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22.毛師姉と距離近くなりすぎて、それはそれでよくない

「あなた、その歳で【厨術】使うなんてただ者じゃないわね」


「いえ、ごく普通の八歳児ですが?」


「ふふ!嘘仰い!八歳で真気を操れるなら、どこの修行場だって今頃子供だらけよ。誰だって寿命という名の時間制限と戦いながら修為を上げてるんだから」


そんな事言われても、ほぼほぼシステムさんのお陰というか、所為なのでどう説明したらいいかも分からない。


〔そういう時は家伝の秘密でとか言っとけよ〕


「(いや既に孤児だって言ったばかりなんだから無理じゃん)」


急なシステムさんの横やりにも随分慣れたもんだ。


「別にいいわよ!言いたくない事は言わなくてもね。今は【厨術】を使える修士が近くにいることが重要なの」


「そうなんですか?」


「そうよ!私の【厨術】なんて結局は師尊様の為に身に着けた付け焼刃で、道とは外れてるもの。師尊様と添い遂げる道は道にはならないし」


ふむ、タオとかいうのがいまいち不明瞭というか、はっきりした物じゃないので何とも言えないが、多分毛師姉にとって【厨術】は寄り道みたいなものなんだろう。


コスパとかタイパの観点から行けばどう考えても回り道だが、愛すべき李長老の為に身に着けたって訳だ。


多分その努力は無駄にならないんじゃないかな?一件回り道しているように思えても、結局は面倒な下積みがその人の土台を作る訳だし、土台のない人間は弱いよ。


〔いい事言うじゃないか。修行もそうなんだよな!とにかく早道せずにコツコツ土台を作り上げた方が、後々に絶対効いてくるんだから、お前も下積みはとにかくちゃんと積み上げて行けよ!〕


うん、変な事考えてたら、システムから変なアドバイスされたわ。


「ま、まぁでもこれで一応自分の価値は証明できましたかね?」


「勿論よ!私はあなたの不利になる事はしないわ!師尊様の邪魔にならない範囲で!」


「ですよね!自分も好師匠の事はとても好きなので、絶対悪さしないですから!」


「師尊様の事を好師匠って呼んでるの?」


あっ!いかん!つい頭の中の呼び名で呼んじまった!これはやばいぞ!


見てはいなくても分かる程に顔面真っ青になると、


「好」


凄く機嫌のいいハオが好師匠から帰ってきた。


「あら?師尊様はあなたの事をだいぶお気に入りなのね!」


ちょっと拗ねた風の毛師姉も中々に可愛らしいものがあるが、好師匠のお陰で何とか自分の立場は助かった様だ。まじでありがたい。


ホッとしたのも束の間の事、毛師姉は止まらない。


「でも、あなたその歳でそれだけの腕があるなら、別に黄師姉の童僕なんてやらなくても何とでもなるんじゃないの?」


いやいや、何言ってるんですか!こちとら子供ですよ!何の後ろ盾もなしにどう生活しろと!


「好」


「ほらー!師尊様もこう言ってるわよ!」


ハオって言ったけどもね!【厨術】とやらだけで子供がどうやって生活すんのよ!


「そうだ!黄師姉の手から自由にすれば、黄師姉の足を引っ張ってくれるかしら?」


「いや、そういうのは受け付けてません!」


流石にこればっかりははっきり拒絶しておく。


「何でかしら?黄師姉に頼らなくても生きて行けるだけの腕があるのに、何で独立しないの?」


「いえ、お気持ちはありがたいんですけども、前に毛師姉に対立できないと言ったばかりで、黄師姉と敵対する事も出来ないですよね」


「そうかしら?」


「そうですよ!子供なんだから!【厨術】使えても子供なんだから!一発頭殴られたら死んじゃうんだから!」


「そう?」


「そうですよ!そもそも自分を桃花楼から拾ってくれたのは秦師姉ですよ?秦師姉が黄師姉に預けたのに、その預けた子供が平気で裏切ったら、どんなことになると思うんですか!」


正直、自分でもどうなるのかはよく分からないが、とりあえずキレ気味に自分の心配を並べて行けば、その内面倒になるだろうっていう計算。


「秦師姉じゃ、それは問題よね」


想定より秦師姉の名前が効くの、やっぱり秦師姉って大物なんだな。


「ま、まぁそういう事なので、当面は表向き反目しあってる風にしつつも、好師匠の意に沿った動き方をケースバイケースで、状況判断しつつ、いい感じに……」


これでどうだ!好師匠を全面的に推す形なんだし、何の文句も無いだろう!


そもそも黄師姉からも好師匠の好感度上げろ的な指示しか受けてないんだから、好師匠に気に入られるように動くのは何の問題も無いはずだ!


これぞ中国式処世術!その名も面従腹背の術だ!


「でも、私も結構あなたの事気に入ったのよね」


「いや、それは好師匠の役に立つからでしょ?」


「うん!もちろんそれもあるけど、それ以上に意外と思慮深いって言うか、計算高いって言うか、自分が生き残る事に躊躇いがないでしょ?黄師姉ってそういうハングリーな所って言うか、足りない物を本気で追い求める力が弱いのよね」


別に自分だって、適当に諦め半分で生きてきたよ?前の世界ではね。


無いなら無いなりに適当に諦めて、程々に楽しく生きて来た筈なのに、こうしていざ別の世界に来てみたら、欲でも出始めたってのか?


いやいや、それは無い。今だって適当にうまく生き延びれればそれでいいと思ってる。それとも自分に野心があるとでも?

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