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第1章 第8話(第15話) ~次元世界と世界樹~

レガ子「このお話を書き始めた当初と、女神様の性格がかなり変わりましたね」


作者「そうだな・・最初は神様としての威厳と責任感のある、ちゃんとした女神様だったはずなんだけどなぁ・・・」


レガ子「なんで、こんなヒドイ駄女神様になっちゃったんですか?」


作者「普通じゃつまらなかったから・・・・」


女神「あまりにも扱いがヒドイですよぉぉ(涙」


作者「でも、キャラは立っただろ?」


女神「しくしくしくしく・・・・・・・」




ということで、前回までのおさらいです。


湖の畔で野営を開始。

各自、2回分のレベルアップポイントを使ってスキルアップ。

異世界の星空はきれいだった♪

女神が訊ねてきたので、やさしくお茶に誘った(大嘘。



運転席のナビモニターが突然光だし、画面から女性の上半身が這い出してきた。


「なんでいつまで経っても呼んでくれないんですかっ!

 わたし、一日中ず~っと呼ばれるの待っていたんですよっ!」


「えっ?

 め、女神様ですか?」


女性の姿を確認し、女神と呼ぶレガ子。


ほぅ・・・

こいつが噂の駄女神さまとやらなのか・・・。


すかさず俺は、その駄女神さまの額を鷲づかみにしてアイアンクローを決めて、

「なぁ~(駄)女神様、イロイロ訊きたいことが多いから、コッチ来てお茶でも飲もうや・・・」

と、恨みと鬱憤が積もったすてきな笑顔で女神をナンパするのだった。





「あっ痛い、痛いですぅ。

 わたしの頭が割れてしまいますぅ(涙」


なんだろう、つい最近同じような台詞をどこかで聞いたような気が・・・。

横を見るとレガ子が青い顔をして頭を防御していた。


あぁ・・・そうか、

レガ子の頭を握ったときと同じ反応なんだ。


「で?

