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Re:verse-Re:birth  作者: あーる
第1章『夢と現実の狭間と謎編』
117/150

1-93.『宇宙という壁すらも越える人間同士の絆』

「お、おい、透! 何を聞いてるんだよ!?」


 透の質問に、慌てる颯空。


「何か条件とかあるならと思って気になっただけだ。なりたいと思ってなれるようなものでも無いかもしれないだろ?」

「そ、それは……そうかもしれないけど。そもそも、まだ中学生になったばかりで成長期も来てない俺らが力になれるのかよ?」


 すると、グレオが話を続ける。


「その点は大丈夫だ。寧ろ……若い闘士の方が大多数なんだ」

「え?」

「歳を取ると……身体も大きくなって、敵の的になりやすい。それに、動体視力も若い方が良いだろう? そういうことで、若い人は重宝されている。ただ……未来ある年頃の人に戦わせるのはあまりにも気の毒だし非効率的なことだ」

「それはたしかに……当然だなぁ。あたし、故郷の星だと年齢にしてはかなりデカい方だからめっちゃぶつかりやすくて気持ちわかる。ね? 呂威」

「何故、俺に共感を求めるのか?」

「えっと、まぁ……生まれた星によって、人種の若さや年齢も変わって来るからそもそもの基準もバラバラなんだよねぇ。どのくらいの見た目からお年寄りに分類されるかも星によってバラバラだし。そもそも時間の数え方だってバラバラだから年の重ね方も星によって変わってくるんだよね~。実は闘士を募集してる組織があるんだけど、色々な星の色々な人種のデータを集めて、それらのデータを元に人材を確保してるんだよね。それで、環境がバラバラな人たちが全員同じ環境に慣れていけるようにしてもらったり。出身の星ごとで差が出ないように、全員が公平になるような調整も組織でしてるよ」

「色々な星の色々な人種のデータ……」


 ロールの今の言葉を聞いて、何か心当たりがあった透。その正体を直ぐに思い出した。


「……上の階の図書館で、俺たちの故郷の星の言語が載っている本があったのと何か関係がありそうだな」

「え? そんな本があったのかよ?」

「凄い、大発見じゃん!! そうだった、本来ならここに集合して皆でこの建物内の調査の結果報告する予定だったんだよね~」

「あ……もしかして、あたしらが訪れたことによって予定狂った感じです?」

「悪いことしたな。突然来てしまって」

「いやいや。色々な情報が聞けたし、寧ろグレオたちが来てくれてよかった。グレオたちが来る前はどうすればいいのか途方に暮れていたし、不安でしかなかったんだ。だけど、頼もしいグレオたちが来てくれてから不安が無くなった気分だ」

「それはよかったが……あ、そうだ。よかったら、この建物の調査結果を俺たちにも教えてほしい。因みに、俺たちがここに訪れた理由は新たな仲間を迎える為のアジトとして使うのになかなか悪く無さそうな建物だと思ったからだ。誰も、持ち主がいない様子だった利用可能と思ってな……そう思って開けてみたら、透たちがいて今に至るというわけだ」

「なるほど……それなら、俺たちの方こそ邪魔したな。申し訳ない」

「いやいや。急ぎじゃないし、透たちの身の安全確保の方が大切だから全然気にしないでほしい」


 他のグループで調査した幼馴染みたちへの報告も兼ねて、グレオたちにも同時に調査の結果を報告する透。報告した結果、幼馴染みたちは益々彰人に対して嫌悪感が増した。


「そうか……さっきチラッと話していた図書室の他にも武器や監視ルームがあったと。やはり、ここはアジトに使えそうだ」

「もし、グレオたちが必要なら全然譲る。さっきも話した通り、俺たちはここに迷い込んだだけだから」

「ありがとう。だが、先にここを見つけたのは透たちだ。タダでここを頂くのは気が退ける。何よりも、透たちがここを出てしまったら危険だし寝床も無くて困るだろう? あ、そうだ。ここを頂く前に、俺たちが透を故郷の星まで引率するという交換条件はどうだ?」

「良いのか? 全然等価交換じゃなくて申し訳無いような……それ以前に、故郷の星へ帰る方法があるんだろうか。グレオたちも忙しいだろうし、だいぶ手間なんじゃないか?」

「なぁに。お互いが満足する結果を得られるのであれば、価値の差は関係無いだろう? そんなことは気にしなくていい。寧ろ、こうすることが俺たち闘士の仕事でもあるから。他の星に迷い込んで帰れなくなった人だって、過去にも何度か助けたことがある。お安い御用さ。ただ……まずは、透たちの故郷の星について知る必要があるな」

「一応……さっき話した図書室に情報があるかもしれない。俺たちの星の言語が載ってたくらいだから。そこにある本は殆ど目を通してみたけど、読めない文字が大多数だったからもしグレオたちが読める文字なら何かヒントがあるかも」

「よし。早速、図書室へ行ってみよう。お前たち。本を読み漁るのを手伝ってくれ」

「りょうか~い」


 グレオが仲間たちに協力を要請して、透たちとともに図書室へ向かった。

 そして、透が地球の言語が載っている本をグレオに見せてヒントとして情報を与える。グレオが頷いて本を探す。


 体感的にはもうとっくに夕方になっていてもおかしくは無いのだが、外を見る限りようやく昼間になった頃だった。グレオたちは本を読み終えた。


「透たちの故郷は、『地球』という星なんだな。青い海が広がっていて、緑も多い素晴らしい惑星じゃないか。文明も凄まじく、発展している。俺が今まで見て来た星の中でも、かなり優れている」

