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23.蔵書閣って割には本が少ない

何だかんだと、一週間が過ぎた。


やる事といえば、


黄師姉の家の雑用って言っても掃除くらいしかやる事なし。何ならもう掃除するところないくらいには綺麗だ。


黄師姉が薬会にいる間に、向かいの沙さんの店でバイト、何だかんだ銀の葉っぱも結構手に入り、どうやって隠すかそろそろ考えないとって感じ。


好師匠こと李長老の家のお手伝いと言えば聞こえがいいが、食事当番に関してはいつも褒められるし、何なら食材を自由に使って自分の分もご飯を作っていいので、修行が進む。


うん、順風満帆とはこの事だろう!


そんな事を思っていたら、今日は黄師姉と外門の更に外、前に弟子入りをした鄙びた地区の大きな建物へと来た。


相変わらず、正面には顧長老だったかな?なんか周囲の人達は以前とメンツが変わってる気もするけど、あの時は唐突だったしちゃんと見てなかったから、何とも言えない。


黄師姉と真っ直ぐに顧長老の元へと向かう。


「お久しぶりです顧長老」


「ふむ、この前の子か上手くやっているのかな?」


「お久しぶりです。お陰様でつつがなく暮らせてます」


「そうか。では牌を出しなさい」


言われるがまま差し出すと、以前も牌を載せた謎の箱に乗せて、フワッとちょっと光ったかと思ったら、そのまま返された。


「引き続き、童僕として働けるよう手配しておいたが、それで良かったかな?」


「勿論です顧長老。お勤めご苦労様です」


やっぱり顧長老も長老と呼ばれるだけあって、偉いんだろうな。黄師姉の態度が割と丁寧だもん。


「あの?今日は自分は何しに来たんですか?」


「知らずについてきていたのね。まぁいいわ!小青の仕事は今の所一週間単位で発行されてるの。だから今日が更新日だったって訳」


「そうだったんですか、じゃあこれからは週一でここに来なきゃいけない訳ですね」


「いいえ!」


違うんかよ!何かいっつも思うのと違うんだよな。


「じゃあ次はいつですか?」


「一か月後ね。誰でも入門して最初の仕事は一週間で締め切られるのよ」


「何か理由が?」


「そりゃあ暮らしていくにも先立つものが必要でしょ?だから早い段階で振り込まれるの。これからは月一になるから大事に使いなさいね」


「先立つもの?」


「そうよ?もしかして秦師姉何も説明してなかった?」


「はい、多分」


「道理でいつまでたってもその服のままな訳よね。いいわ!まずは蔵書閣に連れて行ってあげる」


そういうと、そのまま鄙びた地域を出て、外門の賑やかな街並みに向かい、その中でもとりわけ背が高く大きな建物の一つに入っていく。


そこは、お店の様な雰囲気。


凄く曖昧な表現になってしまうが、スーパーみたいに商品が陳列されているんだけど、棚が昔風の木造りで、ちょっと違和感があるって言うか、古代スーパーみたいな?


いや、店の内装は綺麗で凝ってる感じもするし、古代は古代なんだけど、お城っぽい雰囲気のスーパーみたいな?


何か自分で考えてて訳分からなくなってきたが、要は色んな物品が所狭しと棚に陳列されてるそんな建物だ。


「ここが蔵書閣ですか?」


「そうよ。仕事で得た貢献点と物品を交換できるの。普通に鸚鵡緑苑外苑で買うよりは多少割安感があるから、ここで手に入れられる物はここで交換したらいいわ」


「それでその貢献点っていうのは?」


「あなたの牌に登録されてるわよ。ちなみに他人の牌を盗んでもその貢献点を使う事は出来ないから、あらかじめ言っておくわ」


はーん、つまり個人情報と仕事に応じた点数が紐づけられてるって訳か。


それでその点数で交換すると割安ってのは、つまり宗派側の勢力拡大の為もあるし、弟子が良く働くようにって言う雇用側の事情があるって感じかね。


「とはいえ、まだ働き始めて一週間ですもんね」


「誰でも入門時に必要な物を揃える為の準備金代わりの貢献点が付与されてるのよ。普通はそれで服とか、最低限身の回りの物とかを揃えるんだけど、まさか何にもなしで一週間過ごしてたなんてね」


子供を預かってるんだから、少し気が付いてくれても良かったんじゃないか?いや、何にもなしでも生活できたレベルの物をちゃんと与えてくれたんだから、感謝すべきか。


「しかし、何で蔵書閣?」


「それは……」


何故か言い淀む黄師姉を不思議に思っていると、


「あら坊や?はじめまして、珍しいわね子供が宗内にいるなんて」


そんな事を言いながら現れたのは、おばさん。


うん、言い方が大変悪いのは承知だが、何というか誰もがおばさんと言われて想像できそうなほど、きちっとごく普通のおばさんだ。


肌は白く整った顔立ちなのに、目は小さく皺もしっかりと浮き出ているのが、長年を生きてきた人の勲章の様だ。それでいて顔全体に艶があり、若々しいちゃんとしたおばさんとしか言いようがない。


なぜか不思議な顔をしてこちらを見ていると思ったが、そういえば挨拶を忘れてた。


「白小青です。はじめまして」


「あら?あなたも白なの!珍しい姓ね!実は私もなの、白婷よ!あらあら、もしかしたらどこかでご先祖が一緒なのかもね!いいわ!おばさんが何でも見繕って上げる!」


「それでは、白師姉に小青の事お任せしても?」


「ええ、いいわ!任せて頂戴!家には自分で帰れるのよね?」


「それは問題ありません」


一応はここにきて一週間だし、家に帰るくらいはね。

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