 コッチに出てきて、お話しする気はあるのか?」


「あります、ありますからぁ、この手を離してください」


駄女神さまを見ると、マジ泣きしていたので、素直に手を離してやった。





約5分後・・・・

駄女神さまはアウトドアテーブルに腰掛け、出された紅茶を黙って飲んでいた。


ちなみに駄女神さまはおでこに絆創膏を貼っているが、俺が怪我を負わせたわけでもないし、実は三つ目娘だったというオチでもない。

モニターの中から出てくるときに、モニターの枠に身体を引っ掛けて盛大に転んで自爆し、おでこをすりむいたのだ。

しかも転んだ時の悲鳴が「にゃうん」。

さらには自分で絆創膏を取り出して、自らおでこに貼り付けていた。


この駄女神・・・

間違いなくドジっ娘でポンコツ属性だ・・・。




駄女神さまの容姿は、東欧系美少女によくありがちなややエキゾチックな顔立ちが特徴。

髪の色は青味のあるシルバー系で、立ち上がっても髪の先が地面に届いてしまうほど長い。

ちなみに身長は165センチくらいで、瞳の色はエメラルドグリーンだった。

年齢は、外見的には20~25歳くらいにも見えるが実年齢は不明だ。

あと・・・・巨乳だった・・・。


たしかに神様っぽい不思議な雰囲気を持つ女性ではある。


ただね・・・

その表情が俺に対してひたすら怯えていた。

意志の弱そうな瞳に涙を浮かべながら、時おり俺の様子をチラチラと窺っている。


これでは神様の威厳は微塵も感じられない。



気弱な女性をじぢめているようでやりにくい相手なのだが、とりあえず駄女神さまへの威圧は続けておく。


「で、まずは俺に言うことがあるんじゃないのか?」


「ふぇ~ん、痛かったですぅ(涙」


「誰がおでこからヘッドスライディングした事の感想を言えと?」


「えぐ、えぐ・・・

 神をいぢめる悪魔のような人間がいますぅぅ~~」


どの世界に人間にいぢめられて泣く神様がいるんだよ・・・

頭が痛くなってきた・・・・


「こっちの質問にちゃんと答えてくれれば、もういぢめないから・・・

 いい加減泣き止め!」


「ひっ!」


ダメだ・・・

これは完全に怯えまくっていて、話にならない。


「こっちが泣きたくなってきたよ・・・」


俺が盛大にため息をついていると、レガ子が駄女神さまに近づき宥めはじめた。

ここはレガ子に任せたほうがいいかもしれない。


「女神様、オーナー様は少しばかり意地悪なところがあったり、

 気になる女の子をいぢめて気を引こうとする子供っぽいところがありますが、

 けっして鬼や悪魔のような酷い人ではありません」


おぃ、マテコラ!


その場でレガ子に突っ込みを入れたい衝動が湧き上がったが、今は我慢だ。

ここでレガ子を張り倒してしまうと、この駄女神さまがさらに怯えてしまう。


がまん・・・

がまんだ・・・・


ただし、レガ子は後でお仕置き確定だが。


「ぐすん・・・

 ほんとうですかぁ~?」


「大丈夫です。

 なんたってレガ子のオーナーさまですから、基本的には優しい方です」


ぐっ・・・

そんな風に持ち上げたって、お仕置きは回避してやらいからな。

でも少しくらいは手加減してやってもいいかな・・・




約10分後・・・

ようやく落ち着きを取り戻した駄女神さまを尋問・・・もとい、会話を再開する。



「まず、あんたは何者なんだ?」


「レガ子ちゃんが女神様と呼んでいたので、女神です(えっへん)」


ああ、くそっ。

最初の質問から張り倒したくなってきた。


でもがまん・・・

がまんするんだ・・・・


「そういう意味じゃなくて、その女神ってどういった存在なんだ?」


すると駄女神さまは少しだけ考えて、

「無数の次元世界が所属している世界樹の管理者ですね」

とにこやかに答えた。


そういえば、最初の夜に聞いたレガ子の説明にも世界樹が出てきたな。


「その世界樹とはなんだ?」


「とっても大きな木です♪」


なんだろう・・・・

この駄女神さまと会話をしていると、ものすごく疲れてくる。

エナジードレインとか常時発動しているんじゃないだろうな?


「それじゃ意味が分からん。

 もっと分かりやすく説明しろ」


「世界樹は虚数空間に浮かんでいる、ものすご~く巨大な大木なんですよぉ。

 それで、皆さんが住んでいる次元世界というのは、世界樹の葉っぱなんですよね」


「え?」


「次元世界のひとつひとつというのは、それぞれが世界樹のひとつの葉っぱなんです。

 世界樹に生命のマナの若芽が生まれれば、それが新しい葉となって誕生し、新しい次元世界になります。

 逆に次元世界のマナが枯渇して滅びてしまうと、その世界の葉は消滅してしまうんですね。

 私達世界樹の管理者は、世界樹に流れるマナをコントロールして世界樹に新陳代謝を促し、世界樹を大きく育てていくのが仕事なんですよ」


いきなり話しが壮大なものになってしまったぞ。

しかも、この駄女神さまが言うと、事の重大さが半減して聞こえるから不思議だ。


ん?

ちょっとまてよ・・・

「今〝私達世界樹の管理者〟って言ったよな?

