嫁入り前狐とお人形さん
朝、晴れた空に雨が降る。
にんげんさんはこれを『きつねのよめ入り』と、とてもロマンチックに呼ぶのだけれど、わたしたちは別の呼び方をする。
しとしとと降って、大地をぬらす。『芽吹きのつづみ』と呼ぶそれは、小さな雨粒達が土をトントンと叩いて鳴らして、土の中に眠っている種を目覚めさせ、芽吹かせてくれることからきている。
わたしたちでもなければ音として聞こえないくらいの小さな音だけれど、確かに草木を芽吹かせてくれる、そんな優しい雨音が聞こえるのだ。
冬の朝は、とてもつめたい。
わたしがよく見かけるにんげんさんは、あったかそうな毛皮を生やして、ふかふかと歩いていく。
まっしろな息をはきながら、たくさんの友達と一緒に歩いて。
そんなにんげんさんたちを見送りながら、わたしは雨の降る朝をゆったりとした気持ちのまま過ごす。
空はとても青くて、よごれ一つ無くって。
ひげの先にピンとくる感覚は、にんげんさんにもわかるだろうか?
朝、目がさめると小さな白いシモがまつげについているのは、自分でもちょっとはずかしく感じてしまうのだけれど。
そんな寒い朝だけど、こうやってどこかへと並んでいくにんげんさんたちを見るのは、楽しい。
「――ひっく」
そんな中、とっても小さなにんげんさんが一人、草の中でしゃがみこんでいた。
最近ではあんまり見ない、ひらひらとしたドレス。
金色の毛皮に真っ赤な布をつけた、私より小さなにんげんさん。
「そんなに泣いてしまって、どうしたというの?」
泣いている子を見るのは、ちょっと悲しい。
だからわたしはその女の子の近くに寄っていって声をかけ、ぺろり、ほっぺたをなめてあげる。
「ひっ――あ、いやっ」
小さなにんげんさんは、自分より大きなわたしを見て食べられるとかん違いしたらしい。
綺麗なお顔を真っ青にしながら、わたしから逃げようと、まるでわたしたちみたいに四足で走ろうとする。
「あうっ――ぐべっ」
そして、ろくに走れずに倒れてしまった。
しかたないのだ。にんげんさんはわたしたちと同じようには走れないのだ。
にんげんさんは、後ろの二つの足で走って、前の二つの足で器用にご本を読んだりご飯を食べたりする。
わたしたちもご本を読んだりご飯を食べたりはできるけれど、にんげんさんほどうまくはできない。
にんげんさんはすごいのだ。だからわたしたちは大好きだった。
でも、にんげんさんはわたしたちのように走るのが、そんなに得意ではないらしいのも知っていた。
ネコが木に登るのが得意でも泳ぐのが苦手なのと同じで。
イヌが泳ぐのが得意でも寒いのが苦手なのと同じで。
にんげんさんは、走ることがとても苦手なのだ。
きっとこの小さなにんげんさんもそうなんだろうけど、とっさの事で忘れてしまったに違いない。
「大丈夫?」
倒れてかくかくと震えているにんげんさんの頬を、またなめてあげる。
さっきより優しくだ。もしかしたら、強くなめ過ぎていたのかもしれない。
大きなにんげんさんはこそばゆそうにするだけだったけれど、なにせわたしより小さなにんげんさんだ、大変な力のように感じてしまったのかもしれないと、今になって気づいたのだ。
「い、悪戯しないで……壊れちゃう……これ以上されたらほんとに壊れちゃうよう」
にんげんさんは、倒れたままわたしを見上げながら、真っ青になったお顔をぐしぐしとこする。
なんでそんなに悲しそうな顔をしているのか、なんでわたしをそんな眼で見るのか。ちょっとだけ悲しい気持ちになる。
「だいじょうぶだよ、わたしは食べたりしないわ。にんげんさんを食べたりしない」
怖がられてしまうのは悲しい事だけれど、私はそんなに怖い子じゃないんだよ、って、わかって欲しかった。
