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僕は自分の世界で無双する  作者: ウエンズディー・S・水田
行って帰りし物語り

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6/13

僕はキャラ変する

キャラクターメーキングでキャラデザを自分に似せるって難しいですよねって言うお話です。

 僕たちはキャラクター設定から自分たちの姿を[人間]にして、それをベースに元の姿を再現することにした。

 かなり細かく設定出来るから、とにかく頑張れば自分たちの姿を作れるはず。


「うーん。もうちょっと私の耳って小さかったかしら。ハルはどう思う?」

「そうだね。小さいって言うか、もう少し丸みが有ったと思うよう」

 自分の姿の完全再現はかなり難しい。

「ねえミサ。僕の横顔こんな感じかな?」

「うーん。横からだとちょっと違うかな。わたしにいじらさせて。……。こんな感じかな」

「なるほど」

 自分の横顔ってよく分からない。

「わたしの後ろ姿これでどう?」

「そうだね。ここがこうで……。こんな感じかな」

 僕も直してあげる。


 それからも、僕たちは長いあいだ自分たちの姿を作り続けた。

 かなり似てきたけれども、何となくどこかが違う。

「うーん、だんだん分からなくなってきたよ」

 完璧を求めれば求めるほど、離れてゆくような……。

「わたし思うんだけれと、これで大丈夫よ」

「大丈夫って?」

「わたしたちすごく元に戻ったもの。あとは自分のなりたい自分になればいいんじゃないかな」

「なりたい自分?」

「そうよ。目や眉のかたちとか、髪の色とか。気に入った自分になるの」


 そう言うと美崎は設定をいじった。

 髪の毛の色がさっと変わる。

「どう、この髪の色。暗い所だと、ディープブラウンに見えるけれど、日の光に照らされると赤みがかって見えるの」

 美崎の言うとおり、日の光に輝くその髪の色は、かなり深めだかほんのりと赤みがかっていた。

「絶妙な色合いだね。よしっ、僕も」

 髪のカラー設定を細かく調整してと……。こんなものかな。僕はオッケーボタンを押す。

 さっと僕の姿に反映された。

「ほんのちょっとだけ青みがかった色ね。いいんじゃないかしら」


 そんなこんなで僕たちは、ちょっとだけ自分たちの姿を好みに寄せてみた。


「名前も変えちゃおうよ」

 と美崎。

「名前を!?」

「わたしがミサで、ハルがハル」

「いつものままだね」

 僕たちはいつもお互い、そう呼び合っている。

「それで名字がリミットレス。わたしたち、パラメーターに限界がないからリミットレスよ」

「同じ名字だね」

「うん。この世界でわたしたち家族よ♪」

 この世界がどんななのか、僕はまだ何も知らない。でも、きっとここには僕達の両親や友達、知り合いすらもいないだろう。

 僕と美崎が家族。そう思うと心に力がわいてくる。

「そうだね。僕達は家族だ」

 新しいキャラクターになった僕達は、美崎がお姉さんになるのか、僕がお兄さんになるのか、ワイワイ言いながら始まりの村に向かった。


 しばらく歩いているうちに僕はあることが気になってきた。

「ねえミサ。さっき僕達の姿を完成させてセーブしたよね」

「うん。したけど?」

「それでなんだけど、ロードすると僕達の記憶ってどうなるんだろう……」

「!?……って。あっ、そうか! そうよね。ロードするまでのことってわたしたち覚えてるのかしら」

「だよね。ロードしたときに記憶まで巻き戻ってたら……」

「わたしたちなんでロードしたんだろうってなっちゃうわ」

「そして同じ間違いを繰り返して……」

「無限ループになっちゃたりして」

「まずね」

「まずいわね。今のうちに確かめようよ」

 そう言うと美崎はオプション画面を開いた。

「確かめるって、何かいいアイデアあるの」

 僕は、これは厄介な問題だと思ったが、そうでも無かった。

「かんたんよ。まずね、今のわたしたちをセーブして」

 美崎はその場で僕たちをセーブした。

「そしたら。となりに開発画面を出してっと。そこにメモ書きボックスを開いて……」

 美崎はメモを書き込んだ。


 [今からロードします。わたしたち、この事覚えてるかな? 覚えて無かったらロードで記憶が消えるから要注意だよ]


「なるほど。さすがミサ。メモを閉じずに出したままロードするんだね」

「その通りよ。じゃっ、ロードするね」

 美崎がロードボタンを押すと、回りの景色が一瞬カクンと動いた気がした。影の位置や風になびく草の傾き加減が変わったのかな。


 僕はさっきまでの事を全て覚えていた。

「覚えてる」

 僕がつぶやくと、

「わたしも覚えてる」

 美崎も返してきた。

「よかった」「良かった」

 僕たちはホットした。僕たちの本質はゲームの登場人物よりも、ゲームプレイヤー寄りなんだ。やっぱり、この世界で好きなように、自由に遊べる。


 それから僕たちは歩き続け、小高い丘のきわを抜けると視線の先に始まりの村が見えた。

 そして僕たちはその村の姿を見て思わず立ち尽くした。

 僕たちは顔を見合わせてつぶやいた。

「まだだった」

「作ってなかったわ」

 バラバラに欠けてしまったポリゴンの残骸が寄せ集められたようなエリアが村の姿だった。

このゲームはあと少しで完成でしたが、宇宙からの攻撃でで中断しました。始まりの村はイベントが無く初期装備を整えるためだけの場所だったので作成は後回しで中途半端でした。

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