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第1章 第17話(第24話) ~ミャウ・エレメンタイン~

レガ子「このネコミミ娘は、あたいの魂がライバルだと告げているのっ!」


作者「ああ・・どうやら向こうもレガ子の事を〝敵認定〟しているっぽいぞ」


レガ子「内乱なの! 下克上なのっ!」


作者「また意味不明なことを・・・・」


リーゼ「そういえば、ネコさんってちょこまか動く小さいものを見ると、襲いたくなるんじゃありませんでしたっけ?」


作者「そうだね・・・」


レガ子「(ガタガタ・・ブルブル・・・)」


ミャウ「ニヤリ!」





ということで、前回までのおさらいです。



盗賊団のアジトから幼女を連れて撤収。

町に着いたら、主人公が過労でダウン。

目が覚めたら、周囲が幼女ヘブン状態だった♪

ネコミミ娘の名前はミャウ(6歳)。

人間の娘っ子はクリス(10歳)。

エルフ娘はアリシア(18歳)。

そして胸の中で泣き出すレガ子。

そんなレガ子の頭を撫でながら慰めていると、急に空腹感を感じて腹の虫が鳴ってしまった。

そしてその音に釣られたのか、3人の娘っ子たちの腹の虫も続けて鳴った。


真近で鳴った俺の腹の音にビックリし、その続いた3重奏を聞いて笑い出すレガ子。


「女中さんに何か作ってもらいますね。

 薫さまたちは、このお部屋で待っていてください」


そう言って飛び上がると、そのまま部屋の外へと飛んで行ってしまった。




俺は飛び去って行ったレガ子から3人の娘っ子たちに視線を移し

「じゃぁ飯でも食いながら、盗賊に捕まっていた理由とかを聞かせてもいいかな?」

と彼女たちに問いかけた。





  ◆    ◆    ◆    ◆


(ここからミャウ視点になります)



ボクの名前は、ミャウ。


正式にはミャウ・エレメンタインがボクの名前になる。



ボクが住んでいたのは、フローリアス王国の東の端にある獣人自治区。

自治区の中にあるネコ族の村にボクの家はあった。


獣人自治区には、ネコ族のほかにイヌ族、クマ族、オオカミ族、ウシ族、キツネ族が住んでいて、それぞれが小さな村を作って暮らしていた。


父ちゃんは村の戦士で、母ちゃんは獣人自治区の中央にある御神木を守る巫女だった。

ちなみに巫女は、各種族から数名ずつが選ばれていて、みんなが神殿に勤めていた。


「あの日ボクは、ばぁちゃんが作ったお昼ご飯を母ちゃんに届けるために御神木の根元にある神殿に行ってたのにゃ」


言葉をしゃべるときに、語尾に〝にゃ〟が付いてしまうのはボクの癖で、よく母ちゃんに注意されていた。

でも、ボクを悪い人間たちから救ってくれたこのあんちゃんは、そんなしゃべり方を「似合っていて可愛い」と言って、頭を撫でてくれる。

とても嬉しいにゃ♪


「で?

