第1章 第15話(第22話) ~はじめての負傷、そして事案の気配~
今回は、ついに本当のロリキャラが3人も登場!
ポストヒロインの座は一体誰のものにっ!!
レガ子「ちょっと待つのっ!
その話しはまったく聞いてないのっ!」
作者「そだね・・・。
初期プロットの段階では、途中で加わるロリキャラは一人だけのはずだったしな」
レガ子「うぎゃぁぁぁぁぁ」
ということで、前回までのおさらいです。
盗賊団のアジト発見。
夜襲に備えて罠(マップ兵器)を張る。
マップ壁が強すぎて、盗賊らがほぼ全滅。
アジトに残った残党狩りに出発。
「まずいのっ。
少し離れた場所に待機していた盗賊らが、アジトに引き上げていったの」
予定では、ここがあらかた片付いてから、アジトに残っている残党を殲滅しに行く事になっていた。
しかし、今ここで襲撃失敗の情報がアジトに伝わってしまうと、彼らに逃げられてしまう可能性がある。
「サイモン、ベル。
追いかけるぞ!」
そこで俺は、サイモンとベルをクルマに乗せて、アジトに逃げ帰った盗賊を追いかける事を決めた。
町に残った警備兵に追撃の意図を伝え、この場所が片付き次第、援軍として追いかけてもらう事をお願いした。
これなら援軍が来るまで残党をアジトから逃がさなければいいので、仕事はかなり楽になるはずなのだが・・・
「さっきは活躍の場がなかったから腕が鳴るぜ!」
「今度こそ思いっきり暴れてやるわ!」
車内に居るサイモンとベルは、アジトに突入する気満々なのが不安だ・・・。
レガ子も・・・
「今度はどの魔法で盗賊を踊らそうか迷うのっ」
と殺る気満々だ・・・(汗。
平和な日本が懐かしい・・・・。
そんな事を考えながら、俺が運転するクルマは夜の荒野を爆光ライトで照らしながら、盗賊団のアジトへと向かうのだった。
盗賊団のアジトに向かっていた俺たちは、アジト手前で逃げ帰ろうとしていた残党3人と遭遇。
レガ子の指示でそのうち2人をクルマで後ろから轢いて弾き飛ばした。
ちなみに俺は一応〝轢き殺し〟には、ゴールド免許保持者として一度は反対した。
しかし、レガ子の
「減速している時間がもったいないの。
間に合わなくなるの」
の一言で、ノーブレーキで突っ込む事を決めていた。
うん・・・
人間、慣れていくのもなのよね・・・・(汗。
「残りはまかせろっ!」
盗賊2人を轢くと同時にブレーキを掛けて減速すると、サイモンがクルマから飛び降り、やや離れたところに居た残りの1人にバトルアックスを横殴り気味に振り抜いた。
わき腹の辺りに戦斧の刃を受けた盗賊は、内臓を撒き散らしながら上半身と下半身が見事に分離していた。
なんというサイモンの馬鹿力・・・。
そして俺は今日もバーベキューの肉は食えそうにもなくなった・・・。
「あっ、抜け駆けはずるいぞ!」
完全に停車したクルマからベルが降車し、盗賊を一撃で仕留めたサイモンに文句を言う。
「仕方ない・・・。
私はこいつらにとどめを刺すか」
「あっ、レガ子も殺るのっ!」
クルマに轢かれた盗賊2人は、致命傷にはなっていなかったようだ。
(まぁ・・時速40キロくらいだしね・・・)
よろめきながら逃げようとしていたところを、ベルのショートソードによる首への一刺しと、レガ子が放ったプラズマランサーでそれぞれあの世に送られた。
「手応えなくてつまんない」
「感電してもレントゲン見たくならなかったのっ」
女性陣はそれでも物足りない様子。
怖い怖い・・・。
あとレガ子、現実にはあんなアニメ的な絵にはならないからっ!
「敵襲だっ!」
外の騒ぎの聞きつけ、アジトとなっていた洞窟の中から外の様子を見に来た盗賊団残党の1人が、大声で中に居る仲間に外の異変を伝えた。
「まぁ、これだけ騒げば見つかるよなぁ・・・」
お互いに顔を見合って苦笑いをする俺とサイモン。
とりあえず俺はクルマを洞窟の入り口正面に移動させて、ライトで奥のほうまで照らせる位置をキープした。
洞窟内からは弓による攻撃で鏃が無数に飛んできたが、そのすべてをクルマが発生させた防御フィールドで弾く。
しかし予想外に飛び道具による攻撃が激しく、洞窟内に突入するタイミングも掴めないでいた。
いや、無差別的に殺る気にさえなれば、レガ子にファイヤーアローやプラズマランサーを弾幕のように撃ち込んでもらい、その混乱に乗じて突入することはできる。
ただ、その方法を取れない理由が発生していた。
レガ子が洞窟内をサーチした結果によると、赤い光点を示している盗賊の残党5人のほかに、盗賊とは別口の緑の光点を示した3人の人間が中に居るらしいのだ。
最近盗賊団に襲われた村などから連れてこられた人質の可能性もある。
そのため過剰な火力による洞窟内部への攻撃手段が取れないでいた。
そんな非生産的な防御戦が20~30分ほど続くと、明らかに弓による攻撃で飛んでくる鏃の数が少なくなってきた。
「鏃のストックが少なくなってきたのかしら?」
ベルの疑問に、互いに目配せをする俺ら。
突入を仕掛けるとすればこのタイミングしかないだろう。
人質らしい人間の反応は、相変わらず洞窟の一番奥にいる。
今なら入り口付近でやや大きな衝撃波が起こったとしても、おそらく安全なはずだ。
そこで俺は後部ハッチを開いてイベントリからあるものを取り出し、レガ子に見せた。
「コレを洞窟内に投げ込むから、ファイヤーアローで思いっきり破壊してくれ」
「!
