降臨!
魔法少女だわーい!
とある夜のこと
「こんばんは縁ちゃん!君のかっくいい相棒のサクタクだよ!」
目の前で削ったばっかりの鉛筆が喋りだした。
驚きで声も出ない。
落ち着け私、夢だこれは。
鉛筆が喋るわけがないでしょ。
うん…頬をつねってみる。痛い。
夢じゃないなこれ。
「狐につままれたような顔してる…。そりゃそうだよね。突然のことでよく分からないよね。てことでたくさん質問をプリーズ。君の疑問にお答えしてしんぜよう。」
「……何?いや、誰なんですか、あなたは」
「俺はねぇ、君の文房具愛を感じて降臨した、いわば文房具の天使みたいなものだよ。」
なるほど?なるほど。…なるほど?
「私の文房具愛ってそんなに凄かったんですか?
他にももっと愛してる人いたんじゃ?」
「確かに居たよ。だけどね、君がよかったんだよ。なんかこう…運命感じちゃった?みたいな。」
なんか嬉しいような嬉しくないような…
そんなこと考えていたら私の筆箱からボールペンやらスティックのりやらが飛び出ていき、鉛筆に合体してしまった。
「これで動ける。とりあえず握手しよう。これ大事」
「えっ…あっ…うん」
差出されたボールペンを握る
「うん、これで君と繋げることができた。これからよろしくね!」
「えっ、何を繋げたの?勝手に変なことしないでよ!」
「変なことじゃないさ。君がこれから戦うために必要なことさ!」
「た、たたかう?なんで?なにと?」
「質問してって言ったけどやっぱり俺から話してくね。」
お喋り文房具…サクタクは私にこんな話をしてきた。
この世界にもうすぐ皆のラブパワーを奪う悪い怪物、ラブイーターが現れてしまうと。
ラブパワーって言うのはみんなが好きな物にかける情熱らしい。
例えば私のラブパワーは文房具に対する情熱。
私の兄だったら兄が大好きなアイドルに対する情熱。
そしてラブイーターって言うのは皆のそのラブパワーを吸収して吸い尽くしてしまうらしい。
困ったやつだ。
そしてそんな怪物に立ち向かうべく、ラブパワーの天使であるサクタク達が降臨し、波長があった子に力を貸してあげてるとのことだ。さっき繋げたって言ってたのはその力を貸すためのパスを繋げたことらしい。
それでこれからラブパワー使いになって、これから現れるラブイーター達を討伐して平和を守りましょうってことらしい。
嫌なんだけど。
「あの…嫌です。」
「…嫌じゃないよ?」
「いや…嫌です。」
「嫌じゃないよ?」
「………」
「…なんで?」
「だってそれ要は魔法少女みたいなもんでしょ?
怪物と戦って負けたらどうなるのよ」
「…ラブパワー奪われちゃうね」
「…奪われるだけ?」
「…ちょっと痛いだけで死にはしないんじゃないかな?きっと」
「………」
「………ニコッ」
「嫌ー!絶対嫌!それ死ぬかもってことよね!?無理無理痛いのは嫌!」
「でも…もう繋げちゃったから…。」
「ふざけんじゃないわよ!…………そうだ、あなたを折ったり燃やしたりしたら無かったことになったりする?」
「…ナラナイヨ。」
「よし、折ろう燃やそう廃棄しよう」
「いやー!やめてー!」
「大人しくして!」
「これ君の命にも関わるよ!?君は俺を使えば怪物から身を守れるんだよ!?とっても嬉しいはずだよ!?」
「結構です。私以外の人がきっとなんとかしてくれるでしょう。」
「なんだとこの他力本願女!…いや、待て待て待て!それ以上近づくんじゃあない!それ以上近づくと綺麗なお顔に傷ができるとこになるぞ!」
ボールペンの先端を向けてきた。
どうやら文房具なら自在に操れるらしい。
小賢しい真似をしよって。
「なーにが他力本願女だ!突然現れて変なことばっかしやがって!あんたが言ってることって詰まるところ魔法少女になれって言ってるようなもんでしょ!?」
「え〜?そうかなぁ?」
「そうゆうことだろがよ!今すぐ切れ!あんたとの繋がりを!」
「無理でーす。一度繋いだら切るなんて無理無理の無理太郎でーす。諦めてラブパワー使いになってくださーい。」
「そんなセンスの欠片もない名前の肩書嫌だっ!それに魔法少女と変わらな…ハッ!まさかだけどアニメとかであるあんなフリフリの服を着るんじゃないでしょうね?」
「おお、よくご存じで」
「あれはアニメの中だから許されてるの!緩和されてんの!あんなん着たら友達に笑われて世間に失笑されて…大きくなったら
『あの人魔法少女なんだって(笑)』
『え〜あれが〜(笑)?少女って…(笑)」』って笑われて一生消えない癒えない傷と生きてくことになるの!」
「ふむ、そうはならないと思うけどなぁ」
「何を根拠に言ってんだよ!」
「だって向こうは命を救ってもらう側だぜ?それなのに笑いものにすることはないと思うけどなぁ。」
「するの!されるの!確定事項なの!ネットで
『街で魔法おばさん見たわ』とか言うに決まってるの!事実!起こらないわけがないの!」
「あと魔法少女じゃなくてラブパワー使いね。」
「たいして変わらないよ!」
「結構違うよ?」
「それに私もう17よ!?魔法少女ってもっと小さい子の役目でしょ!?」
「結構適齢期では?まあいいや、君の機嫌が治るまで隠れてるから。」
「おいこら待て!」
ぱっと目の前から消えてしまった。
「治ったら言ってね」
「治らない!」
……いや、まあ協力しなきゃいいか…。
「君自身や家族、友達とかに危険が迫ったら多分俺のこと使おうとするだろうからそれまで待ってるね。」
「黙れ!」
……絶対使わないからな。
「使うよ君は。」
「使わない!」
……どっから喋ってるんだ?
「ナマス…」
「しつこい!」
……いや、うんやっぱ夢にしよう。
そう思うことにしよう。
いやラブパワー使いだって。
暇があったら書いていきます。
連載頑張ります。
そして何だこれは




