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第2章 第15話(第61話) ~新たな魔銃・・・ その1~

いよいよ新しい魔銃をクリエイトすることになりました。

でもまぁ・・・

今のところ使う予定はないんですけれどね・・・。

(と言いながら、直近の話数で使うかもしれませんが・・・)


今回のお話しは、本来は1回で納めるつもりだったのですが、書き終えてみたら1万4000文字を超えてしまっていたため、2話の分割話数に変更しました(汗。

(それでも、この第2章・第15話(第61話)は8000文字以上あるんですがね・・・)


なんでこんなにも尺が伸びてしまったのやら・・・。

女神リーゼさまも薫さまのハーレム要員に加わりそうな予感がしたので、くぎを刺しておいたのっ」


 あはははは・・・まさかねぇ。

 いくらなんでも神様までとかないだろう?

 リーゼと顔を見合わせて苦笑いしていると、村からやってきた人たちの声が徐々に大きくなってきた。

 あれだけ大きな爆発音をさせて戦っていたのだから、そりゃ様子を見に来るよな。


「クリス、村の人達への説明を一緒に頼めるか?

 それと、まだ日が高いけれど、今日はあの村に泊まることにしよう」


 あと二つ三つ先の村まで移動することはできるが、盛大にクルマ酔いした子供たちを休ませてあげたいしな。

 そう言って俺はクリスを伴って村人たちの方へと歩き出したのだった。





 恐る恐る様子を見に来た村の人たちに接触し、ミロス平原から逃げ出したオークをこの場所で討伐していたことを報告。

 ついでに今日はこの村の宿屋に滞在させてもらうことを彼らに伝えた。

 彼らは、俺たちの中にこの国の王族・・・クラリス姫がいることを知ると、ロイドのフェルトン家と交流がありクリスの事を知っているという村長を呼びに若い男性が村へと走っていった。