わたしはへいわしゅぎしゃな子だ。争いは好まない。
わたしはのんびりとしたのが好きだった。
にんげんさんとも、この小さなにんげんさんとも、仲良くしたいと思っている。
「う、嘘よ。そんなこと言って……またあのカラスや猫のように、私の足や髪の毛を千切っていくつもりなんだわ!」
にんげんさんは、どこか怒ったように、わたしの顔を指差す。
小さな綺麗な指。だけれど、言われて見て初めて気が付いた。
にんげんさんの後ろ足、一本、欠けてる。痛そうだった。
キラキラと輝く毛皮も、どこか乱暴にされたのか、毛並みがそんなによくない。
ネコは、自分より小さな動物をいじめるわるい癖がある。
美味しいエモノを捕まえるための大切な鍛錬でもあるのだけれど、このにんげんさんみたいに小さな子を見ると、つい追いかけていじめてしまうらしい。
自分達でも解ってはいても、それでも直せないのだと、この前チヨちゃんちのトラさんが言っていた。
カラスは、わたしたちでもからかわれてしまうことがあるくらい、頭のいいひとたちだ。
スズメやハトなんかと違って、まるでにんげんさんのような言葉で話したり、にんげんさんの扱う道具を使ってしまったりできる。
それから、ネコでもかなわないくらいに強い。
空から飛びかかってきて、つんつん突っつかれたり、爪で引っかかれたりする。
わたしも一度怒らせてやられたことがあるからわかるけど、すごく痛い。それから悲しかった。
チヨちゃんちのトラさんが言うには『キラキラ光るものが好きらしい』ので、多分それでにんげんさんの毛皮が狙われたんだと思う。
「わたしはネコでも、ましてやカラスでもないよ。にんげんさんとは仲良くしたいよ」
わたしは、そういう人たちとは違う。
にんげんさんと同じで、にんげんさんにひどい事をしたりしない。
だって、にんげんさんは大好きなのだ。わたしにご飯をくれたりする。
頭をなでてくれたり、ニコニコ笑顔で話しかけてくれたり。
わたしは、そんなにんげんさんたちが大好きだ。
「……にんげんさん? もしかして貴方、私の事をご主人様とかと同じだと思ってるの……?」
にんげんさんは、わたしの顔を見て不思議そうな顔をしていた。
わたしもわからない言葉がでてきて、「ううん?」ってなってしまう。
「ごしゅじんさまって、なあに?」
「人間の事よ。さっきまで……その辺を歩いてたじゃない」
「おっきな方のにんげんさんのこと?」
「……そうよ」
どうやら、おっきなにんげんさんと、この目の前にいる小さなにんげんさんは違うらしい。
わたしは首をひねりながら、小さなにんげんさんの匂いをかいでみる。
「ちょ、ちょっと……や、やめてよ。もうお風呂入れてないし、におい嗅がないで……」
顔を赤くするにんげんさん。やめてと言われたので、嫌われたくないのでやめることにする。
でも、ちょっと匂いをかいだけど、このにんげんさん、別に臭くない。
それに、匂いをかいでもやっぱり、あの大きなにんげんさんたちと同じ匂いがするのだ。
おかげで余計にわからなくなってしまう。
「おっきな方のにんげんさんと、同じ匂いだよ?」
「そ、それは……ご主人様の匂いが、きっとそのまま……ごにょごにょ」
にんげんさんはわたしの顔を見ようとせず、ぽそぽそと何か言っていた。
こういう仕草、見たことある。
やっぱり大きな方のにんげんさんの、女の子が見せる仕草だ。
大体男の子を待っていて、きてくれた時に見せてくれるお顔だった。
でも、ようやく落ち着いてくれたらしいその小さなにんげんさん。
足の欠けたあたりをさすりながらも、わたしをじ、と見上げて、見つめてくれるのだ。
「本当に、私にひどい事、しない……?」
「うん。ひどい事、しないよ」
