見上げた先に見付けた疑問
ふと、疑問に思う事があります。
目の前には、真っ黒い闇が広がっている。
周りに、人工的な明かりはない。
ただ、チカチカと光る星達だけが淡い光を発していた。
ふっと息を吐く。
冬なら、温度差の影響で白い息が出るだろうが、今は真夏なので出る事はない。
唯一、出ているものは、僕が吐き出した二酸化炭素だけだろう。
僕は、昔からこうやって星を見るのが好きだった。
ただ、真っ直ぐにチカチカと光る星だけを見つめる。
僕と星だけが存在する静かな空間。
今、こうして僕が見ている星の光は現在の星の姿ではない。
この光達は、今よりも前に生まれた光なのだ。
この星達は、淡い光を届ける為に、ものすごい遠い場所から時間を掛けてやってくる。
何年、何十年、もっとだ。
何故、そこまでして星は光るのだろう?
星は、燃え続け…そして、燃え尽きて消えてしまう。
己を燃やし続け、消える。
そこに、何の意味があるのだろう。
この星達は、何を僕達に伝えたいのだろう。
もしくは、意味がないのか。
花が咲き、散り行くように。
雲が空に流れるように。
蝉が夏に向かって鳴くように。
僕が夜空を見上げるように。
それは、自然な事なのか。
僕は、静かに考える…
そんな僕の視界の端で、一つ…星が流れていった。
星を見るのが好きです。詳しい事は分かりませんが、昔から好きです。