 その神殿で何かがあったのか?」


あんちゃんが寝ていたお部屋に運ばれてきたご飯をみんなで食べながら、あんちゃんが話しの続きを訊ねてくる。


「うん・・・

 こんな風に母ちゃんや他の種族の巫女さんたちとご飯を食べていた時、悪い人間たちがいっぱい来て、村を襲ったのにゃ」


「獣人族の村が盗賊らによって大規模な襲撃を受けたのは、我もやつらに捕まる前に屋敷のものから報告を受けていた。

 だいたい1ヶ月くらい前の事じゃ」


いま説明をしてくれたのはクリスちゃん。

ボクより少し後に連れてこられた人間の女の子。

話し方が村の長老っぽいって言ったら、「なにを言う。これはれっきとしたレディの言葉じゃ」と以前怒られた。

でも話し方は偉そうだけど、悪い人間に捕まっていた時は、いつもボクやもう一人のアリシアちゃんをかばってくれていた。

強くて優しいお姉ちゃんだにゃん。


「その時、襲ってきた悪い人間が神殿にまで入って来たのにゃ。

 ボクは母ちゃんに神殿の裏口から逃げるように言われて外に出たんだけど、そっちからも悪い人間たちが来ていて・・・」


「捕まっちまったわけか?」


「にゃぁ・・・」


ボクがしょんぼりしていると、あんちゃんが食事中だった手を止めて、ボクの頭を撫でてくれた。

撫でてくれる手があったかい。


「クリスはその襲撃について、なにか情報は聞いていないのか?」


「いや・・・盗賊が相当な手練で、村の守備隊にかなりの犠牲者が出たらしい・・・と言う事しか聞いておらん」


クリスちゃんが一瞬ボクの方を見て、その後言いにくそうにあんちゃんに説明する。

たぶんボクの母ちゃんや父ちゃんが無事かどうか分からないから、気を使ってくれたんだと思う。

あんちゃんも「そうか・・・」と言って、ボクの頭を撫で続けてくれた。


「ただ・・・襲撃自体は失敗したのではないかと思っておる」


「その根拠は?」


「ここにミャウ殿が無事で居る事がその証拠になるのではないかと・・・」


ボクの名前が突然クリスちゃんの口から出てきたので、ビックリして彼女の方を見る。

あんちゃんもクリスちゃんの方を見ていた。


「どういう意味だ?」


「おそらく奴らの狙いは、御神木の奥に安置されていた聖遺物ではないかと我は見ている。

 その聖遺物を奪う事ができなかったから・・・」


「交渉の材料に攫ってきたミャウを使おうとしていたわけか・・・・」


「我の想像じゃがな。

 だが可能性はかなり高いと思っておる」


「ということはだ・・・・」


突然、あんちゃんがボクのポンポンと優しく叩いて、ボクの方を見た。


「どうしたにゃん?」


「もしかしたらミャウの両親は無事かもしれないぞ」


え?

そうにゃの?

ボクもクリスちゃんの方を見る。


「交渉は、相手が生きていないとできないからの。

 ただ・・・ミャウ殿すまん。

 お主の親御さんが本当に無事なのかどうかは我にも自信がもてない」


クリスちゃんが僕に向かって頭を下げる。

クリスちゃんはたぶん国の偉い人たちの娘さんだ。

それなのに威張ったりしないで、ネコ族のボクにまで優しくしてくれて、今も自分が悪いわけでもないのに謝ってくれる。

悪い人間に捕まってしまったのは残念だけど、そのおかげでクリスちゃんに出会えた事は本当に嬉しい。


「クリスちゃん、謝らなくてもいいにゃん。

 父ちゃんか母ちゃんが生きている可能性があるだけで十分だにゃん」


ボクはクリスちゃんに抱きついてちょっとだけ泣いた。

そんなボクを、クリスちゃんも優しく撫でてくれた。


「ところでクリス、その〝聖遺物〟って何なんだ?」


「大昔にこの世界を訪れた神様の忘れ物・・・という事だ」


あんちゃんがクリスちゃんに聞き、クリスちゃんがそれに答えた。

ボクも聖遺物については、母ちゃんから大昔からある神様の忘れ物としか聞いていない。


「神様の忘れものねぇ・・・・

 (これはリーゼの忘れ物がらみにちがいないな・・・)」


「(たぶんそうなの・・・)」


あんちゃんは、ちっちゃな精霊と何かを話し合っていた。

なんだろう?




「なぁクリス、このベルドからネコ族の村までってどれくらいあるか知っているか?」


あんちゃんがクリスちゃんにそんなことを聞いた。


「我も実際に旅をした事がないからなんとも言えんが、たぶん馬車で15日~20日くらいの距離じゃないだろうか」


「ふむ・・・明日にでもベルに詳しい場所と距離を聞いてみるか・・・」


ボクを見ながら何かを考え出したあんちゃん。


「あんちゃん?」


するとあんちゃんは、ボクの前に屈んで座って、目線の高さを合わせながらまた頭を撫でてくれた。

そして、

「なぁミャウ。

 ミャウさえよければ、俺がネコ族の村まで送り届けてやるが、どうだ?」

と笑いながら言ってくれた。


嬉しいにゃ。

ものすごく嬉しいから、ボクはあんちゃんの首に抱きついて、感謝の印にほっぺを舐めてお礼を言った。


「ありがとうにゃん♪

 とっても嬉しいにゃん♪

 ぜひお願いするにゃん♪」


するとまたあのちっちゃな精霊がやってきて、ボクとあんちゃんを引き剥がそうとした。


「薫さまから離れるの。

 ペロペロしたらダメなのっ!」


この精霊とはそのうちに決着をつける必要があると、ボクの中の野生の勘が伝えていた。


そういえば、ボクの話のあいだずっと静かにしていたアリシアちゃんが、この時だけはちっちゃな精霊の味方をして抱きつく邪魔をしてきたけど、なんでだろう?


やがて、あんちゃんの手によってボクは引き剥がされ、もとの食事位置に座らされた。

残念・・・。

もっとペロペロしてスリスリしたかった。


あんちゃんは暴れているちっちゃな精霊の頭を掴んでおとなしくさせると、今度はクリスちゃんの方を見て

「今度はクリスの事情を教えてもらえるか?」

と話しかけた。




作者「ミャウ視点の話しは、3人娘の中で一番短かった」


レガ子「久々に3200文字くらいしかなかったの」


作者「まぁぶっちゃけ、ミャウが捕まっていた背景にはあまり重要な伏線が多くないっていうのもある」


レガ子「つまり、ネコミミ娘はレガ子の敵ではなかったと・・・」


作者「あ・・・それはどうかなぁ・・・

   たぶんネコ族の村に着いたらレガ子あせる事になると思うぞ!」


レガ子「ちょっと、それってどういうことなの!

    どうようことなのよさぁ!?」

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