクヨミ契約編
10/23

騙された!

これはもう、決定事項だったのだろうか。それとも『ベルセルク』という者の宿命なのだろうか。


「わたくしと、契約していただけませんでしょうか?」


またかよ。もうルシアさんの件で契約はこりごりなんだが。とりあえず、


「えーと、ベルセルクの精霊ってなに?」


「わたくしは、大昔に契約をいたしたのです。ベルセルク様と」


「はぁ」


「それで、わたくしがベルセルク様に憑く代わりに、ベルセルク様の自我を保つ契約を交わしたのです」


「自我を保つ?」


「そうです。ベルセルク様の力は強大です。ですが、得る力に比例して、憑依させる魔獣の力も大きくなります。ベルセルク様は、あまりに強大な力をもつ魔獣を憑依させると、魔獣に自我を乗っ取られる場合があるのです」


「なるほど。つまり、ツクヨミは強大な力をもつ魔獣を憑依させても、自我を保てるようにする、と」


「その通りです。さすがの私でも自我を保てない魔獣もいますが」


契約、か。きっとこれはしなくちゃいけない契約なんだろうな。まぁしといて損はないか。


「いいぜ。契約しても」


「ありがとうございます!」


「んじゃ。なにすればいいんだ?」


「えーと、とりあえず右手で私に触れてください」


「おう!」


と、言われたので、右手をツクヨミに伸ばす。と、ここで、気づいた。もしかして、ツクヨミは、この腕輪に吸い込まれるんじゃないかと。

そんなことを思いながら右手でツクヨミに触れる。


「それでは」


ツクヨミは、一言発すると、やはり光の塵となり腕輪

に吸収された。えーと、どうすれば......と、思っていると、腕輪から、白い光が出てきて、ツクヨミの姿に。


「これで契約完了です。わたくしは、こうして自由に腕輪を出入りできます」


「ふーん。意外に簡単だな」


正直、拍子抜けだ。契約、というと、もうちょっとバトルとか、謎解きとかあると思ったが。


「それでは、あと四人、頑張ってください」


「え?あと四人?」


騙された。


「はい。わたくしを中心に四人。全員を腕輪に収めないと意味がないのです」

完全に騙された。


「......きいてねぇ!」


あーあ。






「と、言うわけだ」


「たく、あんたは面倒くさい話を持ってくるのが得意ね」


朝。昨晩の事をアリサとルシアさんに話した。もし、ついてきてくれるのなら来てくれ、と。


「私は、ついていきます」


「で、ツクヨミ。どこに居るんだ。残りの四人は」


「二人目はビンカ連合国の森林です」


「ビンカ連合国って、私達がこれから挨拶にいくところじゃない」


「じゃあ、好都合だな。行くか」


「行きましょう。海斗さん」


こうして俺たちはビンカ連合国に向けて再び馬車に揺られる。また一人仲間を加えて。




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