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Re:verse-Re:birth  作者: あーる
第1章『夢と現実の狭間と謎編』
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1-9.『本題』

「オマエは一体、どんな妄想してるんだよ……透たちに限って、オマエが思ってるようなシチュエーションあるわけ無いだろ」


「あ、あれ……なんか、4人とも顔が赤いような……」


 瑠夏が刻たち4人が顔を赤くしたまま、全員から顔を逸らしていたことに気づく。当事者の5人のうち、透だけが無表情のまま


「おいいいいい! 透、どういうことだってばよ!? 反応的に、やっぱ絶対なんかあっただろオメーら!」


 直輝は興奮モードになり、透を軽く胸ぐらして揺さぶり、詰問した。呂威は、珍しく取り乱して焦った様子で直輝を透から引き剥がそうとする。


「おい、馬鹿! やめろ! 透は今、体調が不安定だと言ったはずだろう?」


 颯空も慌てて、呂威に加勢する。


「落ち着けよ、直輝! まったく、女子の話になると直ぐこれだ! 変な想像すんのはよせよ!」


「こりゃ直輝は、18歳までに童貞卒業するのは無理そうだねー」


「どうていって……何?」


 乃之は本気でわからない様子で、首を傾げた。


「あー、えっと、それは……まだ知らなくてもいいんじゃないかなー……」


 心が気まずそうに言う。


「そうなの? 刻ちゃん」


「え? 私に訊くの?」


「うん! 刻ちゃん、すっごく頭良さそうだから!」


「えっと……まぁ、そのうち知ることになるとは思うよ」


「そうなんだ……私、日本語の勉強がまだ足りてない気がするんだ。だから、まだ年齢不相応な日本語力かもしれないの。よかったら、今知りたいな!」


「え、えぐい……」


 心は、珍しく刻に同情した。瑠夏も罪悪感を抱く。


「……伝わりやすい解説を考えておくよ。今は透お兄ちゃんのお話が最優先だから」


「そっか……それもそうだね!」


 乃之の説得に成功する刻。心は瑠夏にジト目で詰め寄った。


「もう、瑠夏……」


「あはは……そういえば帰国子女だってこと、すっかり忘れてた。だから皆知ってると思ってつい……」


「中身が大人になるのは遅いくせに、発情期が来るのだけは早い奴らめ……」


 呂威は呆れて頭を抱える。そして、直輝はハッと目が覚めたように今度は刻に向かって詰め寄る。解放されて切り株の後ろへ倒れかける透を、お姫様抱っこするみたいに颯空が慌てて支えた。


「と、刻!」


「何?」


「ぜ、ぜってーに、まだ教えるんじゃねーぞ!」


「教えるなんて一言も言ってないけど? まぁ、わからないことを知ろうとする学習意欲があるのは良いことだから感心はするけどね。というかそもそも、なんで私が知ってる前提なのかな……」


「あれ? そういやたしか、この前調べてわかりそうなことは自分で調べてみて、その上でわからないことがあったら教えてあげるって言ってたよな」


「今は状況的に、自分で調べるのは難しいでしょ。私もそこまで鬼じゃないし、答えてあげても良いかなって思うことなら訊かれたら教えるよ」


「ほーん。歩く広辞苑って呼ばれてる割に、色々と厳選すんだな」


「……意味、教えてあげようかな」


「だー! わかった! オレが悪かったって!! 許してくれ!! いや、許してくだせえ、刻お嬢様!!」


 周りが騒ぎ出す中、月葉(つきは)が珍しく大きめの声で話す。


「皆、静かにして……」


 月葉(つきは)の声が全員に届いたのか、一気に周囲が静まり返る。そして、全員が透と月歯(つきは)に注目を集めたのである。


「透くんの話、早く聞きましょう……透くんが、まだ元気なうちに……」


「ごめんなさい、その通りだね。余計な時間使って待たせちゃったね」


 刻が謝ると、周囲もようやく落ち着いて集中モードになる。


「昨日、刻たちに話す時もそうだったけど……やたら前置きが長くなってしまうな」


「ご、ごめんなさい……また私が余計なことを言ったばかりに……」


「大丈夫。瑠夏のせいだから」


「か、返す言葉もありません……」


 燈をフォローする心に、瑠夏は苦笑いしながら申し訳無さそうに言う。 


「さて、本題に移る。さっき、明日花を怒らせてしまったが……変な物体って言うのは、皆がくれた誕生日プレゼントを不満に思っているわけじゃないんだ」


「大丈夫、それくらいわかってるよ。どう聞いてもそんなニュアンスじゃなかったし。あいつがおかしいだけだから」


「そもそも、透が誕生日プレゼント貰ってそんな気持ち抱くようなヤツじゃねーってことくらい、幼馴染みならわかってるっつーの。だから、取るに足らねーかまちょの勘違いで心配すんなよ!」