 そしてしばらくすると、村長と思われる50歳前後くらいの男性を連れて先ほどの若者が戻ってきた。


「おおっ、このご尊顔は間違いなくクラリス様じゃ。

 これっ、みな膝をついて頭を下げんかっ!」


「よいよい。今の我はお忍び中のようなものじゃから、普通にしてくれてかまわん」


 地面にひれ伏そうとした村長らをクリスが慌てて止める。

 しかしそのセリフは、まるで正体がばれたときの水戸●門のご隠居様のセリフそのものじゃないか(苦笑)。


「しかしながら王族のお方をそのようにお迎えしては・・・」


「我が良いと言うておる。我の事は・・・そうだな、ちょっとだけ身なりの良い小娘として扱ってくれ」


 うわぁぁ・・・村長さんがかなり困った顔をしているよ。

 そりゃあ、王族・・・しかもお姫様を小娘扱いしろと本人から言われても、恐れ多くて対応に困るよなぁ。

 とりあえず助け舟を出してあげよう。


「自分たちは今は身分を隠して移動していますので、あまり仰々しくしないでいただけると助かります」


「失礼ですが、こちらのお方は?」


「我が国の優秀な魔導器製作者クリエイターで、いずれ我の夫となるカオル殿じゃ。

 ミロス平原での討伐戦の立役者でもあるのじゃぞっ」


 突然会話に割り込んだ俺の素性を尋ねた村長に、そうドヤ顔で説明するクリス。

 しかも将来の夫などと余計な情報まで付け加えたため、村長やほかの人たちまで俺のことを「将来の王様!」と恐れおののいてしまったではないか。


「自分は王位を継ぐつもりなどないので、そんなに畏まらないでください」

「うむ。我が王位継承権を捨ててカオル殿のもとへ嫁入りするつもりじゃからの」


 俺の横でまたもやいらん事を言うから、さらに村長らが混乱してしまったじゃないか。


「ま・・・まぁ、クリスの王位継承権の件はともかくとして、普通にしていただけると助かりますので、よろしくお願いします」


 苦笑いをしながら村長らに握手を求めて手を差し出すと、彼らも何ともいえない笑みを浮かべて握手に応じてくれた。


「とりあえずはクリスを含めた子供たちを休ませてあげたいので、彼女らを宿に案内してもらってもいいでしょうか?」


「カオル殿は一緒に来んのか?」


「俺は、あそこに転がっているオークらの死体をかたずけないといけないからなぁ・・・」


「それでしたらば、後かたずけは村の若い者にやらせましょう」


 俺が後処理をしている間に子供らだけ先に村で休ませようと思い、村長にクリス達の案内をお願いしたのだが、その後処理そのものを村の人たちで手伝ってくれるという。

 正直なところ俺も少しだけ疲れていたので、ここは好意に甘えてしまうことにした。


「ありがとうございます。そうしたらお願いしてもよろしいですか?」


「こちらから言い出したことですし、村を守っていただいたのです。喜んでお引き受けします」


「では、念のためにオークらが危険な装備を所有していないかどうかだけチェックさせてください。

 もし危険な魔導器とかを持っていたら自分が回収しますが、それ以外の装備の処理は村の方々で好きにしていただいて構いません」


 俺の提案に、村長に付き添っていた村の若者らが少しだけ色めき立った。

 まあ村人らにしてみたら、降って湧いた装備の剥ぎ取りイベントだ。

 剥ぎ取った防具や武器は、商人らに売れば村の財源にもなるし、村で使う備品にもなる。

 そりゃ彼らのやる気も出るだろうな。


「それはすごくありがたいことですが、よろしいのですか?」


「自分らが持っていてもあまり使い道がありませんし、同じような装備品はすでにミロス平原での討伐戦で倒したオークから必要以上の数をいただいていますから」


 その後、ミロス平原にいたオークやゴブリンの数が500匹を超えていた事実をクリスの口から聞かされ、村人ら全員が顔色を青くした。

 そんな大群を討伐した王国騎士団への感謝を全員が彼女に伝えようとしてた為に、クリスはその対応に追われることとなってしまった。




 オークらの死体を調べた結果、例の首飾り以外の魔導器は所持していなかった。

 なので死体の処理はそのままの状態で村人らに任せて、俺たちは村の中にある宿屋へと移動することにした。


 子供たちは車酔いで見事なオートリバースをしてしまい、服や身体を汚してしまっていた。

 そのため子供たちは今、村長さんの家にあるお風呂を借りて入浴中だ。

(この村の宿屋には風呂は無いそうだ)

 さらに、どうせなら女性陣は一緒に・・・という申し出もあり、リーゼにも付き添いで行ってもらっている。

 またお風呂の後は、昼食後すぐに吐いてしまったために空腹気味になっていた子供たちに、村長さんの奥さんが簡単な食事を出してくれることになっていた。


 俺が着ていたコンバットスーツも、近接戦闘時にオークの腹を魔獣で撃って爆散させた為、その時の返り血で見事に汚れていた。

 が・・・レガ子の「イベントリで不純物を分離してお洗濯するから、さっさと脱ぐのっ」の一言により、今はイベントリ・ランドリーの中で洗濯中だったりもする。

 ちなみに俺に抱きついた事で同じようにオークの返り血で汚れてしまったリーゼの洋服や、嘔吐物で汚れた子供たちの服も一緒に洗濯中だ。


 このイベントリ・・・本当に万能だな・・・(汗)。



 そんな状況なので、宿屋前の空き地に停めたレガシィの前で、俺はレガ子と二人だけで世間話をしている。



「薫さま、もうすぐお洗濯が終わるのっ。そうしたら今の魔銃の強化ついでに、薫さまの新しい武器を作りたいと思うのっ」


「うん? いったい何を作るつもりなんだ?」


 イベントリ・ランドリーの操作をしていたレガ子が新装備の提案をしてきたので聞き返す。

 今のところ特に追加で必要な武器はないと思うんだが・・・。


「レベルが上がったから今までよりも効率がいい精霊呪文が刻めるようになったのっ。

 なので今使っている魔銃のパワーアップと一緒に、長距離狙撃用の長物も作りたいとおもうのっ」

 

 なるほどね・・・。


「H&K USPのパワーアップはありがたいが、長物は・・・いるか?」


「竜騎兵への対処とか、薫さまも遠くの目標物を狙い撃てるようになっておいた方が、この先便利だと思うのっ」


 ああ、たしかに。

 ミロス平原での撃ち下しも騎士団が使っていた弓の射程よりも短かったし、いまある魔銃(H&K USP)の射程では届かない距離での戦闘が最近多かったな。



「たしかサバゲ用に長物も持ってきていましたよね?」


「長物は連射ができるアサルトライフルから、単発のボルトアクションライフルまで7~8挺持ってきていたはずだが・・・」


「高速連射モノはバレルに刻む精霊呪文をかなり高度なものにしないと連射速度に結晶の魔法変換が追い付かないから、レガ子のレベルがもうちょっと上がるまで待ってほしいのっ」


