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第1章 第5話(第12話) ~はじめての装備クリエイト~

はじめての装備クリエイ・・・略して〝はじクリ〟


レガ子「まるでどこかの某エロゲシリーズみたいな略称です」


なので、開始5分でレガ子のシーシープレイが・・・


レガ子「ありませんっ!!

    だいいちレガ子は精霊なのでおトイレ行きませんからっ」


ちっ。


・・・・・・・・

ということで、前回までのおさらいです。


主人公スキルアップ実行で肉体改造。

レガ子はじめてのご飯を食べる。

マナとか魔法因子とか・・・・

あらかた片付けが終わった頃に、何かを決意した表情のレガ子が話しかけてきた。


「オーナーさまの装備を一つ作りたいんですが、いいでしょうか?」


そう伝えてきたレガ子の瞳は真剣そのものだった。




「一体どんな装備を作るつもりなんだ?」


俺たちはまだレベル2だ。

レガ子が取得した〝武装クリエイト能力〟は、彼女の魔力と獲得経験値を消費して武器を創出する能力。

経験値は俺もレガ子も10しか獲得していない。

しかもクリエイトの実行で消費してしまった経験値はマイナス扱いとなるため、消費した分だけ次のレベルアップに必要な経験値が貯まるのが遅くなるというデメリットがある。


なので、あまりに消費量が多いクリエイトであれば反対するつもりなのだが・・・。


当のレガ子からは、

「経験値は2つしか減りません。

 まぁ、魔力は結構消費しますが、これだけマナが濃いと回復は早いですし」

という説明が返ってきた。



ふむ、それくらいなら大丈夫かな・・・


そういえば魔力量ってどうやって確認するんだろう?

先ほどのステータス画面にはHPやMPといったお馴染みの項目はなかった。


そのことを訊いてみると・・・


「ゲームじゃあるまいし、世の中の生き物にそんな便利な数値があるわけないじゃないですかぁ。

 (くすくすくす)」


と、レガ子に笑われてしまった。


たしかに常識的に考えれば当たり前のことなのだが・・・

レガ子に常識を指摘されると、納得がいかない気分になるから不思議だ。


「それを言ったら、経験値とかレベルとかだって普通ありえないだろ?」


俺らは実際にはありえない法則でレベルアップしたり、スキルが取得できたりする事象を体験している。

だからこそ、ゲームみたいなHPやMPも存在しているのではないかと考えたのだが・・・。


「アレって、女神様が私たちだけに与えてくださった加護みたいなものなので、かなり特別な存在なんですよ。

 まあ、管理システムがゲームっぽいのは、おそらく女神様の趣味でしょうが・・・」


どうもレガ子が獲得したスキルの説明書きが女神のお手製だったらしく、その内容がかなりマニアックでウィットに富んだものだったらしい。


くっ。

駄女神のくせにゲーマーなのか?

しかも製作者側かよ!


ところで、駄女神お手製のレベルアップやスキルのシステムって、バグとかないんだろうな?

スキル実行で肉体改造された身としては、ちょっとどころか、かなり不安があるのだが。


「つまり、この世界の人たちはレベルアップで強くなったりしているわけではない・・・と」


「当たり前じゃないですかぁ。

 元の世界と同じで、みなさん体を鍛えたり、稽古したり、勉強したりして、努力することで強くなったり技術を身につているに決まっているじゃないですか」


うぐぅ・・・。

この世界を短絡的にゲームっぽく捉えてしまった俺が悪いのか?


「なので、レベルアップするだけで能力が身に付いたり、飛躍的にアップできる私たちは、それだけでかなりチートな存在なんですよっ♪」


うっ、

もしかしてレガ子のやつ、俺がチートスキルが無いと少し落ち込んでいた事に気がついていたのか?


