プロローグ 第5話 ~レガ子の特殊能力~
レガ子は絶対防御のチート能力持ち。
しかし絶対防御の使用にはガソリンを消費。
ガソリンの補給方法はあるらしいが、女神がもったいぶって教えてくれなかった。
女神様→(駄)女神に認識変更。
「その(駄)女神さまは、燃料の事について他には何か言っていなかったか?」
「そういえば『1日の終わりの時にガソリンを全部使い切らないように』とか言っていました」
何でそんなに燃料の残りに拘るんだ?
もしかしてガソリンがタンクに残っているかどうかがレガ子の生命維持にかかわっているとかじゃないよな?
その(駄)女神にもう一度会う機会があるなら、その辺はきちんと確認しておく必要があるな。
「この世界でレガ子と生活するにあたって、他には何か注意点や説明を訊いていないか?」
「そんな・・・オーナーさまとレガ子の性活だなんて・・・・(ポッ」
おぃ。
モジモジしながら、なに変な妄想トリップしてやがる。
「レガ子はこんなちっちゃい身体ですが、オーナーさまが望むなら、全身を使って一生懸命そっちのお勤めも・・・」
「おぃ。デコピンとほっぺた伸ばし、どっちをやったら目が覚める?」
「うわぁ、すみませんレガ子の妄想と欲望がダダ漏れしました。ちゃんと目は覚めていますのでいぢめないでください」
両手を前に突き出して、イヤイヤポーズを作っているレガ子。
身長が40センチほどのお人形サイズだけに、これはこれで可愛いんだけれどね。
それに、過去にプレイしたERGの中には、そんなお人形サイズのヒロインとイチャラブする内容の作品もあったから、レガ子からダダ漏れしてきた妄想を実際にやってもらうことにも、男としては興味はある。
でも、それは生き残る算段がついてからの事。
今重要なのはそこじゃない。
「えっと・・・防衛機能として、先ほどの防御フィールドの他に周囲の状況や敵の位置を探知する事ができるレーダーみたいな能力をレガ子にくれたと言っていました」
それはあれか?
FPSのゲームとかにあるマーカーみたいなやつか?
「具体的にはどれくらいの能力があるんだ?」
「周囲の地形にもよりますが、半径500m~1Kmくらいの範囲をスキャンできるみたいです。敵性体は赤、未判定はグレーで、ナビの画面に相対座標位置でマーカーが表示されます」
旧式のHDDサイバーナビが、えらい進化をしたもんだ・・・(汗。
「初見の相手でも、生態波のパターンからおおよその種族判定ができます。また生態波のパターンを一度でも記録した固体は、高い確率で個体単位での識別が可能だそうです」
レガ子のくせにえらい高性能だな・・・。
まぁ、こちらとしては助かるけれど。
「ちなみに現在の周囲の状況は?」
「オールグリーンです。半径1Km以内には一般的な野生動物しかいません」
それはよかった。
少なくともレガ子の性能をジックリと確認するくらいの余裕はありそうだ。
ちなみにそのレガ子は・・・
〝どうだ、すごいだろ!〟と言わんばかりに、ドヤ顔でこっちを見ている。
たぶん〝うざかわいい〟というのは、こういう状態の娘っ子を指すんだろうなぁ。
「これでレガ子は、アイ○イトを超えました! 最新型の妹達が信号で横に並んでもバカにされる心配がなくなりましたっ!」
その信号自体が、この世界には無さそうだけれどな。
「バカにされた事があったのか?」
そう訊ねるとレガ子は寂しげな表情になり
「私達のような生活用品に宿る八百万の魂って、その性格が持ち主の方に影響される場合が多いんです。なので、たま~に性格がひねくれた妹分に出会うこともあるんです」
「あぁ・・たまに居たな。信号で並んだ時に、威嚇のような空ぶかしをしてくるヤツとか」
ほかにもやたらと後ろから煽ってくるヤツとか・・・。
きっとああいったドライバーに長く所有されていると、クルマに宿った八百万の魂も性格が歪むんだろうなぁ・・・。
そう考えると、親バカかもしれないがレガ子は良い娘っ子に育ってくれたのかもしれない。
バカたけど・・・・。
「ほかには重要な能力追加とかないのか?」
「そういえばこの子に取り付けてあるWiFiのアクセスポイントですが、この異世界からでも元の世界のインターネットに繋がるそうです」
「え?マジで?」
「はい、だからソコ(助手席)に置いてあるノートパソコンも、この子に設置してあるマイクロパソコンも、WiFi接続でインターネットに繋がりますよ」
「それはスゴイ・・・というか便利だな。正直なところサバイバル知識をネットで調べられるのはかなり助かる」
マジでコレは予想外の朗報だった。
見知らぬ世界で生活していくために、ネットの知恵袋を頼れるのは大きい。
「ただ、ネット接続は女神様が霊脈とやらの力を使って無理矢理行っているので、オーナーさまが本来契約していた回線とはまったく違うものになっているそうです」
霊脈?
