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五月六日--かつらつららは……--

 五月の三日から始まったゴールデンウィークも、遂に最終日を迎えました。今思い返してみると、色々な頃があったように……思えた気もしましたが気のせいでした。寝て、歩いて、怒られて、ケンカを見て、転んだ。よく考えたらそれくらいのことしかしていません。連休前はあんなにも心が躍っていたというのに、結局今のところ何もしていなかったのでした。


 しかし! 今日はちゃんと遊ぶ予定を立てているのです! 楓ちゃんとデートするんだー。一緒にランチして、映画を見て、ショッピングをしてお茶をするという予定です。平凡なプランですが楓ちゃんとならきっと楽しいことでしょう。


 母に行ってきますを言い、私は家を出て待ち合わせ場所へ向かって歩き出します。


「いい天気だなあ」


 初夏の日差しが私に注ぎます。雲ひとつない快晴です。その日差しに呼応するかのように、私の気分も高揚してきました。普段よりも幾分か、目線も上を向いているような気がします。


「ん〜……?」


 目線が変わったからでしょうか。見える景色も、その色も、以前とはどこか違って見える気がします。それは鮮やかであり、どこか楽しげに感じるのです。気のせいなのかもしれませんがね。


 私は交差点に差し掛かりました。赤信号に歩みを止められ、ぼぅっと突っ立っておりますと、道の向かい側で座り込み泣いている少女が目に入ります。


 さて、どうしましょう。迷子かなにかでしょうか? 助けてあげたい気持ちはあるのですが、楓ちゃんとの約束の時間も迫っているのです。


「でも、きっとこういう所がいけなかったんだよね」



 直ぐに言い訳をして、やりたいこと、やるべきことから逃げてばかりで。結局何にもしない人生だったのです。


 私が今、やりたいこと、やるべきことは何か。


 約束には少し遅れちゃうかもしれないけど、私が決めたやり方なら許してくれるよね?


 信号が変わりました。私は走って女の子に駆け寄ります。


「どうしたの? 大丈夫?」


「こことは違う世界から私は来たのだけれど、私の世界が大変なの。お姉ちゃん、助けてくれるの?」


「や、やってみるよ……」


 ……結構大幅な遅刻になりそうだなあ、ごめんね楓ちゃん……。



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