恥ずかしいので、さっさと話題を変えてることにする。


「さっき魔力を結構消費すると言っていたが、そっちは平気なのか?」


露骨な話題転換に気が付いたのか、レガ子はクスクス笑いながら飛んで俺に近づくと、そのまま俺の肩に腰掛けた。


「ゲーム脳なオーナー様にも解りやすくゲーム的に例えると、レガ子のMPってたぶん5万とか6万とかのかなり大きな魔力量になるはずなんです」


「お前って、そんなにすごい存在だったのか?

 あと、ゲーム脳とか言うな」


「これでも一応、元の世界では〝八百万の神〟と呼ばれる、神さまっぽい存在の一角でしたので。

 じゃぁ、エロゲ脳とかにしますか?」


「余計悪いわ!」


ノリツッコミで肩に座っているレガ子をど突こうしようとしたが、見事に逃げられた。

むぅ、15%もアップしたはずの俺の反応速度から逃げるとは・・・。


「今回作りたい装備だと、その魔力量の1/10くらいが必要になるんじゃないかとおもいます」


「1/10でも5000~6000か・・・。

 それってけっこう大きな魔力量になるのか?」


「賢者クラスの魔術使いさんで体内魔力量が1万前後くらいみたいですから、それなりの魔力量ですね。

 でもオーナー様の体内魔力量も結構大きめで、5000~6000くらいはありますよ?」


「おっ、そうなのか!」


自分の魔力容量が標準的な人間よりも大きいと聞いて、ちょっと嬉しくなる。


「はいっ。

 女神様が張り切っていぢっていましたからっ♪」


なんだろう・・・

その事実を知ったら、嬉しさが一気に半減した・・・・。


「なので・・・」


レガ子が俺の目をまっすぐ見つめる。


「オーナーさまのドライビンググローブを貸してくださいっ!」


・・・・

・・・・・・・


「くんか、くんか、するのか?」


「しませんっ!!」






「ではオーナーさま、ドライビンググローブをイベントリの中に入れてください」


今や異世界版レガシィの中枢システムと化してしまったナビ画面に手のひらを当てたレガ子が指示を出す。

俺はその指示に従い、愛用の牛革製ドライビンググローブ(指空き)をイベントリの中に突っ込んだ。


すると、レガ子が手を置いているナビ画面が青白く光りだした。

同時にイベントリの出入り口であるラゲッジボックスも青白く光りだす。


レガ子は今、ナビ画面から自身の魔力を送り込んで、亜空間庫の中でドライビンググローブの構造を作り変えているらしい。

装備や武器などのアイテムをクリエイトするためには、より具体的に創るモノをイメージする必要があるらしく、クリエイトに集中しているレガ子の表情は真剣そのものだ。


ただ、時おり「あれれ?」とか呟いているのが気になるが。


俺の愛用グローブ、壊さないでくれよ。



そして待つこと10分。

〝チーン♪〟という気の抜ける音とともに、ドライビンググローブが亜空間庫から飛び出してきた。

このアホみたいな動作音は、間違いなく駄女神のお遊びだろう。



レガ子によって生まれ変わったドライビンググローブをじっくり眺める。


元は黒色だったものが、赤黒い色合いに変化しており、牛革の表面にはうっすらと魔術紋様のようなものが刻まれていた。


「オーナーさま、手にはめてみてください」


言われたとおりグローブをはめる。

もともと使い込んでいたものだったので、しっくりと手になじむ。


「どうです?」


「どう・・・と言われも、何が変わったのか分からないのだが・・・」


「とりあえず、外の茂みに向かって手のひらをかざしてもらえますか?」


「こうか?」


レガ子のいうとおりにレガシィの脇にある茂みに手をかざしてみる。


「そうしたら、その手に魔力を集中するイメージを思い浮かべてください」


魔力を手に集めるか・・・

試行錯誤しながら、そのイメージをつくりあげていく。


「こうかな?」


すると、グローブに刻まれた魔術紋様が薄く光り始めた。


「その状態でこの子レガシィの防御障壁と同じものを目の前にイメージして作ってみてください」


目の前の藪の中に、カイトシールド大の盾をイメージの中につくっていく。

すると、イメージした辺りにあった藪がちぎれて外側に弾け飛んだ。


「これ・・・は?」


「オーナーさまのイメージをグローブが読み取り、体内の魔力を変換して防御障壁を生み出しました」


「つまり、このグローブをしていれば、俺にも防御魔法のようなものが使えるようになるのか?」


人生初の魔法行使に感動し、防御障壁を乱発して周囲の藪を吹き飛ばしまくる。

そうしているうちに、吹き飛んだ藪の茎が鋭利な刃物で斬られたような状態になっていることに気がついた。


「あ、オーナーさまも気がつきましたか?

