レイについて その2
いなか町に引っ越して1年がたったある日、近所に住むひいおばあちゃんが突然亡くなった。
レイの情緒がかなり不安定になり、突然泣き出したり、できることができなくなったりした。
そんな時の年中組への進級。
しかも、児童数が少ないから年長組との複式学級。
担任は赴任してきたばかりの先生。
レイは、先生との認識が出来ていなかった。
他の子よりもできないことが多く、先生に指摘されることが多くなってきた。
同時に心配な行動が出てきて不安になっていた頃、3歳児検診があった。
レイは身体測定で全裸になるのが嫌で1時間以上泣き続けた。
どうしても全裸にならないといけないと言われて、機嫌をとりながらみんなが終わる頃やっと身体測定ができ、全部終わる頃には数時間が経っていた。
ここでも、レイの発達の遅れを指摘された。
でも、年齢的に個人差の範囲内なこともあって、すぐにどうこうはなかった。
が、保健師さんが1度保育園への聞き取りに行き、普通に応対もできてるから大丈夫だろうと言われた。そこで、安心した。
それから数ヶ月がたった頃、保育園でのレイの様子に担任の先生や副園長先生たちが心配になり、児童相談所での発達検査を受けることになった。
そのときのレイは、いつもはしない挨拶をきちんとしていた。
担任の先生と保健師さんが同行して児童相談所の人との面談中、レイは、1人別室で発達の検査を受けていた。
結果は、年齢よりも1歳以上も発達しているが、集中力が無いこと、手先が不器用。とのことで、半年後の町の就学前の育児相談会に参加することを言われた。
この相談会は、教育委員会と特別支援学校が主体の相談会でレイのように発達が心配な子供の進学相談と発達の検査の場だった。
年中の1月から年長組とクラスを分けて保育することになった。
レイは、担任の先生が、代わったことについては特に気にならなかったようだったけど、構ってくれてた年長さんたちと別れたのが理解できなかったみたいで、混乱していた。
そんなレイも年長になり、年中さんとの複式学級。お兄さんとして張り切っていた。
担任の先生は入園の時からいた先生。
年少の時の担任の先生が副園長になって、フリーな状態でサポートに入ってくれるようになった。
町の就学前の相談会の日、夫も一緒に参加してくれた。
前回よりも詳しい聞き取りがあって、行動面、危機感は2歳児並みだとわかった。
発達の検査を受けるときも夫から離れず夫が検査室の入口まで付き添って行った。
結果は、知能指数は120以上。
理解力は五歳ながら、小学3年生以上だけど、じっと座って受けることが出来ないことから中断した、通常学級での授業はまず無理。自閉症児向けの情緒学級がいいのではないかと言われた。
教育委員会の担当者からは、レイくんにとってベストな方法を一緒に考えましょう。といわれ、数回後に再検査を受けることになった。
今度は、保育園の空き部屋を借りて、支援学校の担当の先生と受けた。
わたしと夫は、検査後呼ばれ、
「今回は、慣れた場所だったこともあって1時間、座って受けることができました。環境を整えてあげたら通常学級でもいけるかも。」
「基本的に能力は高いです。でも、苦手なことが年相応でも、バランスの悪さが目立って周りから受け入れられ難いんです。」
と、言われた。
夫は、通常学級を希望していた。
わたしは、どちらがレイにとっていいのかわからなかった。
レイの入学する南小学校の新入生はレイを入れても5人。そのうち3人は同じ保育園からの子達で、ありのままのレイを受け入れてくれている子供達ばかり。
それを考えると、通常学級で試してみたい。と、思うようになり
この春、レイは通常学級での入学が決まった。
とりあえず、レイの状況を書いてみました。
次からは、レイ自身について書いていきたいと思っています。