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学習塾扱い

 ジム開設に当たって、全く問題は存在しないかに見えたが、大きな壁が突然、目の前に立ちはだかった!

 石川県の白山の麓の町で、「クライミング・ジム」を始めようと決心して、勇んでやって来たものの、現実は甘くなかった。前途洋々に見えた道のりが、突然現れた大きな壁で、全く身動きが取れなくなった。その壁は、一年前に施行された「市条例」。

 クライミング関係者からはジムを開設するに当たって、「ほとんど届出は要らない」と聞かされていた。しかし、現実は違っていた。まず、「不特定多数の人間が出入りする建物なので、消防法の適合が必要」というもの。さらに関連して「用途変更確認申請」という、建物を本来の用途として使うのではなく、他の用途で使う場合の、県の土木事務所への届出が必要になる。その窓口になっていたのが、市の土木課だった。それで、そこへ向かって「クライミングジムを始める」旨を伝えたとき、言下に「許可できません」と言われた。いったい何のことか理解が出来なかった。市の土木課の人の話は、次のようなものだった。

「昨年、8月に施行された“市条例”があって、あの地域は“田園地域に指定”されており、生活に必要でないものは、勝手に建てる事が出来ないことになっている」とのこと。しかも、クライミング・ジムは“学習塾”に属し、「200平米」以上は不許可とのこと。そのことをはじめて知ったとき、まさに“青天の霹靂”。二の句が出なかった。

 不動産屋には、保証金も家賃も払ってあるし。それなのに、いまさら「許可できない!」といわれても、放り投げて東京に帰ることもできない。一晩、悶々として眠れないままに朝を迎えた。結論は「出来ることをやろう」というものだった。早々に、計画書を書き直し、計画の面積を500平米から200平米に換えて、再び市の土木課を訪ねた。すると、市の土木課の担当者は昨日とは打って変わって、

「オーケーです。これなら許可します。県の土木事務所も、早々に許可を出してくれるでしょう」

 と、一変。安堵の胸をなでおろした。しかし、次なる山が、待ち構えていた。

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