五月五日--私のほっぺが真っ赤に燃える--
「は……はぁ〜……」
不安要素はたくさんあります。わからないことだらけです。しかしそれより何よりも、私の息が整いません。
「つらら……大丈夫?」
「……だ、大丈婦って感じ……かな……?」
楓ちゃんは首を傾げます。
「大丈……フ?」
「そ……そう、あの、あのね……? 大丈夫のブは……夫、で……あの……」
息があがっているのでうまく喋ることができません。
大丈夫の逆の意味だと伝えることが非常に困難です。普通に大丈夫ではないと言えばよかったと後悔します。
というかそれ以前に、このようなくだらないことを詳細に語るなどとても恥ずかしいではないですか!
楓ちゃん、ちょっとひどいですよ!
今私の頰が赤いのは全力疾走だけが原因ではありませんからね!
「とにかく、不安が大きいでしょうけれど、あなたは私を信じていなさい」
楓ちゃんは少し腰を屈め、私と目線を合わせて言いました。そして、私の頭を撫で始めました。どうしたのでしょうか? なんだかこのまま抱きしめられてしまいそうな勢いです。ちょっと恥ずかしい。さすがに今顔が紅いのはこれが原因です。
その時、ガラスが割れるような音が空間に響き渡りました。




