プロローグ 第6話 ~こんなレガ子に俺がした(らしい)~
レガ子は、防御フィールド以外に、周辺探知の機能も持つ。
女神の力で異世界からネットに接続可能。
レガシィのラゲッジボックスは、イベントリの亜空間庫に魔改造。
レガ子の言動がエロイのは、俺のせいだというらしい。
「なぁ、レガ子は見た目は純真無垢そうな少女なのに、どうして思考の方はそんなにもエロ全開なんだ?」
「そんなの、オーナーさまのせいに決まっているじゃないですか」
え?
俺が原因なの?
「だってレガ子はオーナーさまのご自宅に嫁入りして以来、16年間ず~~っとERGソングばかり聴かされて育ったんですよ」
あ・・・・・(汗
「しかも正式な持ち主がお父様からオーナーさまに代わられてからは、それこそ1日に4~5時間はERGソングやらショップ特典のエッチな内容のドラマCDとかばかり聴かされました」
・・・・・・
「だから、レガ子がエッチな女の子に育ってしまったのは仕方の無いことだと思います」
うぐぅ・・・(滝汗。
レガ子の衝撃的な告白に、過去の悪行の数々(?)を思い出し、冷や汗が止まらなくなった俺。
16年前・・・・
レガ子が我が家に新車でやってきた時は、まだ親父のクルマだった。
当時のレガ子は、上位グレード車両限定のマッ○ントッシュのオーディオユニット搭載車。
マッ○ンの音に興味があった当時の俺は、鍵を持ち出しては車庫に停まめてあったコイツに乗り込んで、車庫でERGソングを大音量で聴いていたっけ。
当時の俺は高校生で免許持っていなかったから、公道は走れなかったしね。
え?
なんで18歳未満の高校生がERG持っているのかって?
だって、ア○バのショップで普通に買えたよ。
レジで年齢確認とかされたことが無かった。
毎回すんなり買えたので、一時期は〝俺って老けて見えるのかな〟と真剣に悩んだこともあったっけ。
そういえばレガ子がやってきた年の夏、当時大ヒットしたERG「A○R」の深夜販売に並んたことがあった。
深夜零時に某ショップの店頭でシークレットだったショップ特典が発表されたのだが、あまりにもつまらない内容に、並んでいた全員で〝イラネーコール〟をしたのは今でもいい思い出だ。
あの頃は俺も若かったなぁ・・・。
そんな感じに昔の事を思い出しながら現実逃避を続けていたのだが、リアル世界ではレガ子による俺の黒歴史暴露の激白がまだ続いていた。
「オーナー様が社会人になり、レガ子の中にパソコンを持ち込むようになってからは酷かったですよね。すぐそばにレガ子が居たにもかかわらず、レガ子の中でモニターの中の女の子達とエッチなことばかりしているんですから・・・・」
もうやめて・・・
俺のライフはもうゼロよ・・・(涙。
すぐそばでレガ子(の魂)が見ていたことなんて知らなかったよ。
っていうか、俺が車の中でERGをプレイしている時、横でずっと見てたのかよ!
え・・・・
ちょっと待って・・・
レガ子、ずっとそばに居たの?
・・・・・・
ということは・・・・(汗
トンデモナイ事実に気がついてしまった俺は、壊れたおもちゃのように首を動かしてレガ子の方を見る。
すると、レガ子が悪魔のような笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「ぐふふふ、そうですよ~~ぉ。オーナー様がパソコンの画面見ながらシコシコとご自分を慰めていらっしゃったのを近くでしっかり観察させていただきました♪」
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
メチャクチャ恥ずかしいぞ!
「だからぁ~~オーナーさまは細かいことなど気にせず、レガ子と楽しいことを・・・」
「ていっ(デコピン)」
「ひゃん(>-<)」
「それとこれとは話しが別だっ!」
危ないところだった・・
あまりにも酷い精神攻撃だったので、もう少しでおバカの仕組んだ罠に捕まるところだった。
「むぅ・・・せっかくオーナーさまの好みを分析してこのプリティな姿になったのに、なんで襲ってくれないんですかぁ!」
そうなのか?
