白毛虫転生
私は、毛虫だった。
どこにでもいる、毛虫だったのだ。
艶のある白い体毛に誇りを持ち、毎日をひたすらに葉を食むことに費やし、いつか成虫になろうと志したこともあった。
私も同じだ、負けたのだ。
しかし、私は特別だった。
この極夜の森に、私は再び生を受けた。新たなる種族、
「白毛虫」として。
今度こそ幸せになってみせる。
―これは、やべぇ奴らの物語である。
まずは現状の確認をしておかなければ。
私の種族やステータスを確認しておこう。ちなみにステータスはなんとなく分かりました。
「ステータス」
白毛虫
レベル 1
体力 5^Lv
魔力 5^Lv
固有能力 一迅の芋虫:速い
殲滅の芋虫:強い
次元竹:次元から竹を取り出し、自由自在に操ることができる。
変幻自在:姿を自由に変化することができる。
こんな感じである。
それでは行ってみよう。
まずは人間に合わなければならない。奴らをせん滅するのだ。
この極夜の森は辺り全体が一日中真っ暗で、どの方角に人がいるのかすら把握できない。
まずは「変幻自在」により、歩きやすく脚を作り出すことにした。
脚ができたので動き出そうか。
しばらく適当に真っすぐっぽく歩いていると、緑色の人族みたいな生き物が腰布一丁で歩いているのが見えた。
どうやら相手からは見えていないらしい。先制攻撃を仕掛けよう。我ら芋虫に撤退の二文字はない。
固有能力:次元竹により、キウイボーイの周りに次元の裂け目が生まれ、竹が飛び出してくる。青々とした立派な竹だ。
変態は召された。
おや、どうやらレベルアップしたようである。
現在のレベルは2だ。体力魔力ともに25へと成長した。
私は歩く、歩く、歩き続ける。
やがて森を抜け、明かりを見つけた。
炎だった。