「となるとボルトアクションライフルか・・・」


 洋服の〝洗濯〟が終了したことを確認し、ホルスターから抜いたH&K USPをマガジンをエジェクトした状態で再強化のためにレガ子に渡す。


「じゃぁコッチは再強化をするの」


 レガ子はH&K USPを「ポイッ」とクリエイトモードのイベントリへと投げ込むと、意識をイベントリに集中して再強化の作業を始めた。


「強化バレルを作り直して、精霊呪文を刻む密度を厚くするだけだからすぐ終わるのっ。

 具体的には10分くらいだと思うから、その間に魔銃にする長物を選んでおいてほしいのっ」


 タブレットPCをダッシュボードから取り出し、イベントリに納めてあるエアガンのリストをチェックしていく。

 どうやらライフル系は9挺も積んでいたようだ。

 

友人あいつらとのサバゲは楽しみだったんだがなぁ・・・」

 ハンドガンを含めると20挺近くにもなっていたエアガンのリストを眺めながら、元の世界でキャンプの合間に行うはずだったゲームに思いをはせる。


「でもその代わりに、こっちで本物のサバイバルゲームをすることになったの」


「それ・・・まったく笑えないんだが・・・」


 リアルに命のやり取りが発生している今の状況は、もはやゲームとは呼べないだろう。


「俺はできる事なら命のやり取りは避けたいんだがなぁ・・・」

 

「レガ子はバトル楽しんでるのっ!

 さっきも豚に追い詰められながら、少しだけワクテカしていたのっ!」


 やはり俺の愛車の付喪神様は戦闘狂だった。


「なにより〝俺様TUEEEEE!〟の圧倒的な力で、敵を一方的に蹂躙していくのは快感なのっ♪」


 しかも、異世界ラノベ主人公脳の持ち主だったようだ・・・(汗)。




 レガ子と会話をしながら、タブレットPCに表示されている狙撃銃系のリストを眺める。

 魔銃化することで実銃のようにリアルなアクションを楽しめるようになるのだから、どうせなら面白いスタイルのライフルを選んでみたい。

 そう考え、H&K USPの再強化が終わったタイミングに合わせて、リストの中から【KINGARMS Blaser R93 LRS1 HGバージョン】と【KINGARMS Blaser R93 Tactical2 ガスライフル】の2挺を選択してイベントリから実体化させた。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


「また珍妙なデザインのモデルを選んだのっ」


「こういうギミックが多いデザインが好きなんだよっ。

 LRS1がコッキング式でTactical2がガスガンなんだけれど、クリエイトでの都合がいいのはどっちだ?」


「どっちでもいいのっ。

 ただ、ガス式は戦闘中にガスが切れると魔法結晶化BB弾を撃ち出せなくなって危険なのっ。

 だからガスの発生方式そのものを魔法に置き換えるのっ」


 ガス圧がずっと下がらないのは便利だな。

 しかし、どっちでもいいのかぁ・・・

 悩むなぁ・・・。


「ギミックとしてはコッキング式が好みなんだが・・・ストックの調整機能やデザインはTactical2の方が好きなんだよなぁ・・・」


「はぁ・・・選べないのなら2つともクリエイトしてあげるの」


「いいのか?」


「薫さまがモノ選びで悩み始めると、女の買い物なみに長くなることはよく知ってるのっ。

 時間が無駄になるので、2つとも作り変えちゃった方がはやいのっ」


「う・・・うぐぅ・・・(汗)」


「しかも悩んでいる時に考えが声に出るクセのは直した方がいいと思うの。

 以前アキバの地下駐車場で、その日に予約する新作エロゲに悩んでブツブツとエロゲタイトルを連呼してこの子レガシィの真横にずっといられた時はちょっと恥ずかしかったのっ」


