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五月五日--接戦、そして舌戦--
「つららを守る、それが私の行動原理! それを貴方に邪魔される謂れはない!」
楓ちゃんは刀を中段に構え、小宮山君へと踏み込みます。小宮山君も手甲を両手に戦闘姿勢で待ち構えています。
「桂さんは君の所有者ではないんだぞ! 一体いつまで、彼女を守り続けるというのだ!」
楓ちゃんは振りかぶり、小宮山君に切りかかりました。
「一生に決まっているでしょう。私は私の人生を、あの娘に捧げてしまって構わないのだから」
小宮山君は右の手甲で刀を受け止め、もう片方の腕で薙ぎ払います。
「一生だと!? いつまでも夢見る少女ではいられないことぐらい、君だってわかるだろう!?」
「わからないわね、わからないわよ!」
楓ちゃんは後ろへ飛んで回避し、再び中段へと構えなおします。
「あなたが出てこなければ、前のままでいられたのに!」
二人の戦いは続きます。