「いじめない? 悪戯して、身体を引きずり回したり、手足を千切ろうとしたり……しない?」
「ぜったいにしないよ。わたし、そんなひどい事しない」
じ、と見つめながら、小さな唇が、可愛らしい声を紡ぐ。
私は、そんなにんげんさんの言葉を聞いて、真面目に答えていく。
「……本当に、本当?」
「本当だよ。わたし、にんげんさんと仲良くしたいもん」
「お人形とも、仲良くしてくれる……?」
「おにんぎょう……?」
「私の事よ。おにんぎょうでも、仲良く、してくれる……?」
おにんぎょうっていう言葉はよくわからないけれど。
この小さなにんげんさんが、そのおにんぎょうという人なのなら。
もちろん、わたしの答えは決まっていた。
「もちろん。にんげんさんがおにんぎょうさんでも、仲良くするよ」
わたしは、泣いてるこの子を笑わせてあげたかった。
にんげんさんなら、わたしはきっと、笑わせてあげられる。なぐさめてあげられる。
だから、この子が笑えるならそれでいいのだ。
「……うん。ありがとう。狐さん」
それから、おにんぎょうさんはわたしに笑顔を見せてくれた。
とっても綺麗で、可愛らしい笑顔。
毛皮はぼろぼろだけれど、それでも、お顔は綺麗なのだ。
にんげんさんをそのまま小さくしたような可愛らしいその笑顔を、わたしは一目で大好きになってしまった。
それから、わたしとおにんぎょうさんは二人でお話をしていた。
おにんぎょうさんは『シルヴィ』というお名前で、にんげんさんの女の子とお友達だったのだけれど、はぐれてしまったらしい事。
草むらの中、寂しくてどうしたらいいか分からずにうろうろしていたところを、カラスとネコに意地悪された事。
そうして動けなくなって困っていたところに、わたしが現れたのだという事も、お話の中で聞かされた。
「シルヴィは、足が千切れてしまっても痛くないの?」
わたしは、千切れたままのシルヴィの後ろ足を見て、ちょっとだけ悲しい気持ちになりながら心配していた。
足が無いのは、とっても大変な事だ。
まして、にんげんさんは後ろ二本の足で立たないといけないのだ。
おにんぎょうさんだというシルヴィも、にんげんさんと同じで二本で立つらしいし、それができないから、今も地べたに座ったままだった。
「痛くはないわ。私はお人形だもの、痛みなんて感じない。でもね――自分が、自分でなくなってしまうような気がするから、足がなくなるのは、とても悲しいわ」
うつむきながら、シルヴィは無くなった自分の後ろ足のあたりをさする。
やっぱり、悲しいのだ。
わたしだって、自分の後ろ足がなくなったら泣いてしまうと思う。
だって、走れなくなるのは、すごく悲しい。
春になっても、ひらひらと舞う蝶々を追いかけることだって、きっとできなくなってしまう。
「貴方は、ご主人様みたいな人間に飼われてる狐さんなの?」
「ううん。わたしはにんげんさんとはお友達だけど、イヌみたいに飼われてるわけじゃないよ」
シルヴィは、わたしに興味を向けてくれていた。嬉しい。
わたしはシルヴィの事をいっぱい知りたかったけれど、同じくらいにわたしの事もシルヴィに知ってほしかったのだ。
それが話せるのが、すごく嬉しい。つい、耳がぴくぴく動いてしまう。
「そう。貴方は、この広い世界を知っている子なのね……」
わたしの言葉に何か思うのか、シルヴィはどこか遠くに視線を向けるようにする。
それから、空を見上げるようにして、やがて眼を閉じて、風をその身に受けていた。
ふわ、と、シルヴィの毛皮が風に揺られていて、それがとっても綺麗だった。
「――ねえ、人間達のいないところって、どんな世界?」
そうかと思うとわたしの方に向き直って、シルヴィはにこ、と微笑むのだ。