「す・・・すみませんです・・・」


 悪意のないレガ子の毒舌によって、生命力のHPじゃなくて、俺のハート耐久力を示すHPハートポイントが激減したのを感じて、その場に膝をつくのだった。




 取り出した狙撃銃は2挺とも購入時と同じ状態・・・つまり分解された状態で製品の箱に納められていたため、とりあえず組み立てる。

 さらにイベントリから専用のオプションユニットである【バイポッド】を2つ取り出し、それを両方に取り付けた。

 そういえばR93シリーズ用の専用オプションユニットがもう1種類イベントリに入っていることを思い出し、ソレの処遇についてもレガ子に訊いてみることにした。


「コイツ用の専用サイレンサーとアダプターが2セットあるんだが、今回はどうする?」


 前回H&K USPを魔銃にした時は、サイレンサーを魔力収束加速器のような機能に作り変えていた。

 なので今回はサイレンサーをどのように扱うのかが気になりレガ子に尋ねてみた。


「1つは前回と同じように加速器にして、もう1つはちゃんとした消音器として作り直すのっ」


 今回はサイレンサーとしても使えるようになるのか。

 それならば組み合わせによっては戦術の幅が広がりそうだ。


「狙撃銃だとスコープの性能も重要になるんだが、スコープはどうする?」


「基本性能はオリジナルのままでいいと思うの、でもせっかくなので精霊呪文を付与して集光能力を上げてみたいと思っているの。

 だから適当なタイプをいくつか出しておいてほしいのっ」


 遠距離狙撃で像の明るさを求めるなら、やっぱ対物レンズが56ミリのヤツかな?

 対物56だと・・・【TASCO OEM PT4-16×56】と【NIGHTFORCE NSX12-42X56】の2本を持ってきていたのでこれをイベントリから出しておくことにした。


挿絵(By みてみん)


 射程距離が短いサバイバルゲームだと12~42倍のタイプなんて使うことがないんだけど、ネタとして持ち歩いておくもんだな。

 まさか異世界でその真価を発揮できる場に巡り合うとは・・・(苦笑)。




 1挺目のクリエイトは、コッキングタイプの【KINGARMS Blaser R93 LRS1 HG】(以降:R93 LRS1)から行う事になり、レガ子の指示に従ってR93 LRS1をイベントリへと入れた。


 クリエイト作業には30分ほどかかるそうなので、俺はその時間を使って強化されたH&K USPを試射しようと考え、村の外へと徒歩で移動することにした。

 

 村の出入り口から外に出ると、正面の奥で村の若い衆らがオークの死体を地面に埋めているのが見えた。

 あのまま放置しておくと野生の魔物が肉の匂いを嗅ぎつけて集まってくるため、村のすぐそばに魔物の死体を放置しておくのは危険なのだそうだ。


 おれは村人たちの作業を邪魔しないよう村の外周に沿って反対側へと回り込み、適当な岩場を見つけてそこで試射を行うことにした。


「レガ子の説明だと精霊呪文の密度を上げているという事だったが・・・」


 ホルスターから抜いたH&K USPを手にして眺めてみるが、重さや外見は以前と変わらないように感じる。

 まぁ強化したのはインナーバレルの内側らしいからな、外見に変化がなくても不思議ではないだろう。


「とりあえず試し撃ちしてみますかね」


 スライドを引き赤い魔法結晶化BB弾をチャンバー内に送り込むと、20メートルほど離れた場所に在る岩へと狙いを定める。

 トリガーを引くと、銃口から発射される火炎弾。

 グリップから伝わってくる射撃の反動は、ほぼ今までと同じように感じた。


 が・・・

 着弾点となった標的の岩は、以前の試射の時とは違う様相を見せていた。


 以前、サージ村の外で試射した時は、岩の表面を吹き飛ばしてクレーターをつくるくらいの威力だったが、今回の試射では着弾点から上の岩そのものが吹き飛んでしまった。

 的に選んだ岩が脆かった可能性もあるので、今度は岩の強度をある程度確認してから同じように撃ってみたが、今回も岩そのものを吹き飛ばしてしまい、かなり火力がアップしていることが分かった。


『以前はバレルが短くて魔法結晶を十分なエネルギーへと変換するだけの精霊呪文が刻めなかったの』


 生まれ変わったH&K USPの威力に驚いていると、頭の中にレガ子の念話が響き渡った。


「見ていたのか?」


『薫さまの姿は常にドローンで監視しているの』


「ちょっとこわいから監視は禁止だ」


 それではまるでストーカーと同じじゃないか・・・(汗)。


『これまでは魔法結晶が持つ力の7割くらいしか変換できていなかったの。

 だけど今は120%の変換効率になってるはずなのっ』


 監視を禁止した件をスルーしやがったな。


「威力が上がってるのは俺も確認したよ。

 ところで監視行為は・・・」


『今作っている長物がそろそろ完成するのっ。

 所有者登録をしたいから、薫さまには戻ってきてほしいのっ』


 どうやら俺の抗議を受け付ける気は全くないようだ。

 俺は深くため息をついてH&K USPをホルスターへと戻し、村へと引き返すことにした。

 