「そうなのか? それは誇らしいな。素直に嬉しい」

「あぁ。とても良い所だ。こんなに良い星なら、さぞ早く帰りたいことだろう」

「まぁ……そうだけど。でも、グレオたちと別れることになるのは寂しいな」

「それは俺も同じさ。だが、どこかで生きてくれればそれでいい。俺は今まで、沢山の人の死を見てきたから。死んでしまったら、もうこの広い宇宙のどこにもいないことになるから」

「それは……そうだな」

「だから、どこか遠い所で元気で生きていると思えばそれだけで安心出来る。それに、透の星は襲撃されていない綺麗な星でよかった」

「え? それは一体どういう……」

「いや、なんでも無いんだ。こっちの話さ。今から、仲間に連絡するから後はお迎えを待つだけだから安心してほしい」

「本当にありがとう。何から何まで。お礼がこの建物しか無いのが心残りだな。それに、この建物も正式に俺たちの物でも無いしな」

「いやいや。恩返しは必要無い。俺が求めるのは……透たちが、故郷の星でいつも通りに日常を過ごしてほしい。それだけさ」

「グレオ……」


 グレオの言葉に、言葉が出なくなる透。


「勿論、故郷の星でも色々と大変なことは沢山あると思うが……こっちのように、毎日命と命がぶつかり合うような殺伐とした世界では無いと思っている。だから、透たちは自分のいるべき場所でただただ頑張ってほしい。こんな所、透たちのような人たちがいるべき場所では無いんだ」

「……」

「何故、透たちがこのような目に遭ってしまったのかはわからないが……唐突にこのような事態に陥ってしまったことをとても気の毒に思っている。だから、闘士の立場として透たちが無事に元の星へ帰るのを見届けるまで、俺は最大限保護する所存だ」

「本当にありがとう。グレオのように、ここまで親切な人と出会えて本当に運が良かった」

「なあに、俺はただ仕事をこなしているだけさ。当然のことをしているまでだ。お別れまで残り少ない時間ではあるが、有意義な時間にして迎えが来るのを待とう」

「……うん」


 透がそう言ったその時だった。皆がすっかり忘れかけていた存在であるチェリーが再び透たちの目の前に現れたのである。


「ねえねえ、透さん。闘士についての質問にまだ回答を貰えていなかったよね?」


 すると、グレオが直ぐ様に反発した。


「お前……! まだそんな戯言を言っているのか!! そんな話はもうとっくに終わっている!」


 グレオが透たちを庇うようにチェリーに怒る。すると、透がグレオを止めさせる。


「待ってほしい、グレオ。訊いたのは俺だ。あの妖精のことをそんなに責めないでほしい。それに、これは俺のただの興味本位だから」

「え?」

「せっかく、気遣ってくれたのにごめんな。どういった経緯で闘士になるのか純粋に知りたいだけなんだ。今後、この世界に来なければ永遠に役に立たない知識かもしれない。だけど……このまま何も知らないで帰るのは、俺の性格上どうしてもスッキリしなくてな。だからせめて。俺に闘士となれる素質や力があるのかだけは知っておきたい。そして……元の世界での生活が拘わっていなければ、俺個人はそういう覚悟のある人間だということを知っておいて貰いたくてな」

「と、透……」

「す、凄い……勇敢な人間さんだね!」


 すると、グレオが降参するかのように透に言う。


「……わかった。参った。透がそう求めるのなら、その意見も尊重しよう。たしかに、俺たち闘士の状況を知らせるだけ知らせて、元の星に帰って貰うのはなかなか酷なことだと思うからな。ずっと透たちに心配をかけたままにさせてモヤモヤしてしまうだろうし」

「まぁ……それが一番大きいな。だから、俺にも力があるのかどうかだけも知っておきたいんだ。活かせる活かせないはさておき」

「で、でも、透さん……それだと、もし闘士としての素質があるってわかった場合、グレオさんたちのことが尚更心配になって後悔しちゃうんじゃないかな? 『自分に可能だったはずなのに……』って」

「どのみち、透たちがこの世界に気軽に行ける手段は無いのだから後悔も何も無いだろう。何より、透たちの歩むべき道があるのだから、素質があろうと無かろうと関係の無い話だ」

「その通り。流石はグレオだな」

「え、えええええ!? もうそんなに通じ合う仲になったの!? お二人とも!」

「当然だ。俺たちは人間だ。生まれた星は違えど、同じ人間だからこそ宇宙を跨いでいても通じ合うシンパシーがある。妖精には難しいかもしれんが、人間を想うことは他でも無い人間が一番得意なんだ。良くも悪くも、人間と最も相性が合うのは人間なんだよ」

「…………そっか」


 グレオの言葉に、一言しか返す言葉が見つからないチェリー。


「ま、アンタはまずは妖精と歩調を合わせられるようになってからの方が良いよん。仲間とすら合わせられないヤツが、人間と合わせられるわけ無いんだからねぇ」

「うっ……」


 突然、話に割り込むロールによってチェリーは図星だった。お喋り好きのチェリーだが、まるで話しが嫌いな人胃のように言葉に詰まってしまったのである。


「というわけで……闘士となる基準について。教えて貰えないか? チェリー」

「あ、うん……」


 透の問いに、チェリーは立ち上がるように答える姿勢を見せた。

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