わたしはちょっと驚いてしまって、だけれど、その質問に「ううん」と、答えに困ってしまう。
だって、わたしはあんまり、この草むらから離れたりはしない。
生まれた時もこの草むらだったみたいだし、小さな頃からにんげんさんたちと仲良くしながら、ふんわりと育ってきた。
たまにちょっと小さなにんげんさん(それでもわたしより大きいけれど)と一緒に遠出をしたりしたことはあったけれど、大体はいつも見送る役なのだ。
にんげんさんから離れた世界なんて、想像もできない。
「ごめんなさい、わたしには解らないわ」
けっきょく、こう答えるしかなかった。
折角、わたしに興味を持ってくれているのに。悲しかった。
「いいのよ。私も、何にも知らなかったから。ドールハウスの外の世界が、こんな風になってるなんて、知りもしなかった――」
だけれど、シルヴィは怒ったりせず、私の鼻先を小さな手でなでてくれる。
ちょこんとひげに触られたのがくすぐったくて、つい顔を揺すってしまったけれど、そんなわたしでも、シルヴィは笑顔になってくれていた。
「ねえ狐さん。貴方のお名前は、なんていうの?」
そうして、また解らない質問を投げかけられてしまう。
困ってしまった。お名前。
お名前というのは、キツネとかイヌとかにんげんさんとかと違って、その人自身につけられるもののことだ。
例えば、チヨちゃんちに飼われてるトラ柄のネコはトラさんと呼ばれている。
わたしによくほえてくるちいさなイヌの子供はハイジっていう名前だし、わたしと一緒になってにんげんさんに食べ物を分けてもらっているハトなんかは尻尾が黒いのでクロコと呼ばれてたりする。
確かに、お名前を聞かれて思い当たるところは、あるにはあるのだけれど……
「お名前も、解らない?」
「ううん、そうじゃないの」
「お名前はあるのね」
「うん、あるにはあるのよ。お名前」
「なんていうの?」
「ゴン、ギン、ポチ、はなこ……マツとか、イワシとか、マロとか呼ばれることもあるかなあ」
わたしのお名前は、すごくたくさんある。
わたしにご飯をくれるにんげんさんたちは、実に色んな名前でわたしを呼んでくるのだ。
だから、お名前を聞かれたときに困ってしまう。
どれで名乗れば良いのか、わたし自身がわからないのだ。
これがイヌなら、自分を飼っているにんげんさんのつけたお名前を名乗るのが誇りなのだそうだけれど……
「なるほど……呼んでくれた人の数だけ、お名前があるのね」
「うん、そうなの。お名前がいっぱいで、自分でもよくわかんない」
困ってしまうけれど、ちょっとだけ楽しくもあった。
だって、名前が一杯あるのだ。なんだか、たくさんの私がいるみたいで、楽しい。
耳だってぴくぴくする。
「じゃあ、わたしも貴方にお名前をつけてもいい?」
「シルヴィがわたしに? うん、いいよー」
にんげんさんがわたしにお名前をつける時というのは、大体わたしのお友達になってくれた時だ。
わたしのせなかの、気持ちの良い所をなでてくれたり、おいしいご飯をくれたりする時、にんげんさんはわたしのお名前を呼ぶ。
だからわたしは、なまえを呼ばれるのが大好きだったし、シルヴィがわたしにお名前をつけてくれるなら、それはとても嬉しい事のはずだった。
「じゃあね……銀子」
「ぎんこ?」
「うん。白銀色に染まった世界で出会ったから、銀子。うん、とっても日本人的な名前だわ!」
わたしのお名前をつけ終わると、何かに満足したのか、シルヴィは胸の前でぐぐ、と手を握っていた。
(ぎんこ。銀色なところで出会ったからぎんこ。うん、いいかもしれない)
わたしもにっこり笑う。そのお名前は、なんだかとってもロマンチックに聞こえたから。
「私ね、ドールハウスの外の世界を、見てみたくって。だけど、一人じゃどうしようもないから、ご主人様にわがままを言って、外に出してもらったの」
