第二話
戦闘の描写は苦手なので
温かい目で見てください
学校で護がクラスメイトがヴォイスについて話していた日の数日後。
護はVVBのロビーにてある人物を待っていた。
「はぁ・・・。拓人の奴何してるんだか・・・。」
「わりィ、待たせたn「悪いと思ってんなら、はよ行くぞ」
って、しゃべらせてよ!!」
「言い訳無用。さっさといくぞ司令官」
彼が待っていたのは進藤拓人。同じ高校のサッカー部で高校二年生だが、
護がヴォイスという人気配信者だということを知っている数少ない一人である。
ちなみに拓人は彼女持ちだとか。
護と拓人は幼稚園が同じで仲良くなったが、護が小学校、中学校とアメリカに両親の
仕事の都合上引っ越ししていたため、一緒に遊ぶのがオンラインでできる
ゲームぐらいだったため一緒にやっていた。
(一緒にやっていて拓人は口が軽いわけではないので護はヴォイスのことを
教えている)
護が言っていた司令官というのは、パーティー内での指揮官のことで、
落下地点の指定、チームの方針の決定、戦闘時の指揮などをする。
(大会に出るようなレベルでないと、一般的には司令官は必要ないが、
護は非公式とはいえ大会に出るレベルであるため、ずっと一緒にやっていて、
判断力に優れている拓人に任せている)
≪輸送機の発進まであと一分≫
マッチに入った護と拓人はもうすぐ来る、大会用アリーナのことについて話していた。
「護、最多キルの動画よかったけどさー、あんだけヘッショ取ってたら変態エイム
ってことで運営に通報されなんじゃないのw」
「ああ。いつも通り運営からチート不使用の確認と調査が入ったけど、使ってないから
なんともなかったよ。っていうより、誰が聞いているか分からないんだから、
護はやめろいつも通りサンで呼べ」
護は配信用に【ヴォイス】があるが、プライベートで付き合いがある拓人などとやるときは
最初にVVBをはじめた【サン吉郎】という名前のアカウントでプレーしている。
(サン吉郎という名前は護の父が、歴史マニアで藤吉郎をもじって作った。
当時護は父親にアカウントの詳細設定だけではなく名前まで決められて、その名前が
ダサかったため、半日落ち込んだとか。一応プレーヤーネームの変更はできるのだが
それに気づいたのが結構後だったため、初のVRの記念として残しているのである)
「さぁて行こうか。【コブラ】」
(ちなみにコブラという名前は、軍事マニアの拓人の父がつけた。そのままの理由は
護と一緒である)
「OK。サンこの航路なら東の工場地帯に行こう。」
アナウンスから30秒がたち、輸送機が離陸。マップに航路が表示され、拓人が即座に
着陸地点をマーク。いつもハイレベルなところで戦っているので
楽しむつもりで入ったランク帯なので、激戦区だろうと生き残れる自信がある。
(拓人は少々戦闘狂。護はそうでもない)
護は着陸して即座に、ハンドガンを拾いまだ降下中の敵に向けて
容赦なく銃弾を当て、空中ダウンを取った。
「ワンダウン」
護から拓人への報告。
「OK。ある程度武器がそろったら中間地点に集合。建物内にいる敵倒すよー。
CQBでも行けるっしょ?」
と拓人
「ああ、行ける。親父譲りの技術見せてやる」
と護
柴山護の父柴山隆也は、自衛隊の隊員でありレンジャー部隊でもある。彼は向上心と
潜在能力を買われ、アメリカにある民間軍事会社に出向していた。
この制度は科学技術が進歩し、軍事利用もされている情勢の中、軍縮条約により
大量破壊兵器の技術的退歩が進められた結果、今一度同盟国同士の歩兵の質を高める
という目的のために作られた。隆也はその制度を使ったわけである。
そして隆也はなぜか息子の護に自分がレンジャーで鍛えた射撃技術と戦闘技術や
サバイバル技術などを教えていった。護はかっこいいものに憧れていた為、
どんどん吸収していった。彼がVVBで強いのは父からの教えがあった他ならない。
VVBは素人もプレイするためアシストはあるが、外した方がヘッドショットをしやすく
ほかにも外した方がいいことがあるため。外した方が強いと言われている。
又現実での銃のリコイルや動作を忠実に再現されているため、現実でのプレイヤー
スキルがある方がこちらも強いと言われている。
まあ、護はVVB目的にではないにしろスキルが身に付き、最初から強かったわけだが。
閑話休題
「【コブラ】ここからはハンドシグナルだ。後ろのクリアリングと警戒を任せる」
「OK。一応俺はこのままAR持つね。いざというときに弾幕張れるから」
彼らは合流しCQBに移行していた。CQBとは近距離の格闘のことで遮蔽物などに隠れながら、索敵・クリアリングなどをするため護はワンダウン取った後に拾ったARとSMG
の組み合わせの中でSMGを選び、索敵していた。
最初に空中ダウンを取った時に護は確定キルを入れていなかったので二人とも
仲間が復活させたというのを前提に考えていた。
(護が確定キルを入れなかったのは少し距離があったのと、ある程度な激戦区で
あったため隠れてもほかの敵にキルを入れられると思ったからである)
『コンタクト、バレていない、準備』
と護が拓人にハンドサインで伝えた
『カウント3・2・1・GO!!』
護のカウントにより二人は芋プレイをしている敵のいる部屋に突撃し銃弾を
叩き込みアーマーを割りキルを取った。
「オールクリア。足音なし」
「OK、エリアから外れたから移動。ジープ取るぞ」
はたから見れば、いささかやりすぎな気がするが、痛覚以外の感覚は
あるこのゲームの性質上、敵より早い早期発見が必要なのである。
ランカーはここまでといかなくとも、同じようなこともしている。
(VRゲームであるが、現実を再現するというコンセプト上
念話的なもの話使えず、ハンドシグナルを使う)
≪プレイヤーが残り30名になりました≫
プレイヤーの残りの数を告げるアナウンスがなった。
ジープで移動中だった護と拓人の二人も聞いていたが、護は違和感を覚えた
そして運転席で運転中の拓人に話しかけた。
「なあ、この時間、このランク帯にしては減るの早くない?」
「確かにそうだな。このランク帯にしては。まさかs〈パキーン〉
「は?」
拓人は話している最中突然ダウンされた。それもヘッドショット一発で
(ヘッド一発ってことはスナイパー。結構な速度出してるのに当てるってことは
偏差がうまいってことか・・・。ってやべぇ!!)
