好きな人の好感度を上げる方法を熟知している僕に彼女が出来ない件について
皆さんは恋をしたことがあるだろうか、
多分ない、という方が希少ではないだろうか。
そして、今これを呼んでいるあなたもきっと恋をしているのだろう。
俺、山田 シンタ 現在29歳は中学2年の夏に恋をした。
それからと言うもの相手に気に入られようとあの手この手でアピールしたが、結局振り向きさえもしてもらえなかった。
そんな時だった、俺が心理学に興味を持ち始めたのは。
この悔しさを無駄にしないよう、俺はあらゆる心理学の本を読み尽くした、
……そして俺は、ついに心理学マスターとなったのだ!!
決してもう誰にも振られやしない!!
異性から同性まで好かれる人と俺はなってやる…!!
【…これは、心理学を信じ込みすぎて空回りし続ける男の勇姿のストーリーである】
1.ラクにモテようとした山田。
【落ち込んだ気分を変えるには編】
そう、あれは大学生の時だった。
俺は、幼なじみの細田 ミツルと昼飯を食っていた。
母親特製の弁当をほおばりながらミツルがこんな話を持ちかけた。
「山田ー、まだ彼女できねぇーのか?」
「あぁ、そう言うお前は?」
「もちろん!いるはずねぇーだろ!!」
…ドヤ顔で言うなよ、ドヤ顔で、
「それでなんだがー……、お前と俺。どちらが先に彼女を作るか勝負しねぇーか?」
軽く持ち出したミツルの案に俺は、少し間を置いて答えた。
「……それは、俺が心理学を熟知しているのを知っての挑戦か?少年よ、」
少し勝ち誇った笑みを浮かべる俺に、相手もそれなりの返答をする。
「……あぁ、勿論だとも。お前が彼女が出来たことがないのを知った上で……、の間違いだがな…。」
それを言うんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!!!
俺の痛い傷をえぐってくれるなぁぁぁぁ!!!!
「…っ!受けて立とうじゃないか!!!」
「よし、決まりだっ!負けた方は勝った方に1年間昼飯奢るってどうよ??」
い…1年間…だと……、それは家計的に厳しい…!!
「は、半年にしないか…?」
「あっれぇー?自信ないのかなー??心理学を熟知してるんでしたっけー??」
くっ…!
「ぜ、全然余裕だし…!!後で泣きながら半年にしてくれって言ってもだめだかんな!!」
「望むところだ(笑)」
こうして俺とミツルの闘いが始まったのだ。
あー…憂鬱だ、何でこんな賭けに乗ってしまったのだろう…。
こう言うときはアレ、だな。
『冷たい水で顔を洗う』といい。一気に後悔が押し流されるらしい。
気分が落ち込んでいるとき、人間は同じことをグルグルと考えてしまう傾向が強い。
だが、顔は全身のなかでも一番感覚が鋭敏な場所なので、冷たい水で顔を洗うと一気に思考から身体へと感覚のスイッチが切り替わるのだ。
すると、あたかも落ち込んでいた記憶や思考が押し流されたような錯覚が発生して、結果として、自然に気分も変わってしまう…。
…と言うことだ。
あたかも当たり前のようだが実は心理的な問題なのだ。
ぜひ、皆さんも落ち込んだときに試してほしい。
【次回、相手が自分をどう思っているかわかる編】