「それで、変な物体というのはどういうことだ? らしく無い物でも混ざっていたということか?」


「そういうことになる。察しが良くて流石は呂威だな。でも、まずは……誕生日プレゼントの話をする前に、ここ直近で見た夢についてから話をする必要がある」


「夢? 悪夢とかそういうことか?」


「少しゾッとする話かもしれないし、第三者目線だと信じ難い話かもしれない。オカルトとか非科学的なことを信じない俺が言うってなると、説得力が無いかもしれない」


「とりあえず……話してみてくれよ。透が変な冗談を言う為に、わざわざ俺らを集めたとは思えないし」


「ま、よっぽど重要なことなのに違いねーよな。今までもそんな感じだったからな」


「普段の透くんなら、どんな悪夢でも直ぐに流しそうだもんねー。本気にもしなさそうだから!」


「たしかに。入学式前日は全然なんとも無かったよね? 透が様子おかしくなったのは昨日からな気がする」


「瑠夏もなかなか鋭いな。そうだ、俺が色々と気分がおかしくなったのは昨日からなんだ。とりあえず、夢について話していく」


 透は、隕石が降り注ぐ夢から火山の噴火に追われる夢、誕生日プレゼントに夢に出てきた例の物体が紛れ込んでいたことについてまでの経緯を全て幼馴染みたちに話す。


「……以上が、ここ直近で俺に起きた出来事だ」


 透の話を聞いて、何名かは不気味さに顔を青くしながら全身を震わせていた。瑠夏と直輝が、先ほどみたいに再び抱き合って怖がっていた。


「なんだよ、それ……それは正夢なのかよ?」


「俺にもわからない。寧ろ、俺が知りたいくらいだ」


「透や刻にもわからないことは、当然ながら俺たちにもわかるわけがあるまいな……悪いが、話を聞くことしか俺には出来そうに無い」


「いや、今はそれで十分だ。まずは身内に知っておいてほしいことだったからな。信じる信じないは任せる。俺も正直、あまりにも非現実的すぎてて話していて馬鹿馬鹿しいからな。こんな馬鹿馬鹿しい話をする為に、皆に来てもらったのが申し訳無い」


「いや、俺は信じるよ。透が時々体調悪そうにしていたのも、納得だしな」


「うん……真相はまだ謎だらけではあるけれど、私も何かがあると思っている……でも、現状は透くんにしか解明のしようがないのもまた事実……」


「そこなんだよね……何度も言ってるけど、わたしたちもトオくんの夢の中に入れたらいいのに」


「それは危険だからやめてくれって話もしたな。いくら夢とはいえ、俺の為に皆の命を懸けさせたくない」


「でも、一人で抱える必要は無いよー? 透くんにはわたしたちがいるから! いつでも、気軽に相談してね! 必ず助けて力になるよー!」


 星名(せな)が透の手を優しく握りつつ、透の目を見つめていた。


「ところでさー、透って昨日は何か夢を見たの?」


「昨日は……実は気を失ったんだ。あの変な物体を現実で見た直後にな」


「……え!? 気を失った!?!?」


 瑠夏は驚愕のあまり、変な声を出す。


「うん……透お兄ちゃんが、今まで聞いたことの無い断末魔を上げて、そのまま倒れたんだよ。家中の人たちが飛んできて、一気に廊下は人混みになって……もう、私たちや他の家族や親戚一同が衝撃を受けていたよ。皆、心配で心配で……」


「このまま、ずっと透おにーちゃんが起きなかったらどうしようとか最悪なことばっか考えたよね。わたしたちも、碌に眠れやしなかった」


「大変だったんだな……その直後に、俺らを誘ったってここに呼び集めたってことなんだな?」


「そういうことだ。それで、例の物体はこの箱の中に入ってる。よかったら、皆も見てくれないか? 心当たりがあれば、教えてほしい」


「うむ。見てみないことには始まらん。その箱を、この俺に貸してくれ」


 透は、まず最初に呂威に例の物体が入った箱を手渡した。

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