 ということは、あんた以外にも管理者が居るのか?」


「リーゼですぅ」


「え?なんだって?」


「だからぁ、〝あんた〟じゃなくて、わたしの名前はリーゼなんですってばぁ」


今頃そこにこだわるのかよ・・・・(汗。

まったく面倒な性格の駄女神さまだな。


「あ~わかった、わかった。

 リーゼ以外にも世界樹の管理者っているのか?」


いるなら担当女神をチェンジしてもらおう・・・。


「いますけどぉ~~

 この世界樹に居る管理者はわたしだけですよ」


うぐぅ。

チェンジできないのかよ。


「そもそも、一つの世界樹に管理者は一人だけです。

 虚数空間の中には大小無数の世界樹が漂っていてそれぞれに管理者がいるんですよ。

 で、世界樹がある規模まで大きくなると、そこに種が生まれて虚数空間に放出されるんです。 

 その種が芽吹いて新しい世界樹が生まれた時に、その中に管理者も生まれる仕組みなんですよね」


うっ・・・・

ということは俺たちの世界は、この頼りない駄女神さまに管理されていたのかよ。

よく今まで滅びなかったと、神様に感謝しないと・・・

って、そういやコイツがその神様なんだっけ(汗。


「わたしはまだ生まれてから300億年ほどしか経っていない新参者なんですけれどねぇ~」


しかもけっこうなBBAだったよ!


「何度かドジやって、枝ごと多数の葉っぱを枯らしちゃったこともありますね~。

 わたしこの仕事、向いていないんじゃないかと時々思うんですよね」


ああ、確かに向いてないよ。

駄女神のうっかりドジで、数十、数百の異世界が突然滅亡して、数え切れない命が突然死とか怖すぎるだろ!

他の世界樹の管理者とトレードできるなら、真剣マジに交渉したいと思ったよ。




その後、なぜか駄女神さまの仕事の悩みを延々と聞く羽目になった俺。


なんだろう・・・・

世界樹の話しを聞いただけなのに、ドッと疲れた・・・。


本当ならさっさと追い返したいところだ。

けれど訊かなきゃいけないことはまだある。

ここで倒れるわけにはいかない。



「そういえば、俺たちに呼ばれるのを待っていたとか言っていたよな?」


すると女神は、思い出しましたと言わんばかりに「そうでした」と自分の手を合わせた。


「薫さんのパソコンに、わたしに繋がるホットラインを創って置いたのに、なんで使ってくれなかったんですかぁ?」


「あ、やっぱりあのデスクトップにあった怪しいアイコンは女神に連絡を取るためのアプリだったのか・・・」


「オーナーさま、どういう意味です?」


今まで黙って聞き役に徹していたレガ子が訊ねてきた。


「ノートPCのデスクトップにな、〝女神様ラブコール♪〟とかいう、まったく見覚えの無い、怪しいアプリのショートカットがあったんだよ。

 なので・・・・」


「「なので?」」


レガ子と駄女神が身を乗り出して続きを促してきた。


「ゴミ箱に捨てた!」


「ヒドイですっ!」


抗議をしてきたのはもちろん駄女神さま。

レガ子は苦笑いして顔を引きつらせている。


「怪しいアプリなんか実行できるわけ無いだろうがぁ!」


まぁ捨てたのはショートカットだけで、本体は捨ててないんだけどね。


「わたし世界樹の管理エリアで、〝呼ばれるのは今かな?今かな?〟って楽しみにしてず~~っと待っていたんですよ!」


「知るか、そんなこと!」


なぁ、世界樹の管理の仕事って、そんなに暇なのか?

今いるこの世界が滅びたら困るし、親や妹がいる元の世界が滅びても困るから、ちゃんと仕事してくれよ・・・。



俺はこの日何度目なのかも分からなくなった、大きなため息をついたのだった・・・。




やっと女神様を絡めた会話がスタートしました。

本来の予定では、この1話だけで女神様は退場する(お帰りいただく)はずだったのですが、なぜか話が長くなって、予定の半分くらいしか収録できませんでした。


原因は・・・・

やっぱ直前(具体的には昨日の昼頃)になってポンコツ属性を追加したのが敗因かなぁ・・・(苦笑。


世界樹の形を模した次元世界群のお話は、実はこの『そして今日も俺らは地平を目指す! ~レガ子と旅する異世界ドライブ~』以外にも考えています。

もし、別の作品を書き初めても、この世界構造が基本にある異世界モノとかになるかと思います。

(管理神が違う別の世界樹での話しになると思いますが・・・・)


なお、駄女神様いぢめ(いぢり)はもう1話か2話くらい続きます(苦笑

がんばれ、主人公!(wwwww

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