oro epoca
勢い重視です。
気にしない
オヤジ狩りなんて言葉を聴いたのはいつが最後のことだったか
若い頃は、そんなダサい大人にならないと思っていた。
むしろ返り討ちにしてやるくらいのつもりだった。
でも、30過ぎて本当に若い10代にしか見えない連中に囲まれた時の絶望感
嗚呼、無理だなって素直に思う
平成も終わろうって言うこんな時代におっさんカツアゲする程、暇で力をもてあました若者ってのはいるもんだ。
むしろ最近一気に増えたのだ。
-魔法- が使える様になったせいで
ある時、本当に唐突にニュースで発表された。
自分は会社の食堂で偶然見たのだが、若い連中が金属の装飾品を媒介として魔法を使うようになったのだ。
それは、魔法としか表現できないもの。火を出したり水を出したりそれをぶつけたり
明らかに危険すぎるそれは、すぐに国に規制されると思ったが、むしろ逆だった。
何せ金属さえあればその不思議な装飾品を作り出す『Creativo』と呼ばれる子供が多数いるのだ。
規制などしようが無いと珍しく即決した国はむしろ保護に動いた。
そして尻馬に乗っかったメディアやらが連日ファッション性だとか何とかと一緒に大売出し、若者たちがTVで連日キャッキャわいわいその装飾品を持ち上げる毎日
でも、自分には関係ないと思ってた。
なぜなら魔法が使えるのは子供のうちだけだから
ファッションで持ってる同僚もいるみたいだが、その辺の趣味に一々反応する気もない。
でも、いざそんな危険物を当たり前のように持つ若者に囲まれれば絶望するしかないだろう。
相手は3人
センターにいる面積の少ない革服を着たへそ出したオネーちゃん。こんな状況じゃなきゃ盗み見ちゃうエロいくびれだが、今はなんとも思わない、思えない。
そしていかにも雑魚ですといわんばかりの頭の悪そうなモヒカン&おしゃれボーズ
おしゃれなボーズが台無しの雑魚顔だ。こんな状況じゃなきゃ学校でいじめられて無いか聞きながら缶ジュースの一本でも奢ってやりたくなる。
そしてそんな奴らにカツアゲされそうな俺、
地味さとカラオケの順番をスルーする事については他の追随を許さないとされた「ザ・サイレント」なんて子供の時は呼ばれていた男を見つけて狩ろうとは、相当な手練だぞこいつら!!
はい、馬鹿なこと考えてたらめっちゃ胸倉掴まれました。ごめんなさい
謝ってすむなら速攻謝ってどこかに行きたい。
「おっさんよう、さっきから言ってるだろう?大人しく財布の中身をこちらに渡せば逃がしてやるってよ」
「そうだぜ、姉御はさっき新しい[arma ornamento]手に入れて早く試したくてうずうずしてるんだからよ!やられちまうぜ!おっさん」
口が臭い!こいつら生ごみでも食べてるんだろうか?しかもオーナメントなんていおしゃれ単語俺と同じで使っちゃいけない属性だろお前ら!
「もう、いい。時間切れだ」
姉御と呼ばれた女が一言言うと、腕に巻きつくような形のアクセが火の蛇に変わった。
絶対熱いだろうと思ったがそんなそぶりも見せずに、蛇のまきついた方の手でいきなりこちらをぶん殴ってくる。
が、胸倉を掴んでたモヒカンの方がそれに反応できずにわき腹をえぐられる。
2,3歩よろめいたと思ったら、その場で吐きはじめるモヒカン。
可哀想にこんな状況じゃなったら背中をなでてあげるところだ。
一瞬たじろいたかと思われたが、気丈にも
「邪魔なんだよ!」
とやる姉御。
でも、よく見ると殴られたのは痛そうだが、焦げてたりする様子はない、しかも動きがなんか女の子パンチだ。
それで苦しむって言うことは、パンチ力を上げるだけの魔法か?後は殴った拳をガードするとか?
「クソ!マリオをよくもやりやがったね!!」
いや、やったのはお前だ!
思いっきり振りかぶって今度は顔に向けて殴りつけてくる。
が脇が締まりすぎててむしろ可愛い。
横から腕を掴んでみると案の定熱くもなんともないそのまま強引に腕輪?を引っぺがす。
そして、おさらばだ!必死で人通りのある方に逃げることにする
すると、立ちふさがる人影
金髪の長身イケメン服の上からでも分かる細マッチョみたいないかにもな奴。
「ふん、おっさん捕まえて囲んで何やってるんだお前達!世のおっさん達が日々つらくともがんばって仕事してくれるおかげで俺らの生活があるんだぞ!それをちょっと[arma]を使えるからって、何調子くれてるんだ!」
いや、なんか俺を助けてくれるっぽいしすごく良い事言ってるが、今逃げてるところだから!ほっといて!
「うるさい!マリオの敵を討たせてもらう!そして私の[arma]返して!!」
「あ?おっさんそれ・・・ここいらじゃ最大の【Vulcānus】の[arma]じゃねえか、どうしてそれ持ってるんだ?」
手に持ってる腕輪を見ながら、そう金髪が聞いてくるので
「さっきその子が殴ってきたから奪った。どこかの用水路にでも捨てようと思ってる」
「止めろ!!それだけはヤメテ!マリオのことはもうどうでもいいから」
いいのかマリオ可哀想に
「ってことはバトルで奪ったってことだろう?じゃあ、おっさんあんたの物だぜそれは!」
「いや、いらねぇ」
「いらねぇって、それをどれだけの奴が欲しいと思ってるんだよ」
「いや、しらねぇ」
「しらねぇっておっさん大人なのにニュースとか見ないのかよ?」
「いや、みねぇ」
「まじで見ないのかよ!家に帰って何してるんだよ」
ラノベ書いてるけど、なんか恥ずかしいから内緒だ。
「だけどよ、ろくに[arma]も使いこなせないのにそんなの持ってるなんて噂になったら、こんな三下じゃ比にならねぇ様な連中に付き纏われるぞ?」
「それは、いやだ」
「いやってよ・・・・仕方ねぇ。一つだけ解決する方法があるぞ」
「?」
「俺たちの仲間になることだ」
「いや、よくわからねぇ」
「もう、それはいいよ!!このおっさんはこれから【Cuore di metallo】のメンバーだ!分かったな?わからねぇって言うなよ」
「クソ!何だってんだい!地味でうだつの上がらなさそうな、おっさん鴨にしてちょっと小遣い稼いで[arma]の練習場に行くだけのつもりだったのに!」
とか言いながら、引き上げてく三人組
いや、良かったのかよ?この[arma]大事なものじゃなかったの?
「ま、とりあえず、うちのアジトに案内するぜ!おっさん」
「いや、アジトってそのセンスが嫌いじゃないけどさ。さっきのは一時的な言い訳じゃないの?」
「あ?ちゃんと宣言しちまったんだから、取り消せないな。そんなことしたらうちが甘く見られるぜ!」
なんだかよく分からないまま、若い連中の仲間になってアジトに行くことになったが、30過ぎてこんなことってあるもんかねぇ?