 レガ子の元に戻ると、クリエイトを終えたR93 LRS1がイベントリの中から飛び出してきたところだった。

 魔銃へと変化したR93 LRS1を手にすると、そのズッシリとした重さに驚いた。

 プラ製だったマズルブレーキなどのパーツは、すべて金属の材質に作り変えられ、魔術弾の発射に耐えられるよう全体的に強度がアップしていた。

 元のエアガンの時でさえ3キロ近い重さがあったのだが、これは4キロを超えており、実銃の重さにかなり近づいているのではないだろうか。


 ストレートプルアクションのボルトハンドルを引いてコッキングしてみる。

 ボルトハンドルはそれほど重くはなく、スムーズに引くことができた。

 またトリガーのキレもよく、素直にシアが落ちるのも確認できた。

 どうやらボルト内部のピストンまわりの構造はエアガンの時とほとんど同じままのようだ。


 前回の魔銃クリエイトの時にレガ子が教えてくれたことだが、魔術弾の加速・発射にはインナーバレルの内側に刻んだ精霊文字による魔法変換呪文が使用されるため、エアガンとしての性能はあまり重要ではないらしい。

 最低でも魔法結晶化BB弾を呪文が刻まれたインナーバレルにまで送り出すための空気圧があればいいとも言っていた。


 所有者登録をするため、H&K USPの時と同じように紅雨べにさめの刀身で親指の腹を少し斬り、傷口から出てきた血をR93 LRS1のグリップへと塗る。

 そして魔力運用グローブごしにグリップを握り、R93 LRS1の銃身をを青く光ったイベントリに差し込んで自分の魔力を注ぎ込み登録を終わらせた。





 さらに30分後・・・。

 2挺目の【KINGARMS Blaser R93 Tactical2 ガスライフル】(以降:R93 Tactical2)のクリエイトを終え、レガ子がサイレンサーの改造を行っていると、子供たちとリーゼが村長の家から戻ってきた。

 彼女らが近づいてきたタイミングで、イベントリからあらかじめ取り出しておいたクーラーボックスを開き、その中から炭酸飲料を取り出して手渡してあげる。


「このシュワシュワした飲み物は、お風呂上りにはとっても美味しく感じるの♪」

「まったくだニャ♪」

「カオル殿は、今度は何を作り始めたのじゃ?」

「わぁ~R93だぁ~~。独特のフォルムが、カッコいいですよねぇ~~」


「遠くまで届くタイプの魔銃をちょっとな・・・。

 今は付属品への精霊呪文の処置をレガ子が行っている所なんだよ」


「なんじゃと! またカオル殿は我がいない時にそのようなものを作りおって・・・」


 今回も魔銃製作の最初から立ち会えなかったことをクリスが悔しがった。

 でもなぁ・・・こちらの正体を明かしていない以上、さすがに元ネタのエアガンを見せるのもなぁ・・。

 見せたとしても誤魔化せるような気がするが、会話にイロイロと気を使いそうだ・・・。


 ちなみにリーゼは出来上がったばかりのR93 Tactical2に頬ずりしていた。

 このミリタリーオタク女神めっ。



レガ子「てっきり薫さまはお風呂を覗きに行くと思っていたのっ」


薫「行かないよっ! レガ子は俺を何だと思っているんだよっ!」


レガ子「だってエロゲで風呂覗きイベントが起きると、薫さまは毎回喜んでいたのっ」


薫「うぐっ・・・だってエロゲの風呂イベントって、Hシーンに到達する前に見ることができる、数少ないちっぱい鑑賞イベントじゃないか」


リーゼ「でもあれって・・・覗きがバレて正座で説教か鉄拳制裁を受けるところまでがワンセットですよねっ(にっこり)」


薫「だから今回は覗いていないって言っているのに・・・」


作者「薫く~ん、この小説は君の一人称による進行なんだから、君が覗きに行かないと読者サービスのテコ入れができないんだぞっ」


薫「もう嫌だ・・・この作者・・・」

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