改めてレガ子の姿をジックリと眺めてみる。
ストレートで長い、深い艶のある黒髪。
幼い感じを残しながら、意志が強そうな小さめな顔立ち。
ペタン&ストーンな貧乳ボディのスレンダーな背格好。
10~12歳くらいの見た目の年齢設定。
(ただし身長は40センチほどのドールサイズ)
うん。
確かに俺の好みにドストライクだ。
和装も似合いそうだし、ゴスロリもいけそう。
黙って立っていれば、深窓のお嬢様という雰囲気も作れる。
髪型をツーテルにすれば、ツンデレ系もこなせそうだ。
もっとも中身がアレなので、所詮は残念美人になってしまうのだが。
しかし・・・
俺の好みに合わせてレガ子が自分の姿を作ってくれていたとは・・・
ちょっと嬉しくてニヤけてしまうかも。
でもLOな性癖を隠すために、巨乳モノから人妻モノまでERGはオールジャンルをプレイしていたはず・・・・
「いったいどこでバレたんだ・・・・」
心の動揺を思わず声にしてしまうと、レガ子が呆れた顔をして俺の膝の上に乗ってきた。
「オーナーさまを長年観察してきたレガ子には、オーナーさまの性癖を見分けるなどたやすいことです」
「マジで?」
今度はレガ子がため息
「だいたいオーナーさまは、ご自身がERGをプレイしている時、ちっぱいキャラとそれ以外のキャラの攻略とでおもいっきり表情が違っていたのに気がついていないのですか?」
「そうなのか?」
「はい。ちっぱいの時はすっごく楽しそうにプレイしていました」
ダメじゃん俺。
全然、性癖隠せていないじゃないか。
「だいたい、先月なんて『ちっちゃ○ない○んっ!』とかいうタイトルのERGを、すっごい楽しそうにプレイしていましたよっ」
「ごめんなさい。もう勘弁してください」
もはや素直に降参して白旗を揚げるしかない。
これ以上は俺のガラスのハートがもちそうにない。
膝の上にいたレガ子に向かって頭を下げると、俺のおでこがレガ子の頭に当たった。
すると、レガ子が少し回り込んで、俺の頬にキスをした。
「とりあえず今日のところは、コレで満足しておきます♪」
ペロッと舌を出し、いたずらが見つかった時の子供のような、無邪気な笑顔を向けるレガ子。
くそつ、かわいいじゃないかよっ。
そもそもレガ子のことは嫌いじゃないよ。
俺の大切な愛車が擬人化(?)した姿なんだから、むしろ好きなんじゃないかと思う。
でもなぁ・・・
さすがにお人形サイズの女の子に、自分の性的欲望をぶつけるのは躊躇われるわけで。
「せめてレガ子が人間と同じ大きさならなぁ・・・」
そう・・・
レガ子が等身大の女の子であれば、普通のお付き合いもできるような気がする。
それがたとえ〝人間〟じゃなくても。
「レガ子、人間サイズになる事ができると思いますよ」
「え?」
「女神様が言っていました。レガ子のレベルが100になれば、人間のサイズでの実体化が可能になるって」
「えぇぇ!?」
レベル100でレガ子が人間に?
レガ子との旅の目標になりそうな事柄がようやく出ました。
これは二人の異世界ドライブの最終目標みたいなものになる予定ですが、物語としての目標(最後の見せ場)は違う事柄にすることを考えています。
レガ子「はやく人間になりた~~い」
(妖○人間○ム風にwww)
ちなみに秋葉原で行われたERG深夜販売での〝イラネーコール〟は、昔に実際自分が遭遇した出来事です(苦笑)。
昨晩、仕事が徹夜作業になってしまい、まったく寝ていないため、次回の更新の間が若干空くかもしれません。