表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Re:verse-Re:birth  作者: あーる
序章『プロローグ編』
13/150

序-13.『下校』

(とおる)くん? どうしたの?」


「……誰かに後をつけられているような気がしたんだ」


「え!? 誰に? まさか明日花(あすか)?」


「もし明日花(あすか)なら、何食わぬ顔で堂々と現れるだろ?」


(とおる)なら、いつも誰かにストーカーされても直ぐにわかるだろう? まさか、今日に限ってわからんわけでは……」


「それともアレか!? 霊的な……オカルト系か!?」


「ちょ、直輝(なおき)! 怖いこと言わないでよ!」


「落ち着け……俺の気のせいかもしれない。気にするな」


「いつもの(とおる)なら、気のせいかそうじゃないかも判別つくだろ? オマエ、本当に今日は色々とどうしたんだよ?」


「……心当たりならなくもない。ただ、頭の中の整理がつかなくて、今は全て話す気分になれない。気が向いたら、お前らにも必ず話すよ」


「約束だぞ! オレは男同士の約束はぜってーに忘れねーからな!」


「ふーん。女との約束は忘れるんだ?」


「あぁもう、うぜー! いちいちオレの揚げ足を取るんじゃねえ!」


直輝(なおき)に揚げるほどの長い足あるのー?」


「うるせーー!」


 からかう瑠夏(るか)を追い回す直輝(なおき)。そんな様子に、普段から無表情である(とおる)を除いた幼馴染みメンバーたちは微笑んだ。


 帰り道も相変わらず人だらけだったが、(とおる)たちははぐれることなくなんとか道を進むことが出来た。途中で帰り道が分かれる為、(とおる)を除く男子三人は、(とおる)たちと一旦別れた。


「じゃ。また後でな」


「うん! 三人とも遅刻しないでよー?」


「けっ、一番遅刻しそうなヤツが言ってらぁ」


「うーん、赤坂直輝(あかさか なおき)くんはどうやらまだ反省が足りないようですね~?」


「わ、わかったって! 背が高くて美人で、スタイル良くて胸がでかくて、足は変わったチーズみたいなにおいで、性欲旺盛で、ドSでありドMでもある中野瑠夏(なかの るか)さま!」


「途中から褒めるどころか喧嘩売ってるよね!?」


 後の(とおる)の誕生日パーティのこともあり、一旦は直輝(なおき)を許した瑠夏(るか)(とおる)たちは、改めて颯空(さすけ)直輝(なおき)呂威(ろい)の三名と解散して帰路を進む。


 途中で瑠夏(るか)とも解散して、残り3分にも満たない距離を(とおる)(とき)(あかり)の三人は歩き続けた。


「……あいつらは本当に元気だな。無駄に疲れた気がする」


「ははは……まぁ、悪いことでは無いよ。明日花(あすか)ちゃんみたいな悪質じゃない限りはね」


「それにしても……二人とも、怪我したのがよく俺だってわかって、保健室まで直ぐ来れたな」


(とおる)くんたちが、行った方向から凄い音が聞こえてきたから……嫌な予感がしたし、凄く怖かったんだ。(とおる)くんは勿論、颯空(さすけ)くんや直輝(なおき)くんの可能性も……いや、私の知らない他の誰かならいいってわけじゃないんだけど……」


「わかってる。身内が大変なことになったら、変な汗が出てきて怖くなるだろうし」


「そしたら……案の定、転げ落ちたのが(とおる)くんって聞いて血の気が引いたんだ。誰かと保健室に連れていってもらったって聞いたから、自分の怪我も気にしてられず、急いで戻った方保健室に向かったよ。まぁ……私自身も怪我してるからどのみち保健室に行くことには同じだったけど。結局は(とおる)くんを迎えに行っただけで、保健室には入らなかったんだけどね」


「そうか。ありがとな、二人とも」


「どういたしまして、(とおる)お兄ちゃん」


 (とき)(あかり)は少し顔を赤らめ、照れている。そして、(あかり)には(とおる)の身体の状態での安心は勿論、別の意味での安心もあった。


「(でも、よかったな……(とおる)くんを保健室に連れていってくれた人が女子じゃなくて男子で)」


 (あかり)は、(とおる)を保健室に連れて行く人物が、もし自分以外の女子だったらと思うと色々な意味で自身が混乱しそうだったからである。見覚えの無い人物ではあったが、(とおる)と同性の人が同行してくれた人物で本当によかったと(あかり)は心の底から思った。


