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壊れかけた世界で死神は抗う  作者: 黒い水
白髪の少女
3/28

理解されない言い合い

なんかアクセス数が多いので書きだめしてあったものを一つだけ

 その時僕の口は自分の意思に反して質問していた

()()?」

 妹の名前


 とっさに口に出てしまった


「..どいう意味だ?」

「......ハハ」

 長い時間かけて少女から出た言葉が()()()()()()()()()と言う意味だと認識した瞬間

 自分は馬鹿だなー、と軽く嘲笑った


 妹はあの時死んだんだ

 死んだ妹が蘇るわけがない

 そんなことぐらいわかるだろ?なのになぜ質問をしたんだよ

妹が生き返るそんなご都合主義を期待していたのか、 

ほんとに僕は馬鹿だな...


少女を見れば不思議そうに僕を見ていた

質問の意図とそのあとなぜ笑ったのかわからないらしい

少女の目を見る。赤い目、その中には喜びの感情などない

9年越しの再開なのに、だ。


本当に妹ではなのか..

そのことが実感でき

再び悲しくなる自分が嫌になる

ーどうせ自分は死ぬんだ。妹に彼女が似ていても関係ないだろうー

そんな考えが沸き、そうだなと思った

「契約..だっけ?ごめん無理だ」

「...え!?..なんでだ?理由は?」


「あー、..僕は、君の言っていた通り。自殺するために来たんだ。もうこんな世界で生きたくないんだよ...だから君にこの命は渡せない。君のために僕は、生きていることなんてできない。それに、神人の契約相手は僕なんかよりもっといい人がいるはずだよ」


「わたしが神人とだと知ってるのにその対応かよ、そりゃねーぜにーちゃん...」

「そうだね、ごめんね」


「あー」

 少女は残念そうな顔をして、やるせない気分を示すように上を見る


 自分もつられて上を見ればもうすでに日がほとんど沈み。夜になりそうだった。

「早く逃げた方がいいんじゃないか?このままだとやばいよ?」

 これから死のうとしている自分は、これからも生きていく神人の心配をする。

 夜になれば化け物どもは活動しだす。

 契約していない彼女がどれくらい戦えるかは知らないが危険なのには変わりない

 

 もう死ぬところは見たくない

 人が、それも妹に似た人がまた死ぬのは耐えられない

 それに、あまりにも後味が悪すぎる


「なあ、もう一度聞くがわたしと契約する気はないんだな?」

「ああ、そんな気はない。他を当たってくれ」

 少女から眼を背け

 死ぬために、鉄柵の向こうへ行くために歩いて行く


 あと4歩


「だよなー、こうなるよなー」


 あと3歩


「あー!嫌だったんだけどなー」


 あと2歩


「これは、実力行使しかねえよなああ!!!!」


 あと1歩の時


 少女が一瞬で僕の前に来て鎌の柄の部分でみぞおちををぶん殴った。


「グハッ!?!?」

「ふんぬ!」

 そのままボールでも打つかのように彼女は体をひねらせ

 僕を鉄扉の方向に吹き飛ばした...結果

「がはっ!?」

 歩いてきた道を戻りながら僕は階段の手すりに背中から突っ込んだ

「すとらーいく」

「ッ..痛いお前何しやが


「うるせえ黙れ」

 少女の声色が変わる

「死にたいから契約できないだあー?知るかよ。にいちゃん、てめえにはわたしと契約してもらう。それにこっちの亡霊が言っているんだ自殺させるなってなあ!」

「ぼ..うれ…い?何を言って!?」

「理解しなくてもいいぜ、だが死ぬな。わたしの亡霊がそう言っている。それにわたしの夢見が悪くなるからな」

「そんな身勝手なこと!!!」

「人のこと考えず自殺しようとするてめえが言うな」

「僕には死ぬ権利があるんだ!」

「わたしにはそれを止める権利がある」

「僕にこの壊れた世界で生きろと言うのかよ!!」

「ああそうだぜ、この壊れた世界でわたしと生きろそして足掻け」

 言い争う

 少女は彼と契約させて自殺を止めるために

 少年は自分の自殺を正当化するために

 それぞれが理解されない言葉をぶつけ合う


 その途中だった


 お互いに言葉をぶつけ合いそれぞれの主張を言い合ってる時だった


 少年は気づいた

 向かい合っている少女の背中側でハンマーを振り上げている存在がいたことに。

「あ」

 瞬間だった

 妹の死体をくっきりはっきりとおもいだした

 車にひかれて頭がつぶれた死体を


 彼の右手が少女の頭に伸びた

 害意を持ったハンマーが振り下ろされる


 鈍い音が鳴った

4月に書き始めます

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