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五月五日--私の勇気と私の武器と--

 一体どういうことなのでしょうか!


 私の目の前で、親友の楓ちゃんと、クラスメイトの小宮山君が壮絶な戦いを繰り広げています!


 二人とも武器をとり、その眼差しと楓ちゃんの得物は真剣そのもの。このままではどちらか倒れるまで続く勢いです、最悪の場合も考えられます。


 私はどうしたらいいのでしょうか。誰か頼りになる人……それとも何か穏便に済ませる方法は……私は小賢しい頭でそれを考え……


「……違う」


 違います! 考えている暇などはないのです! 今は間を置かず、二人が大怪我をしてしまう前に止めなければ!


「……私だって……やれるんだから!」


 踏ん張れ私! 抜けた腰を入れなおせ! 脳より先に体を動かせ! 


 今まで鉛のように重かった腰を上げ、私は立ち上がりました。


「怖いなあ」


 恐怖が勝手に、私の口から呟かれていました。さらには体が震えています。あのような本物の戦いに割って入るのです、怖くないはずなどありません。


 ですが、それよりも怖いものがある! 私の大事な親友、桜楓ちゃん。ただのクラスメイトだけど、小見山武人君にだって私はまだ謝れていないのです! 二人が傷つくところを見るのはもっと怖いのだから!


 私は両の手で拳を握り、それを見つめます。


 私はただの女子高校生。なんの取柄もない、ちょっぴり妄想が達者な普通の女の子です。人様にこの拳をふるったことなどありません。


 どこまで頼りになるかはわかりませんが、これは私の親友たちを守るための、たった一つ、私史上初めての武器なのです!


 私は両の拳から勇気をもらいました。震えも、止まりました。


 私は、二人を止めに走り出しました!


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