第1章 第3話(第10話) ~俺はレガ子の部品で、レガ子は俺の・・・・~
まさか本日2回目の更新ができるとは思っていませんでした♪
これはレガ子があまり暴れなかったことが勝因なのか?(マテww
前回のお話は・・・・
愛車がスキル獲得で足回りの形状が大変化!
元の世界の友人たちは、主人公の異世界移動に半信半疑。
そして主人公は童て・・・・(ごほんごほん。
愛車だけでなく、レガ子もレベルアップしていたことが分かり・・・。
「この子と一緒にレガ子もレベルアップしたんですけれど、成長スキルの割り振り方を一緒に考えてくれませんか?」
「わかった。
一緒に考えてやるから、スキル画面見せてくれ」
そういえば、俺自身にはレベルアップとかはないのだろうか?
レガ子と一緒に異世界に来たのだから、そういった恩恵があってもよさそうなのだが・・・。
手伝ってもらえることを知り、嬉しそうにナビモニターのほうへと飛んでいくレガ子。
やっぱソレを使ってスキルアップ操作するのね・・・。
レガシィ中心のシステムデザインに苦笑いをしながらレガ子の後を追いかけ、ナビの画面を覗き込むと、そこに表示されていた内容に驚いた。
「な・・・
何じゃこりゃぁぁぁぁ!」
レビの画面にはレベルアップ適用者の名前とレベル、獲得スキルポイントなどの情報が表示されていた。
そしてそこにはレガ子の名前の他に、俺に名前も表示されていた。
それはいい。
それはいいのだが・・・・。
問題は、俺の名前の後に記載されていた個体情報の内容だ。
【レガ子(種族:八百万の精霊、職業:痛い子)】
【獲得ポイント:4ポイント(合計:4ポイント)】
【如月薫(種族:自動車部品、職業:ドライバー)】
【獲得ポイント:2ポイント(合計:2ポイント)】
俺の種族表示が〝自動車部品〟ってどういうことだ?
俺、いつ人間を辞めたんだ?(涙。
あと、レガ子の職業もけこう扱いがヒドイ。
(当たってはいるが・・・)
このシステムを考えた女神は、やはり遊んでいるとしか思えない。
「なぁレガ子・・・
コレってどういうことなんだ?」
自分の種族表示部分を指さして、レガ子に問いかける。
するとレガ子はバツが悪そうな表情を浮かべて、あさっての方向を見やがった。
こいつ、何か知ってやがるな・・・
あまりにも露骨すぎるレガ子の態度に確信めいたものを感じた俺は、胸から伝家の宝刀を取り出しレガ子ににじり寄る。
反対方向に逃げ出そうとするレガ子の後頭部を左手で鷲掴みにして引き寄せると、ガラの悪いチンピラよろしくスマホの角をレガ子のおでこにコツコツと当てながら追い込みをかけていく。
「あぅ、あぅ、あぅ・・・・・」
パーの形に開いた両手を交差させながら前に出し、涙目でイヤイヤをするレガ子。
ほんと、なんでコイツはこんなにも嗜虐心をそそるのだろうか?
このままの勢いで、スマホケースの角にワンピースのボタンを引っ掛けて、一個ずつ弾いていきたい衝動に駆られるが、それはグッと我慢する。
というか、そこまでやると逆にレガ子を喜ばしてしまいそうだ。
「で・・・
お前は何を知っているんだ?」
「えっとですね・・・
怒らないで聞いてくださいね?」
レガ子は観念した様子で、異世界召喚時に出会った女神とのやり取りを話し始めた。
「女神様にお会いしたとき、〝オーナー様と離れたくないっ〟って願ったって前に言ったじゃないですか。」
「たしかにそんなことを聞いたな」
「そうしたら女神様が・・・
『じゃぁ、そこで気絶している彼、この子のパーツとして登録しちゃいましょう♪』
って提案してきて・・・」
おぃおぃおぃ・・・・。
「あと・・・
『そうすればレガ子ちゃんと彼は一心同体、一蓮托生の運命共同体になるのだから、もはや結婚したのと大差はないわ』
という魅力的な内容だったので、おもわず飛びついちゃったんです」
なぁ女神様とやら・・・
それってもう一方の運命共同体である俺の意思は確認しなくていいのか?
たぶんこの俺への仕打ちに対してレガ子に悪気はない。
ただ純粋に俺と一緒に居たいと願っただけで、女神の提案に乗ってしまたことも他意はないだろう。
となると、諸悪の根源はやはりあの女神だ。
ここまで来ると悪霊の真似をして俺を脅かし、気絶したところを異世界に連れ去ったことすべてが計算づくだったのではないかと疑いたくなってくる。
しかし、昨晩レガ子が言っていた〝オーナー様とレガ子が離れられないように手を打ってくれました〟というのが、まさかこういう意味だったとは・・・。
「はぁ・・・・」
やはり女神の株価が上昇したのは幻想だったようだ。
今この瞬間、俺の中で女神の株価はストップ安を通り越して〝駄女神の最底辺〟にまで大暴落した。
とりあえずレガ子を解放、自分の胸に手を当てる。
よかった、心臓の鼓動はある。
機械の体にされてしまったとかではなさそうだ。
「で?
