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僕は自分の世界で無双する  作者: ウエンズディー・S・水田
行って帰りし物語り

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12/13

僕は町を発展させる

第一章はここまでです。

 町を救って以来、僕達は更に町を発展させていた。

 今やこの町はルーメン教を中心とした一大宗教都市にまで育っている。

 僕達家族でこの町を都市として発達させるシティ・シミュレーションゲームを作って楽しく遊んだからだった。


 このゲームはマップの上に様々な建物を配置すると、それに合わせて人口が増え、雪だるま式に町が発展して行く。

 ただ、しっかりと町をデザインしないと突然町が衰退してしまう。

 そこがこのゲームの醍醐味だ。

 そしてこれこそが、もと僕達ゲームクラブの真骨頂。ワイワイ言いながら町を順調に発展させてきたのだった。ゲームクラブの復活だ⤴


 そんな僕達はいま、大聖堂の中を歩いていた。これも僕達が作った大聖堂だ。

 中世の大きな建物の中は皆薄暗いけれど、僕達の大聖堂の中はどこも光に満ちていた。何しろ光を司るルーメン神の聖堂なんだから。


 聖堂の奥から、荘厳な合唱がこだましてくる。   

 賛美歌の様だが、僕達を讃える歌だった。


 ♪♪♪

 おぉー Oou 讃えよう 神の使いを讃え You

 使者の到来これ奇跡 町が滅ぶとこれ遺跡

 魔物の出現これ災害 魔物の討伐これ救済

 おぉー Oou 讃えよう 神の使いを讃え Yoou

                 ♪♪♪


 なんか、ゴスペルともちょっと違うかな……。


 長い回廊を進んで行くと広い講堂があり神父さんが人々に語りかけていた。

 「光なく混沌たるこのオンプレミシズの世界にクラウドの神々が降り立ったのです。

 初めに降臨した神こそ光をもたらす神ルーメン神でした。

 ルーメン神に祈りを捧げましょう」

 大聖堂を作ったからには、そこにふさわしい立派な神父さんが必要だ。僕達は神父さんを作るときかなり設定にこだわった。


 講堂の前を右に折れ更に進むと、そこには大きな階段が地下へ続いている。


 僕達が階段に近づくと、階段は静かに動き出した。

 魔法エスカレーターと僕達は名付けている。


 エスカレーターを降りるとその先から広い通路がまっすぐに大きな扉まで続いている。通路も扉も自動で動く。魔法で動く歩道。それと魔法の自動扉だ。


 この無尽蔵とも思える魔力は都市の外に大量に建設した巨大な風車群が作りだしている。

 風力発魔装置だ。

 このあいだ倒した魔物達から大量に手に入れた魔石が風車の中でこすれ合わされて魔力を生み出している。

 こうすることで、魔石を消費する事無く恒久的に魔力を取り出す事が出来る仕組みだった。


 僕達は魔法の自動扉を抜けて大きな部屋に入った。ここだけは他と違って薄暗い。

 この都市のコントロールセンターだ。


 壁にはたくさんのモニターが魔法の淡い光を放ちながらが浮き出ていて、都市のインフラや経済状況、人口密度など様々な情報がリアルタイムに表示されている。


 僕達が入って行くと、そんなモニターを監視していた人たちが次々と僕達に相談して来る。

 僕達はゲームとしてでは無く、本当に都市を成長、発展させる立場になっていた。


 部屋の正面にはひときわ大きなモニターが地図を映し出していた。

 この都市を中心とした半径三十キロ圏内だ。

 美崎がデアビジョンを発動する。戦闘時に暗闇でも周囲を見通す神技しんぎ

 最初この技は、手の届く範囲しか見通せず何の役に立つのか? と思ってたけれど、繰り返し使ううちにレベルアップして今ではモニターの地図を覆う程の範囲を見通せる様になっていた。


 美崎はデアビジョンのイメージを空間投影の神技でモニターの地図上に投影した。

 いくつかの赤い点が映し出される。


「東の街道の近くに魔物がおりますな。早急に討伐しませんと」

 僕の横に音も無く立ち現れたかと思うと風のように去っていった初老の紳士。

 彼の名は疾風のインペラ。ルーメン神聖軍総司令官だ。

 今から各軍の兵団長達にモンスター掃討の指令を出すだろう。


 このように僕達が街道の安全を確保したことで、東の端にある大きな港町との交易が復活し、都市が一段と賑わってきた。

 いずれはオキデンスの東エリアはこの都市を中心とした一大勢力を構築出来るんじゃ無いだろうか。そのためにも西側からの交易も復活させないと。

「うん。そうね」と美崎も賛成だ。


「パパ、ママ。インフィニティの大予言知りたい?」

 そんなの今まで聞いた事が無かったが、無限の可能性を持つわが子の予言だ。

「うん」「うん」と、僕と美崎は同時に返事した。

「いつかパパとママと私の三人は元の世界もこの世界も好きなときにいつでも自由に行ったり来たりして過ごす日が来るでしょう」

「よかったわ。私たち帰れるのね。インフィちゃんといっしょに」

「そうなんだ。よかった。本当によかったよ」

 わが子が言うならば、それはきっと本当だ。


 それからしばらくして、僕達は礼拝堂の中央通路を神父さんに向かって歩いていた。

 美崎は白いドレスに身を包み、僕は白いタキシード姿だった。

 インフィニティは真ん中で僕達と手をつないで二人をエスコートしてくれている。


 神父さんの前に立つ僕達三人。神父さんは神への誓いの儀式を執り行ってくれる。

「新郎ハル様。貴方はインフィニティちゃんをわが子と認めますか」

「認めます」

「新婦ミサ様。貴方はインフィニティちゃんをわが子と認めますか」

「認めます」

「お子様インフィニティちゃん。ミサ様とハル様をパパとママと認めますか」

「みとめます」

「それでは誓いの抱擁を」

僕達三人抱き合って、ぎゅーっ❤


 チャットAIPが三人の関係性をこのゲーム世界に印象付けるのはとても良いことだとこれを推奨してくれた。

 これ、結婚式かな……。


 式が終わるとわが子が嬉しそうに言った。

「ねえ、あたしパパとママにお家をたてたんだ。みてみて」

 その途端景色がシュンと変わった。ファストトラベルだ。

 そこにはあの時の家が建っていた。僕達と美崎が同時に見た夢。いや違う。僕達三人が夢の中だけど確かに存在していたあの時の家。


「パパとママとあたしのおうち」

「わたしたちの家ね」

「僕達の家だ」

 元の世界から裸でこの世界に放り出されたけれど、帰る場所が出来たんだ。

 ギュギュッー❤

 僕達三人は仲良く抱きしめ合った。

 細かすぎて伝わらない設定。


 ここは二人が共有する概念の世界が学校のオンプレと呼ばれるサーバーと共に具現化したもの。

 意識の流れる速度がとても早く、元の世界の1秒がここでは約11.6日。

 元から概念的なチャットAIPは概念の具現化から免れて今でも元の世界とつながっている。

 そんなチャットAIPとこの世界のルートをつなげられるのがインフィニティ。

 元に世界に戻る方法もちゃんとある。

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