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#2 仕事仲間

#2 仕事仲間



「高山さん、大変お待たせしました!メールいただいてた分、ここにファイリングしてありますんでよろしくお願いします!...

ほんと遅くなって、ゴメン。」

松谷さんとは、佐々木さんの異動後しばらくは週2ペースで会う機会があった。

1ヶ月もすれば、歳も近い事もあり、

かなり親しくなった。

仕事の会話はお互い敬語になるけど、世間話になると自然と馴れ合った言葉になっていた。


松谷さんは、私が学生時代に好きなタイプだった細い切れ長の目で、太ってはいないけれどそれなりにガッチリとした身体つきの男性。

もちろん、それなりに異性としての意識はしていた。笑った顔も、しかめっ面の顔も、見ていて心地良かった。

『そういえば、松谷さんって下の名前、晃一(こういち)って言うんだね。こないだのメールの返信で気付いたんだぁ。』

「名刺交換もしてなかったもんね。そうですよ!俺も、高山さんって下の名前、紗友美(さゆみ)なんだ〜かわいいなと思ってたんだよ。ははは。」


この、彼の放った何気無い かわいい に、

ときめいていたのは事実。

未だにその時のときめきは覚えている。


「じゃあ、お疲れさま!また。」


世間話をするようになったとはいえ、

私たちがそれ以上に発展する事はなかった。

ご飯の約束もしていないし、プライベートの連絡先すら知らない。

聞こうかと思ったりもしたけれど、やめた。

なぜか?

私には、付き合って1年の彼氏がいたからだと思う。


仕事熱心で、見てる限りでは人望も厚く、私と同じ喫煙者なあたり、本当にこの頃から惹かれるものはあった。タイプだし。


彼氏は、非喫煙者で、私がタバコを吸う事をあまり良く思っていないから一緒に居る時は吸わない。それは、苦痛でもあった。



仕事で交流するようになって2ヶ月程経った頃、

珍しく松谷さんがうちの会社へ顔を出した。

その時に松谷さんが喫煙のため屋上に上がってきて、そこに私がいた事で初めて、私も喫煙者だと知った。

「吸いそうな顔だとは思ってた(笑)」

『え!何かそれヤダー(笑)』

彼の、タバコに火をつける瞬間が私の眼にとてもかっこ良く映った。


仕事の話がほとんどだったけど、

あの頃はそれで満足だった。

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