また新しい言葉が出てきたな。
おそらくこれもレガ子に訊いても無駄だろうから、女神様とやらにあったときに直接訊くべきだな。
回線うんぬんの話しは、グローバルIPが正規のものとは変わってしまっているという意味なのかな?
どのみち元の世界に帰れなければ、携帯端末の通話料やプロパイダー契約の支払いが滞って回線が止められてしまうからな、さほど大きな問題じゃない。
というか、この功績だけで、さっきの〝(駄)女神認定〟を取り消してやってもいいくらいだ。
携帯やプロパイダー契約のメールアドレスが生きているうちにフリーメールアドレスを取得して、家族や友人にはそっち経由での連絡をお願いした方がいいな。
問題は、こちらの状況を信じてもらえるかどうかだが・・・。
特にあの愚妹が大騒ぎしそうで、ちょっと頭が痛くなるが。
勤め先は・・・・まぁクビになってもいいか。
正直、職場の偉い人たちのフォローにも疲れてきていたし、あの仕事に未練もない。
「それと、この子の後部ラゲッジボックスが亜空間に繋がったイベントリとかになっているそうで、無限収納できるようになりました」
「そっちもスゴイな・・・」
イベントリの亜空間庫は、異世界転移や転生モノでは主人公のお約束スキルだが、まさかそれをレガ子が持っていようとは・・・。
関心しながら、話題の後部ラゲッジボックスがある後部荷室の方を振り返り、ものすごい違和感があることに気が付いた。
「なぁ・・レガ子」
「はい、何でしょうか」
「ラゲッジルームにあった荷物はどこに行ったんだ?」
ラゲッジルームには、親類の葬式で来た着替えや数日分の普段着、痛車イベントでの飾りに使ったグッズ類や模造刀などの展示物やそれを作るための道具、そして移動先のBBQオフで使う予定だった食材の入った保冷庫やBBQコンロ、ガソリン式発電機や予備燃料、キャンプで仲間と遊ぶ予定だったサバイバルゲームの装備一式など、無数の荷物が詰まれていたはずだった。
それが今は、後部座席が折りたたまれた広いラゲッジルームには、ERGのショップ特典だった等身大ヒロインがHなポーズでプリントされたシーツが敷かれ、同じようにHな等身大ヒロインがプリントされた抱き枕や毛布などの、いわゆる〝神具〟が置かれているだけだった。
「荷物は全部ラゲッジボックスのイベントリに収納しておきました。イベントリ内は時間も止まるそうですのでBBQ用の食材も安心ですよ」
「そうか・・・手間を掛けたな。ありがとう」
「ちなみにイベントリに収納したモノの管理は、この子のWiFiと繋がったパソコンから出来るそうです。ネットワーク接続先にイベントリのアイコンがあるそうで、そこを開いて操作することで収納物の確認や整理、取出しなどが出来ると言っていました」
それはとても便利なんだけど・・・・
女神さまとやらは、レガ子の本体を使って遊んでいないか?
「で・・・何で〝神具〟だけが収納されずに残っているんだ?」
いや・・・
なんとなく答えは想像できるんだけれど・・・ね。
するとレガ子は、正座をして姿勢を正し、三つ指をついて頭を下げると・・・
「オーナーさま・・・ご飯にします? それともドライブします? でなければレガ子を・・・ あっ、痛いです、痛いです、レガ子の頭が割れてしまいます(涙」
ほぼ予想どおりの答えが返ってきたため、少し力をいれてレガ子の頭を親指と人差し指とで摘む。
そして、またため息。
「なぁ、レガ子は見た目は純真無垢そうな少女なのに、どうして思考の方はそんなにもエロ全開なんだ?」
「そんなの、オーナーさまのせいに決まっているじゃないですか」
え?
俺が原因なの?
どうして?
レガ子のチート能力がかなり明らかになってきました。
しかし、未だに主人公自身の能力に関する紹介は無し。
もしかしてこの主人公は無能力者か?(笑
次回はレガ子の容姿などについても、すこし詳しく記述する予定なので、はやく見た目を決めないと・・・(汗。
(いま、2つの候補でどっちを選ぶか迷っています。)