了解なのっ!」
俺の意図を理解したレガ子が炎の矢を複数生成し、発射体制を整える。
「サイモンとベルは、コレが弾けたら一気に突入するので頼む。
あと破裂の瞬間は、できるだけ耳を塞いでおいてくれ」
俺の意図は分からないが、これから自分らがやる事を理解し、突入体制に入るサイモンとベル。
洞窟内の盗賊らも、こちらが仕掛ける気配を察知し、一気に警戒を強めた。
しかし、やつらが警戒して神経を集中すればするほど、コレが弾けたときの効果が大きくなる。
こっちとしては、警戒大歓迎だ。
弓による攻撃が途切れた瞬間を狙い、俺はソレを2つほど洞窟内に投げ入れた。
ソレは500ミリリットルの缶飲料ほどの大きさの金属製の筒で、片側の先が細い管状になったモノだった。
そう・・・
それはカセットコンロ用のガスボンベだった。
「狙い撃つのっ!」
放り込んだガスボンベの缶が洞窟内部に入ったタイミングに合わせ、レガ子がファイヤーアローでガスボンベを破壊した。
あとレガ子・・・そのネタはちょっと危険だ(苦笑。
爆音と共に炎を噴出しながら破裂するガスボンベ。
洞窟内に飛び込んできたガスボンベに注意をひきつけられていた盗賊らは、そのすさまじい音と炎、そして飛び散る破片の嵐で軽い方向感覚の喪失を起こし身動きが取れなくなっていた。
いわば即席のスタングレネードだ。
「そいつらは任せた!」
「「おうっ!」」
爆発のタイミングに合わせて洞窟に突入。
目の前に突然現れた俺たちにまったく対応ができなくなっていた3人の盗賊をサイモンとベルに任せ、俺はレガ子を伴って奥へと駆け抜けた。
目的地は、人質が捕らえられている場所だ。
洞窟奥の開けた空間が見えた。
中に飛び込むと奥に人質らしき人影が見えた。
と同時に、左右側面の死角から残りの盗賊らによる攻撃が襲ってきた。
「薫さまっ!」
「くっ!!」
左から襲ってきた剣による攻撃をレガ子が作り出した防御障壁が受け止める。
そして俺は右から襲ってきた剣の軌道を、スキル獲得で身につけた危険予知で読み、レベル2の反射速度を駆使してサバイバルナイフを剣に当てて辛くも躱した。
躱しきれなかった剣先が掠ったのだろう、右の頬に軽い痛みと熱を感じた。
俺はそのままの勢いで地面を転がり、人質らの前まで移動。
そこに捕らえられていた人物を見て、驚きのあまり動きが止まってしまった。
そこに居たのは・・・
10歳ぐらいの人間の女の子と、
同じ年恰好のネコミミの女の子、
そして見た目が同じ年頃のエルフの女の子だった。
「え・・・エルフ?
