15 招集
ことはあの買出しのあと、クロアの家にいるときにあることが起こった。
「なんか、メッセージが入っているみたい」
「奏どんなメッセージなんだ?」
「ちょっと待っててね」
そういうと奏はメッセージを読みだした。
「えっと、元ギルドメンバー奏様へ
やあ、奏それともこう呼ぶべきかな、もと円卓の騎士のメンバークイーン。
君が戻ってこないということは無事にクロアのやつとパートナーを組めたみたいだな
我々としてもうれしいことだ。
だが、我々にも本当にクイーンを行かせてしまってよかったのか疑問が残る。
そこでだ、提案がある。
一度我々の居住区であるアルフヘイムまでクロアと来てもらえないだろうか?
そして円卓の騎士のメンバーと手合わせをしてもらいたい。
本当に奏を預けるに値するのか、クロアの実力があるのか確かめて見たい。
もちろん拒否しても構わないが、クロアのことだから必ず来てくれるだろう。
それでは、以上のことをクロアに伝えてくれたまえ。
君たちがきてくれることを心待ちにしている
ー円卓の騎士リーダ キング」
「だって」
「キングも粋な真似してくれるな」
「どうするクロア君?いく?」
「あの文面だと半強制的に来いって言ってるようなもんだしな、行くしかないだろうな」
「そうだね、キングはこういう小細工好きだからね」
「確かに、あの人だからな。まあ、いいんじゃないか、奏がいた都市にちょうど行きたいとこだったしさ」
「でもいいの?ギルドのメンバーと模擬戦やることになるんだよ?」
「まあ、大丈夫だろ。それに今回は俺の愛用のライフル使えるみたいだしな。全力でやってやるよ」
「それじゃあ、行く日はどうする?文面的には別に急がなくてもよさそうだけど……」
「そうだな、奏が大丈夫なら明日にでも行ければいいかな」
「私は大丈夫だよ」
「そんじゃあ、明日で決定だな。にしても他の都市に行くなんて久しぶりだな」
「クロア君は都市からあんまり出なかったんだ」
「昔はいろいろ動いてたけどな」
「そうなんだ。なんか意外だな」
「そうかな?まあ、それより明日の準備するか。しばらくはこっちに戻ってこれないしな」
「忘れ物しないようにしなきゃな」
「あと一応、ロギーさんにも連絡入れとくか」
「なんか、遠足みたいな気分で楽しみだね」
「確かにな」
こうして、この日は次の日の荷造りをして終わった。
次の朝、クロアと奏は他の都市へ移動するため神殿へときていた。
この神殿には機能が大きく分けて2つある。
1つは、ミッションを受注するという機能。
もう1つが、今回クロアたちが使用する都市間の空間の機能だ。ただし、後者のほうには少し制約があり、一度移動したら2週間はその機能を使うことができないなどといささか不便である。
「そんじゃあ、そろそろ行くか」
「うん!でも、なんだか名残おしいね」
「俺もだな。長年住んでた都市だしな。しばらくお別れだな」
そういうと、2人は光る扉の前へと立った。
そして、2人は息を合わせて叫んだ。
「アルフヘイムへ!」
そういうと、2人の身体は光に包まれ、そして、扉へと吸い込まれていった。
気づくと、2人は別のところにいた。
クロアにとっては新鮮なところ。奏にとっては見慣れた懐かしいところ。
都市、アルフヘイムへと。