(あかり)。どうかしたのか?」


「……えっ?」


 (あかり)があれこれ考えているうちに(とおる)は、(あかり)が何かそわそわしていることに気がついていた。


「いや……何か別の意味でも焦りを感じていたように見えて」


「ええ!? そ、そんなこと……無いよ?」


「……そうか。大したことじゃないなら大丈夫だけど」


(あかり)ちゃん……」


「え? と、(とき)ちゃん……?」


「ごめんね、(とおる)お兄ちゃん。少し待ってて」


「……あぁ」


 (とき)(あかり)の耳元に囁くように、(とおる)に聞こえないように気をつけながら注意して小声で話す。


「いくら(とおる)お兄ちゃんが、女子からの恋愛感情だけは疎くて鈍感とはいえ……そういう反応は、(とおる)お兄ちゃんでも流石に異変に気づくよ」


「ご、ごめんなさい、つい……というか、(とき)ちゃん。私がそれに関することを考えてたって、よくわかったね?」


「そりゃわかるよ。(あかり)ちゃんって、顔に出やすいし。なんなら、小さい頃の私みたいだからかつての自分を見てる気分になるくらい。(とおる)お兄ちゃんってさ、人の表情の細かい変化には特に敏感だから、隠し事したら直ぐバレることくらいはわかるよね?」


「わ、私、そんなに顔に出てる?」


「出てるよ。だから、恋愛感情に関することだからって油断しないで」


「そ、そんなつもりは無かったんだけど……(とおる)くんが恋愛以外の人の感情の変化は直ぐ気づける凄い人だってことくらいはわかってるし……」


「それなら、尚更気をつけて? (とおる)お兄ちゃんだって、その気になれば恋愛感情もすぐ気づいてくるよ」


「そ、そうだね……下手したら、この会話も(とおる)くんにバレてる可能性もあるくらいだし……」


「……まぁ、流石にそれくらいはわかってるか。(とおる)お兄ちゃんに怪しまれるとまずいから、もう次からは注意しないからね」


「う、うん……ありがとう」


 (とき)(あかり)は、再び(とおる)のもとへ向かう。


(とおる)お兄ちゃん、ごめんなさい。待たせちゃったし、何より少し離れた所でヒソヒソ話されるのは気分が悪いよね」


「ごめんね、私が余計なことをしたせいで……」


「いや、構わない。二人のことだから、そこまで嫌な話はしていないだろうし」


「あ……あ、ありがとう」


「そこまでってことは……多少は何かあるってこと?」


「気のせいかもしれないが、少し軽い悪口を言われたような気がする。まぁでも、事実を話してるだけだろうから俺は不快には思っていない」


「(ば、バレてる……!!)」


 (とき)(あかり)は同時に同じことを思った。そして、強い罪悪感に支配される。


「ごめんね、(とおる)お兄ちゃん。本当にごめんなさい……」


「大丈夫だ。(とき)(あかり)も、したくてしたわけじゃないことくらい俺もわかってる」


「な、何を話してたかはわかる?」


「内容まではわからない。そもそも、女子同士のヒソヒソ話をまじまじと聞く趣味は無いからな。本当にただ感じただけ」


「はぁ……私は最低な人だ。愛する人に、そんな思いをさせるなんて……!」


「と、(とき)ちゃん! 感情をさらけ出しすぎだよ!」


「だめ、これはもう今月いっぱいは反省しないと私の気が収まらない……家に帰って心に何か言われても言い返せない」


「落ち着いてくれ……本当に気にしていない。(とき)はそういう人じゃないことくらいわかってる」


(とおる)お兄ちゃん…………」


 (とおる)(とき)を慰める。


「勿論、(あかり)もな。だから、本当に気にしないくれ」


(とおる)くん……」


 (とき)(あかり)は、二度とヒソヒソ話や(とおる)が女子からの恋愛感情だけは唯一疎い話をしないと心に誓った。また、(とおる)の心の広さに、二人は感動してますます好きになっていく。(とおる)に対する想いは、無限に広がるばかりだった。しかし、そんな(とおる)は急に立ち止まります、声質を変えて威圧が混じったような声を出す。


「……おい。誰かいるのか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