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レイの環境について その1

わたしと息子のレイについて、

レイは、みんなとは成長の仕方が少し違う。

最初に言われたのは、一歳半検診でだった。

離乳食が、ほぼ終わりの頃、レイは、お肉が上手く食べられなかった。

検診では、百人近い自分と同じ子供を見てエレベーターを使って逃げようとした。検診の間もじっとできなかった。

でも、わたしは、いつもと違うから落ち着かなかっただけだと思っていた。

1歳ころから通ってる託児所では喋れないながらも、それなりに先生や他の子供達とのコミュニケーションも取れていたと思っていた。

2歳になって、保育園に入園した。

少し、お友だちとの関わりに消極的なようだった。

迎えにいくといつも、担任の先生に抱かれて泣いていた。

家では元気な普通の子供だった。

でも、移動するとき以外の抱っこは嫌なのか、あまり抱っこをしたがらなかった。

単語も少しづつ話せるようになって、少しづつ意思の疎通ができるようになってきた。

レイはオモチャも単純な物を好み、赤ちゃんのおもちゃが良かったようだった。

2歳半頃、夫の仕事の都合で夫の実家のあるいなか町へと引っ越すことになった。

この時、レイをどうするかすごく悩んだ。

保育園にやっと馴染み始めた頃だったので、わたしは引っ越したくなかった。でも、夫はレイを連れていなか町へ先に帰ることを決めていた。

わたしは仕事を辞めることができず、別居することになった。

わたしは、自宅の隣の市にある実家に移り、レイを引き取るつもりだったが、職場より保育園が遠く、転園もできなかったから、夫の言うとおりになった。

半年ほどの別居中、わたしは休みの度に夫の実家に片道二時間かけて通った。

今まで、あまり会ったことの無いおばあちゃん達との生活はレイにとっても大変だったと思う。

知らない人ばかりの生活。初めの2ヶ月くらいはおじいちゃん、おばあちゃんたちとの関係を築くことからだった。

おじいちゃんの仕事が休みの時は一緒に遠出したり、近所の公民館で地区の催しがあるときはおばあちゃんに着いていって、お年寄りと一緒に体操したり遊んでもらったり。

この頃から、レイの表情が豊かになってきたように思う。同時に言葉もたくさん覚えてお話も上手になってきた。

秋になり、レイを保育園に預けることになった。

役場に行くと、町内の保育園はどこも待機児童もいないから、いつでも入れると言われた。

通える保育園は2つしかない。

夫やおじいちゃんの通勤途中の町内で一番子供のいる保育園と、反対方向の保育園。

反対方向の保育園は、ギリギリ通園バスが止まると言われた。

もうひとつの保育園は通園バスが来ていない。

反対方向の保育園にした。


夫の実家は海水浴場の目の前にあって、町自体も大きな地震が来たら津波の被害が全国一大きいと言われている。どちらの保育園も高台にあるが、反対方向の保育園のほうが少人数だったことと、バスで通えるので車に乗れないおばあちゃんの送迎が楽なことが決め手になった。


初日は、夫とおばあちゃんが保育園まで一緒に行ったら別れるとき泣いたらしい。でも、夫たちの姿が見えなくなると泣き止んでお友だちに構われながら過ごしていたらしい。

帰りは通園バスに乗ってごきげんだったとおばあちゃんが言っていた。翌日からは、笑顔でバスに乗って通園して、保育園にもすぐに慣れた。

前の保育園は最後まで慣れなかった。

人数も10人くらいで少ないのが良かったのかも知れない。


年が明けると、仕事を辞めることができたわたしもレイと同居するようになった。

すると、レイは、ご飯を食べられなくなった。

おばあちゃんが作ったものも、わたしが作ったものも食べず、保育園でも給食を食べなかった。

担任の先生には、わたしが「帰って来たから食べなくなった。」と言われた。少し、悲しかった。

でも、何かは食べさせなければいけない。レイが食べないときは好きな果物やプリン、ゼリーを出して食べさせた。

ご飯を食べさせたくて、わたしはかなり躍起になっていたと思う。

おばあちゃんに、「無理やり食べさせるとご飯を食べることが嫌になる、少し様子を見なさい。食べたくなったら食べるから。」そう言われ、ご飯をなんとか食べさせようとするのをやめてみた。

1週間位したら、少しづつご飯を食べるようになってきた。

保育園では、他の子供達の4分の1を食べたらごほうびにバナナを食べさせていたらしい。


このころ、夫の実家の近くに家を借りて以前の家族3人の生活に戻った。

家は、レイが下見に行った時に気に入ったところになった。

そうして、おばあちゃん達とわたしたちとの家を行き来する生活に落ち着いた。


読んでいただきありがとうございます。

長くなりましたので、ここらで一区切り。

まだしばらくお付き合いくださいませ。

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