 どうやらこの防御障壁は空間に次元的な断層を生み出して防御を行う仕組みらしいんです。

 なので、防御障壁を物質の中にイメージしてしまうと・・・」


レガ子の言いたい事がなんとなくわかり、今度は少し離れたところにあった岩に向かって障壁を作ってみた。

ただし、障壁を出すのは岩の中心部だ。


障壁を実行すると、岩の中央に垂直な亀裂が入り、その外側部分が粉々になって吹き飛んだ。


「これ、もしも対人戦闘の時に間違えて人間の中に障壁を出してしまったら・・・・」


「間違いなくスプラッタですねっ♪」


さわやかな笑顔で、かなり怖いことを言うレガ子。

でも、確かにこの力は戦闘になった時かなり役立つはずだ。


スプラッタはあまり見たくないので、極力早めに防御するようにしよう・・・


「防御障壁の形状はイメージする力で変化させることができます。

 なので、例えば手に握ったナイフの刃先にまとわせて攻撃の補助に使うことも可能だとおもいます」


それは心強いな。

正直、サバイバルナイフ1本でどうしようか悩んでいたんだよね。


「右手でナイフへの補助をしながら、左手で防御を使うこともできるのか?」


「可能だとおもいますよ。

 ただ、並列処理のイメージ運用とか、魔力運用とかのトレーニングは必要になるとおもいます」


さすがに簡単に使いこなす・・・というわけにはいかないようだ。

ま、イメージ力はオタクの得意とするところだし、訓練しだいで何とかなるだろう。


「ちなみ運用時の魔力は、オーナーさまからの分は3割くらいで、残りはレガ子の魔力を供給しています。

 なのでオーナーさまは魔力消費を考えずに戦ってください」


え・・・・

いくらなんでも、そこまでレガ子に甘えるわけには・・・


「レガ子は、オーナーさまを守りたいんです。

 だから気にしないでくださいっ」


その笑顔を見たら、俺のことを想ってくれるレガ子の気持ちに水を差すのも野暮だと思えた。

なので、レガ子の頭をなでながら、俺も笑顔で

「ありがとうな。大事に使うよ」

とだけ返すことにした。




レガ子がクリエイトしてくれたグローブを感慨深く眺めていると、横にいるレガ子の笑顔が嫌な感じの笑みに変化していることに気がついた。

あれは、間違いなく妙なことを考えている時の顔だ。


「あとグローブに防壁や魔力をまとわせて、殴った時の破壊力を増すこともできます。

 なので・・・

 オーナーさまが大好きな、物理で殴りあう魔法少女ごっこもできますよっ♪」


おぃ・・・


「なんなら、魔法少女の衣装もクリエイトし・・・」


「いらん!!」


「きゃ~~♪」


だいたいお前は30男の女装コスが見たいのか?(汗。


ただし、その戦い方は採用させてもらうことにするが。




それから数日後、野営中の茂みの中で「覇○ 断○拳!」とか叫びながら某魔法少女の必殺技を真似た中二病ごっこがレガ子に見つかりニヤニヤされてしまったのだが、それは別のお話ということで・・・(汗笑。

物理で殴りあう魔法少女といえば、ただいま新シリーズが放映中のアレですね。

そういえば今期は録画したアニメを何も見ていない・・・・(涙。

そろそろ見ておかないと、消化できる時間がなくなりそうな悪寒が・・・(汗。

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