ね・・・ネコ・・・耳?」
少女たちの姿を見て、心の中で『エロフキター! モフモフキターー!』と歓喜。
しかし、そんな現実逃避の喜びは、少女たちの叫び声ですぐに霧散した。
「おじさん、前を見ろ!」
「おっちゃん、危ないっ!」
「きゃっ!」
(ちなみに上から、人間、ネコミミ、エルフである)
すぐに意識を盗賊の方へ戻すと、そこには俺に向かって迫ってくるブロードソードが見えた。
「薫さまっ、避けてっ!」
そこにレガ子の悲鳴にも似た叫び声が重なる。
このままでは確実に斬られると思った俺は、剣を振るう盗賊の腕に向かってとっさに防御障壁を生成してしまった。
防御障壁は盗賊の右腕の根元付近を空間ごと遮断。
盗賊は腕の感覚が突然消え、その腕が自分から切り離されて飛んでいく様子に驚愕の表情を浮かべた。
そしてその腕は、ブロードソードを握ったまま俺に向かって飛来し、脇腹をその刃で抉っていった。
「ぐぁっっ!」
初めて体験する剣で斬られた痛みに悶絶しそうになるのを気力でこらえ立ち上がると、右手に握ったサバイバルナイフに魔力を纏わせて盗賊の胸に突き刺した。
体内に侵入した異物からの魔力バーストによって、一瞬で絶命する盗賊。
俺は初めて人を自らの手で殺してしまったことへの後悔よりも、殺されそうになった恐怖と、負傷によるアドレナリン分泌で軽い興奮状態に陥っていた。
視界の奥には、レガ子が「邪魔なのっ!!」とすごい形相で叫びながら、もう1人の盗賊を黒焦げにする様子が見えていた。
「薫さま、薫さま!、薫さまっ!!」
泣きながら胸に飛び込んできたレガ子を受け止めると、急に足腰に力が入らなくなり、その場に膝を付いてうずくまってしまった。
剣が当たった左脇腹を見ると、斬られた傷口からかなりの血が流れているのが分かった。
レガ子は自分が俺の血で真っ赤になるのも構わずに、その傷口を必死に押さえて血を止めようとしてくれている。
「なんでっ・・・
なんで、レガ子には回復魔法が使えないのっ」
泣きながら、俺の左脇腹にしがみ付くレガ子。
俺はそんなレガ子の頭を撫でて「大丈夫だ」と強がりを言って安心させようとする。
しかし、出血量がけっこうやばいのは誰が見ても明らかで、それでレガ子が納得するはずもない。
やがて騒ぎを聞きつけてサイモンとベルが部屋に駆け込んで、俺の状態を見て驚く。
「馬鹿野郎、斬られたのか!」
「今すぐ止血処理しないと!」
慌てて俺に駆け寄り処置をしようとした二人を小さな影が遮った。
それはエルフの女の子だった。
彼女は俺に少し怯えながら近づき、傷口にその手のひらを当てた。
「わたし、治癒魔法使えます。
このおじさまの怪我を治させてください」
その手のひらが、淡く、暖かな光を放ち、俺の身体にできた傷口を徐々に塞いでいく。
治療魔法を使っている彼女の表情は、かなり必死で、ちょっと苦しそうにも見えた。
そして俺と目が合うと顔を赤くし、恥ずかしそうに目をそらした。
「まだ覚えたてなので、上手にできないかもしれませんが・・・」
身を縮めながら、小さな声で呟く彼女がかわいくて、ついその頭を撫でてしまった俺。
エルフの女の子は頭に触れられた瞬間、一瞬だけ怯えたように身を竦ませたが、その後ははにかんで頬を赤らめながら、俺の治療を続けてくれた。
なぜか横にいるレガ子の視線が脇腹以上に痛いが、きっと気のせいだ。
ここは異世界。
小さな女の子の頭を撫でても、警察を呼ばれるような事案にはならないはずだ。
その後、治療魔法をかけ続けてもらうこと約15分。
俺の傷口をなんとか塞ぐ事に成功したエルフの女の子は、疲れ果ててしまったのか俺に身体を預けて休息を取っていた。
その見事な治療っぷりは、それをずっと見ていたサイモンやベル、残りの女の子たちが感嘆の声を上げていたほどだった。
やがてネコミミの少女が擦り寄ってきて、直った元傷口についていた俺の血を舐めはじめた。
「おっちゃん、ありがとにゃん。
お礼にきれいにしてあげるにゃん♪」
そのネコミミ少女の行為に、レガ子がついにキレて暴れだした。
「離れるのっ!
舐めちゃダメなのっ!
そんな事をしたら、薫さまが喜んでしまうのっ!」
おい、最後の一言が余計だ。
「喜ぶのなら、ちょうどいいにゃん♪」
「だーーめぇーーーっ」
大騒ぎをしだしたレガ子とネコミミ少女を眺めながら笑っていると、そこに人間の女の子が近づいてきた。
なぜか知らんが、歳のわりには偉そうな雰囲気を漂わせている。
「お主、すっかりこやつらに気に入られたみたいじゃの。
というか、我もおじさんの事が気に入ったぞ」
なんで、この子はこんなにもしゃべり方が偉そうなんだ?
いや・・・
今重要な問題はそこじゃない・・・
「ところでお前たちに言いたい事がある・・・」
女の子たちを含め、全員が俺のほうを見る。
「俺はまだお兄さん(のつもり)だぁーー!」
大声でおじさん説を否定して立ち上がると、貧血によるめまいを覚えて座り込んでしまった。
勢い任せに叫んだだけに、ちょっと恥ずかしい。
「傷は塞ぎましたが、流れた血液までは再生できませんので、無理はしないでください」
エルフの女の子は俺に駆け寄ってそう注意をすると、小さい声で
「お・・・お兄ちゃん」
と言ってくれた。
そして残りの女の子も・・・
「ふむ・・・兄殿か・・・」(人間)
「あんちゃん♪ あんちゃん♪」(ネコミミ)
と、呼び方については納得した様子。
ただ、サイモンとベルだけが「ヤレヤレ・・」といった表情で俺の事を見ていた。
今回は近接戦闘のシーンにチャレンジしてみました。
といっても、主人公はあまり戦えていませんが・・・・(苦笑。
主人公、今は弱いですが、やがて強くなっていく予定です。
で、やっとレギュラー候補のロリキャラが登場!。
そして主人公にはロリコン属性あり(ぇwww。
はたして彼女達に貞操の危機はおとずれるのかっ!!(マテコラwwwww。