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壊れかけた世界で死神は抗う  作者: 黒い水
白髪の少女
19/28

死体の映像記録

これでいくつかの伏線を回収したつもりです

前の話で、銃弾を受けた。 時間の流れが違う。などを白石が知っていたところから亀裂内に第三者がいることをほのめかしたつもりです。

この人が亀裂内に入ってきたのは、亀裂が開いたときからから一、二か月後ぐらいです。

『もし、誰かがこれを見ているなら自分は死んでいるだろうなあ...』

 映像の中で、黒い装甲服を着る人間は、まるでそんなことは気にも留めないとでもいうように、気楽にそう言う。

 顔は黒い装甲で見えないがきっと笑っているだろう。


 そんな、悲観的なことを言うなよ。

 なんて言葉は口に出せない。


 なぜなら、男の装甲服には大きな赤い結晶が突き刺さっているからだ。

 ドバドバと、そこから血が流れているのが映像に映し出されているからだ。


 しかし、それに視線が動いたのを知っていたかのように、、男はその傷口を隠して

『おっと、これを見て怖がってほしいってわけじゃねえ』

 苦笑いしながらそう言う。

『話したいことはいくつかある』

『一つ目だ。絶対いないと思うが..もし、俺と同じように「加護」を受けた民間人が見ているなら...運良く生きたままあのクソ野郎に会っていないなら、悪いことは言わねえ、自殺しろ。』

『激痛でショック死だとか、俺のように失血死なんてしたくないだろ?』

『拳銃なら、右足の装甲内にある。使いたいなら使え。』

『おっと、民間人君はこれからの言葉は聞かなくていい。さっさと自殺しろ。...二つ目、もしこれを見ているのが、俺と同じ状況に陥った別部隊なら、『バルバトス』を持ってこの亀裂から脱出してくれ、神人の完璧な適合者がいない今では、あれが切り札だ。俺の背中側にある。あー、光学迷彩で隠してあるからしっかり探してくれ。なかったら...わかるだろ?』

『さて、まだ映像を見ている人は。民間人でも部隊の人間でもない人は。多分、神人の契約者か。もしくは、白石てめえだろうなあ。このクソ殺人鬼。てめえが、見ているなら言うことばなんてねえよ。天国で泣いてる娘の顔でも想像して、死にやがれ。』

 そこで画面の男は、一度深呼吸すると


『望みは薄いが、もし神人が見ているなら...個人的にひとこと言わせてくれ..おまえ!すげえなあ!良く一人であの地獄のような地上を生きたもんだよ!..まあよく生きてたなあ!大変だったろ絶対。』

 男はいきなり上機嫌に話し出した。

『なんで、俺があの地獄で生きたことを知ってるか、だって?』

『簡単だよ。シェルターには適合者はいないからだよ。だったら外にしかいねえだろ!ハハ!』

『シェルターってなんだよって顔をしているだろ。シェルターってのは化け物の勢いを重く見た政府が、地下に建設した都市のことだよ。まあ、建設が遅れたせいで君みたいな、逃げ遅れた者や、その情報が受け取れなかった者が取り残されてしまったんだがな...あー、たしか神人は保護されていたから...政府は救助活動にまだ力を注いでいるってことだろ...いやーよかったよかった。』

 嬉しそうに笑う声が聞こえる。

 しかし、なにか違和感に気づいた。

 それは...

『俺の体力だろ?』

 蛇口をひねったかのように血はドバドバと出ている。

 話している間ずっとだ。

 なのに、なぜ平気そうなんだ?

『俺は..まあシェルターで説明を受けていると思うが..

 神の力の定着に成功した人間だ。加護持ちだ』

 ヘルメットを脱ぎ始める。


 少しだけひげを生やした、男性だった。

 たぶんイケオジと言われる部類の人間だろう。



 しかしその顔は、半分黒い何かに覆われていた。

『片見えねえし、医師から余命宣言もされるんだぜ?やべえだろ?神人のように適応できなかったらこうなっちまうんだ。まあ、本来なら神人の契約者しか入れない亀裂の中に入れる利点はあるが、そんなん自殺方法のレパートリーが増えるぐらいの恩恵しかねえし、最悪だよほんと。』

『数少ない使えるところがこのタフさだが、これじゃあ、苦しみの延長だしな。』

『あー、あと『バルバトス』についてだが...銃だ、とだけ言っとくぜ。もし、白石が見ているならこの武器について知られては困るからな。使い方がわかるなら使ってくれ。神人なら反動も抑えきれるだろう。』

『あと、最後に一言だけ...もし、生きてシェルターに戻れたら...葉波学校にいる朝雲月見(あさぐも つきみ)に...あー、これ言ったら殺さるかもなー...「息子の顔をみるの、天国で待ってるぜ」って伝えてくれ、...あいつ、ほんと男勝りだから全然結婚しなくてな~幼馴染の秋友(あきと)と会うときは、すっごい嬉しそうに乙女っぽくなるのに。あーあ、お前に娘はやれんとか、ちゃぶ台ひっくり返すとか、やりたいことまだまだあったのになー、ほんと、ついてねえ』

『って、一言って言ったのに全然一言じゃねえな。俺の悪い癖だ。すまんすまん。............あー、人に託すのはあんまり柄じゃねえが......契約者、後は頼んだ。俺みたいに、死ぬな。』


 苦笑いしながら、男は手を振り


 涙が一滴、こぼれたのが見えた。


 それを反射的にぬぐった時、彼は自分が泣いたことに初めて気づいたのか、ビックリしたような顔をして。


 苦笑して。



 そこで映像は止まった。

最初は黒い何か+猫耳生やそうとしてた時期がありました。

黒い何かは決定してたけど猫耳は…アニメの影響ですね

好きなキャラはボンドルド(どうでもいい)

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