羽毛もふもふ日記 (6)
ランプの明かりが揺らめくほんのりと明るい部屋の中で、盛大なため息が聞こえた。
「はあ~、嘆かわしい……」
僕はそのとき、この部屋の中には男の子の他にもう一人、人間がいるのに気づいたんだ。
「不肖の弟子とはいえなんと嘆かわしいことか。この霊獣は知らない人間に驚き固まっているだけじゃとなぜわからん。よく考えてから物申せといつも言っているだろうが……このバカ者が!」
そう言いながら、長い白髭を蓄えたお爺さんは、持っていた樫の木の杖でぽかすかと背の低い男の子の頭を杖で軽く叩いていた。
「痛!いていていててて……! 何するんだ! このくそ爺!! 頭が悪くなったらお前のせいだぞ!」
「まったく、師匠に向かってこの口の利き方……。ここまで、ねじ曲がっていると育てるのも一苦労じゃわ。老い先短い、こんなか弱い老人に向かって暴言を吐きよるわ」
「お前、か弱くなんか全然ないだろ! いつも、ゲンコツ代わりに何かあると杖でぽかすか叩きやがって! 俺がふつうに死んでも、まだしぶとく生き残っているタイプだろうが――!」
僕の目の前で、なんか凄い言い合いが始まったみたいだけど……。よくわからないけど、二人ともなんか仲良さそうだな~。
目の前で繰り広げられる光景に、僕はあっけに取られ見つめていたのだ。