お前は自分のスキルをどう育てたいんだ?」
アームレストの上で体育座りになって意気消沈しているレガ子に身体を寄せ問いかける。
少々言い方がぶっきらぼうなのは、さっきまでレガ子に怒っていた手前、すぐに優しくするのが恥ずかしいからだ。
「オーナーさま、レガ子のことを許してくれるのですか?」
最初の約束どおりレガ子の相談に乗ろうとする俺に、半べそ状態だったレガ子が驚いて俺を見上げた。
「あぁ・・・悪いのは駄女神。
レガ子はギリギリ無罪。
とりあえずはそういうことにしておく」
素直に〝レガ子は悪くない〟と言えないのは、完全に俺のテレだ。
「オーナーさま、大好きです♪」
泣いた顔がもう笑った・・・。
そんなことを、俺の首に抱きついてくるレガ子を受け止めながら思った。
俺のことを純粋に好いてくれる女の子。
そんな女性に元の世界ではまったく縁がなく、異世界に来て縁が生まれる・・・
そんな運命も悪くないかもしれない。
「で、レガ子思ったんですけれど、今の状態だと〝敵〟に遭遇した時に対抗手段がほとんどないですよね?」
「まぁ武器らしい武器といえば、キャンプ用に持ってきていたサバイバルナイフくらいしかないしな」
他にもバーベキュー用の鉄串とか、包丁とか使い方によっては武器になりそうなものはある。
あと、キャンプ仲間でサバイバルゲームをやる予定だったので、電動エアガンとかガスガンとかも積んでいるが、殺傷能力はないしなぁ。
殺傷能力がないといえば、痛車イベントの展示で飾りに使った模造刀もあったな。
これなら鈍器替わりに使えるか?
「なので、最初の4ポイントは全部このスキルに割り振ろうと思うんです」
レガ子の指が指していたのは【武装クリエイト能力:4ポイント】という項目だった。
スキル解説を読むと、魔力と経験値を使って頭の中に思い浮かべた武器を創造することが可能になるらしい。
ただし創造できる武器は現在レベルや思い浮かべるイメージの強度で大きく左右されるともある。
また、創造に消費される魔力や経験値も、生み出す武装によって大きく異なる。
おそらくレベル2になったばかりのレガ子には、強力な武器を創造することはできないだろう。
それに創造に経験値を消費するということは、今は横並びでできているレベルアップが、使ってしまった経験値の分だけレガ子が遅くなるという事を意味している。
「これは便利な能力だけれど使いどころが難しいぞ?
武器の創造ばかりしているとレガ子が成長できなくなる」
「うん・・・」
「それに今の俺たちが持っている経験値は10だけだ。
これっぽちの数値では、スキルを獲得しても創造なんかできないんじゃないか?」
「うん・・・」
「だったら、今はレガ子の成長に役立ちそうなスキルを選んだほうが・・・」
「でもっ!」
いままで俺のアドバイスに俯いて返事をするだけだけだったレガ子が突然顔を上げ、真剣な眼差しで俺を見た。
「でもレガ子は、オーナーさまを守ってあげることができる力が欲しいんです!
だって・・・こんな異世界に連れてきてしまったのはレガ子のせいなんだし・・・」
そこまで俺のことを考えてくれた末の選択であれば、俺にそれを否定することなど出来はしない。
「わかった。
レガ子の好きにするといい」
言葉とともに、レガ子の頭を優しくポンポンと叩き、了承の意を伝える。
それでもレガ子の表情はまだ冴えない。
「ごめんなさい。
相談にのって欲しいとかいったのに、自分で勝手に決めちゃっていて・・・」
ほんと、レガ子は良くも悪くも純粋で素直すぎる。
「俺のために決めてくれたんだろ?
だからレガ子が気に病む必要なんかないさ」
俺を見つめながら頷くレガ子の表情が少し明るくなる。
「だったら、さっさとスキル獲得して来いっ!」
言葉に合わせてレガ子のオデコを指で優しく弾く。
するとレガ子は、オデコを両手で押さえながら・・
「はいっ♪」
と満面の笑顔で返事をして、操作モニターへと向かっていた。
さて・・・
俺はスキルポイントをどう使おうか・・・・。
やっとあらすじで明かしていた、主人公がレガ子の部品扱いという設定部分まで物語が進みました(汗。
予定では異世界での最初の1日分・・・ガソリン補給の謎が明かされるところまでは、じっくりと物語が進行していくのではないかと・・・(苦笑。
女神様は株が大暴落。
このまま整理ポストに入ってしまうのでしょうか?(こらこらwww