「おともだちのにんげんさんに?」
「そうよ。初めて見る外の世界。だけど、あんまりにも広くって――なんだか、怖く感じてしまったの」
キラキラと輝く毛皮を風にまとわせながら、シルヴィは空を見上げた。
おひさまが少しずつ、少しずつ、高くにのぼっていく。
まだ風は冷たいけれど、シルヴィの毛皮を揺らすのもこの風だから、憎めない。
「ネコやカラスのせいっていうのもあるけど……私は、自分が知らないところを、勝手に『楽しいところなんだ』って思い込んでいたのだわ。だけど、実際にきてみるとそんな事は無くて。とっても怖い世界だった」
風は、とっても冷たい。だけれど、シルヴィのお顔はとても綺麗で、毛皮はきらきらとしていた。
だけど、そんな綺麗なはずのシルヴィのお顔が、どこか悲しく見えてしまって、私はまた、ぺろりと頬をなめてあげる。
「きゃっ――も、もう、なんで舐めるの?」
「シルヴィが、悲しそうだったから。なめてあげるとね、にんげんさんは喜んでくれるの。泣いてる子も、怒ってる子も、笑ってくれるの」
もう涙は流れていないけれど、シルヴィのほっぺたは、ちょっとしょっぱくなっていた。
だから、きっと泣いていたのだ。だから、笑わせてあげたかった。
「……そう。貴方、最初から」
納得してくれたのかもしれない。
シルヴィは私の鼻先をそっとなでて、やわらかく笑ってくれる。
さっきまでの悲しいお顔ではなくて、とっても優しい、お母さんみたいなお顔。
「ありがとうね、銀子。貴方のおかげで私、もう、怖くない」
「うん。そうだよ。ここは楽しいところだよ。だから、楽しく過ごそうね」
わたしの、大切なお友達ができた瞬間だった。
「銀子は、まだ恋人とかはいないの?」
今、シルヴィはわたしの背中に乗っている。
歩けないシルヴィだけれど、わたしの背には掴まれるから、こうやって移動する事にしたのだ。
「こいびとって、なに?」
わたしは、知らない事だらけだ。
いちいちこうやってシルヴィにきかないといけない。
「大好きな人の事。いつも一緒にいたいって思う人の事よ」
「だったら、シルヴィがもういるよ? それにわたし、にんげんさんが大好きだよ?」
「私も銀子の事は好きだし、ご主人様の事は好きだけれど――そういうのとは、別」
違うのよ、と、耳元で優しく説明してくれる。
シルヴィは、とっても賢い子だった。
おっきなにんげんさんみたいに、わたしの知らない事を教えてくれる、そんな賢さがあった。
シルヴィとお話しするのは、とっても楽しい。
「銀子は、お母さんになったことはないの?」
「お母さんに? うん、ないよ。どうやったらなれるの?」
「大好きな人と出会わないとダメよ。キュンと、胸が苦しくなるくらい、大好きな人に」
「胸が苦しくならないとだめなの?」
「うん、ダメ――ダメだって、ご主人様が持っていた本に書いてあったもの」
耳にこだまする「ダメ」っていう言葉。
ダメなら仕方ない。シルヴィは賢いのだから、本当にダメなんだろう。
でも、胸がキュンってするほど、苦しくなるほど大好きになった人は、たしかに一人もいなかった。
「だから……そういう人を見つけたら、大切にしなくてはいけないわ」
「……うん!」
それがどんな感覚なのか、わたしにはまだ解らないけれど。
きっとそれが大切な気持ちなんだろうなあ、なんて思いながら、私はシルヴィを乗せて草むらを歩き回った。
それから少しして、シルヴィがはぐれてしまったのだというにんげんさんの女の子が、わたしの背中に乗っていたシルヴィを見つけて、再会する事ができたのだ。
わたしと、そのかけがえのないお友達との出会いは、そんなお話。