護はエリア内の移動目標であったビル群にちょうどついていたため、ハンドルを切り
わざとジープをクラッシュさせビルの壁に隠れた
(少なくとも音が聞こえなかったから1キロ以上。一キロ以上でスナイプ出来る
見渡せる場所っていえば、セントラルタワーか。)
ダウンされていた拓人を復活させた後
護は少し場所を移動し狙撃した敵がいると思われる場所を双眼鏡で確認した。
(BINGO!!ってあそこに匍匐でガン待ちされてギリースーツ着てるの
分かるかぁぁぁぁ!!!!)
と心の中で護は突っ込んだ。敵は1キロ以上先のビルの屋上から最大倍率のスコープで
見て狙撃したのだ。
(最大倍率スコープ持ってるていうことは、狙撃手確定。あとは仲間の有無だが・・・・
ナイス!!ビルの反対側で戦ってればあいつも其方に気がひかれる。其のすきに仲間もいればそいつも同時に距離を詰めて叩く!!)
護はビルの反対側にプレーヤーとそれを追いかけるジープを発見した。
「【コブラ】狙撃手をたたく移動するぞ」
「OK、あんなスナイプ初めてかもレベルたけー。誰なんだろ」
彼らがいるのは日本のサーバーのマッチ基本的には日本のプレーヤーはこのサーバーに
つなげられる。海外からつなげる人もいるが数は多くはない。
そのため護が危惧していたのは新たなプレーヤーの台頭だ
彼自身は自分の戦績を見ないため自分の実力は細かくは把握していない。
そのため次の日本大会で凄腕狙撃手が来れば脅威と考えているのだ。
彼らはビルの反対側の戦闘に狙撃手が引きつられたうちに移動をし
狙撃手がいるビルを登っていた。
『コンタクト、気づいていない、準備』
護が拓人にまたハンドシグナルを送った。狙撃手の仲間を見つけたのだ
『あいつは俺がやる、お前は先に』
『OK』
拓人はARを構えて敵が気づいていないうちに先制攻撃。リロードをする前にダウンを取ることができたため、安全にリロードし確定キルを入れた。
「【サン】確定キル取った後は狙撃手だけだ」
護も狙撃手とコンタクトし、戦っていた。相手もARは持っていて確かなエイムはあるので
お互い一歩も引かなかったが、護か突如スモークグレネードを投げ
姿を消し相手の反応を予測し銃弾を叩き込んだ。予測は的中しておりHPは削れたが
キルとまではいかなく逃げられた。
(ケッ!アーマーがレベル3だったかしょうがない。でも近接は得意じゃないみたい
だから行けるな)
そう彼は父親から戦闘技術を教わっていたため、相手の動きの予想をできるようになっていた。スモークを張ったのは近接戦闘のレベルを図るためであり彼の予想が当たったことから、相手が自分より近接は出来ないと判断していた。
狙撃手を追いかけながらリロードし彼は予想される立ち回りから回り道をして
先を越して待っていた。
足音を聞き近距離になった瞬間物陰から、姿を出しARの銃弾を叩き込んだ。
相手が先ほどの護同様にスモークを使ったので目視ではわからなかったが
キルログでキルを取ったのを確認した。
(なんでここにあいつがいるんだ?【suvalt】はアメリカでも屈指のスナイパーだろ??
なんで?何を目的に)
彼がキルを取ったのはアメリカにて偏差の【suvalt】で有名な狙撃手で普段は
アメリカのサーバーでプレイしているはずなので、日本サーバーにいる意味が分からなかった。
護はその後プレイを続けたが【suvalt】が頭から離れず、キルを取ったプレーヤーの誰かが
彼の画面を見ているマークが出ていることに、気づいていなかった。
«アメリカ・ニューヨーク州»
「あー、負けちゃった。あんな強い人あのくらいのランク帯にいるんだー」
ヘッドセットを外しベットの上で伸びをした少女は一人つぶやいた
部屋にある私物は段ボールでまとめられており、家具は空っぽだった
「待っててねヒー君今から行くから」
少女はまたつぶやいた
ヒロイン登場!?