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セバスチャンと幼女と赤ちゃん

 



「ねぇ、せばしゅー」

「はい、お嬢様」

「あかちゃんってどこからくるの?」


 来ましたね。

 来てしまいましたね。


「あのねー、アルがねー、とりさんにかごではこぶーって」


 やはりあのくs……こほん、坊やですか。

 全く、子どもだからと古い回し文句を。

 しっかり教えて差し上げてほしいものです。


「お嬢様はどう思われますか?」

「わたくち、ちがうとおもうの」

「ほう」

「めだまたしないたまご、にわとりになるでしょ、だからなの」

「成る程、素晴らしいですお嬢様」

「えっへん」


 大変可愛らしいですね。

 目玉焼きが好物の、小さな胸を突き上げて。


「私の考えを聞いていただけますか?」

「どうじょ、せばしゅ」

「ありがとうございます。大人の女性は、皆お腹に赤ちゃんの卵を持っています」

「みんな?」

「そうですね、恐らくは。そして、男性と愛し合うことで卵が育ちます」

「にわとりおなじ?」

「にわとりは卵を巣で温めますが、人間は女性がお腹の中で温めるのですよ」

「ねぇ、せばしゅ」

「はい、お嬢様」

「わたくちもかわいいあかちゃんほしいわ」

「赤ちゃんは、欲しいからと貰えるものではありません。まず、温めるのは大人の女性にしかできずとても大変なことです。だからこそ、産まれた赤ちゃんは大変可愛らしく大切にされるのです。そして、お世話はとても大変で、責任も伴います」

「ねぇ、せばしゅ」

「はい、お嬢様」

「くっきーはどこからくるの?」

「ええと、小麦粉と卵と……」

「しゅみーにきく。いこう。はい」

「……かしこまりました、料理長のところですねお嬢様」



 手を出されたら取るしかありません。

 少し熱が入りすぎてしまい、飽きさせてしまいましたね。

 お嬢様のためにもっと精進しなければ。


 おや、お嬢様に違和感が。

 歩き方……ああ、靴が小さいようです。

 ドレスもすぐ小さくなりますね。

 すぐ新しいのをあつらえなければ。



「あぁ、お嬢様、そんなにお口に入れては喉に詰まってしまいますよ」



 プリっとした頬っぺたいっぱい頬張る姿はリスのようで大変可愛らしい。

 ……まだマナーはよろしいでしょう。

 もう少し、もう少しだけ。




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