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夜空を眺める子狼


 ティアは夕飯を全力で食べ終えると、ラースに気づかれないようにこっそりと子狼姿のフィヌイと共に食堂を抜けだし、自分の部屋へと戻ったのだ。


 しばらくの間、部屋でまったりくつろいでいるとドアをノックする音が聞こえ、あいつの声が響いたのだ。つまりラースが部屋を訪ねてきたのだ・・!


 てっきり、あいつの分まで料理を食べてしまったことで文句を言われると思い、ティアは毛布をかぶり寝たふりを決めこむ。

 ドキドキと自分の心臓の音が聞こえたが、これは借金取りに追われる債権者の気分なのか……。



 だが予想に反しあいつは明日の朝、鍛冶職人たちの工房が集まる通りに出かけるつもりだから準備だけはしておけとドア越しに伝えると、あっさりと自分の部屋へと帰っていったのだ。


 ちょっと拍子抜けだったが、とりあえずティアはホッと胸を撫で下ろす。

 ちなみにフィヌイ様はというと、マイペースにくつろぎながら尻尾をふりふり窓ごしに星空を眺めていた。


 ――あ!ティア、見てみて! 流れ星がみえたよ。

 「え、どこですか? じゃなかった。……フィヌイ様~ 今のラースの話聞いてました。どうやら、フィヌイ様の石を加工できそうな工房を探しに行きたいようでしたよ。…私は特に反対する理由もないですし、買いだしとかにもいけるので、あいつと一緒に明日出かけようかなって思っているんですが、フィヌイ様は反対しなかったので、それでいいってことですよね?」


 ――うん、別にかまわないよ。ちょうどいい機会だし、街を見てみるのも面白いんじゃないかな。まあ、あいつの場合、僕の神力がこもっている神聖な石を持っているから精神的にかなり疲れているようだね。無意識のうちになるべく早くなんとかしたいのかも……ふふふふふっ


フィヌイ様は子狼の姿のまま、なぜか…どや顔で説明を続けたのだ。


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