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市条例の現実 ワイルドキャット・ボルダリング・ジムには、地方なりの事情が……

白山のふもとに「ワイルドキャット・ボルダリング・ジム」を作ろうと勢い込んで東京からやってきた二人。思わぬ現実が目の前に横たわっていた。

 クライミング・ジムは、国内にあってはこの8年余りで3倍に急増している。2007年、国内で15年ぶりに開催された「スポーツクライミング・ワールドカップ」のあった年には全国で100軒余りしかなかった「クライミング・ジム」が、近年では300軒余りに達し、現在も急増中。それほどの「ボルダリング・ブーム」である。あくまでも「クライミング・ブーム」ではなく、「ボルダリング・ブーム」なのである。

 テレビ等のインタビューで有名人が語るとき、「最近、ボルダリングに凝ってまして」とは言っても、「クライミングに凝ってまして」とは言わない。聞いたことがない。みながこぞって「ボルダリング」という。これは、東京だからこその現象なのだろう。本来、「ボルダリング」はインドアの人工壁で行われる「スポーツクライミング」の中のひとつのジャンルであって、全てではない。人工壁の金具・カラビナに自分でロープをかけながら登る「リード・クライミング」。最初からロープがかかっている人工壁を登る「トップ・ロープ」。そして、ロープを使わない低い人工壁で行う「ボルダリング」の三種類が、インドア・クライミングの全てである。

 東京の原宿で人気の「竹下通り」から、少し離れた渋谷と原宿の中間あたりに、ビルの1階から3階までがボルダリングのスペースという「ボルダリング・ジム」がある。連日夜遅くまで、若い人でにぎわっている。全て「ボルダリング」のスペースである。明治通りに面しビルにあり、中の様子が通りから見える。つい立ち止まって見入ってしまう人もいる。

 さらには、東京の繁華街の側にもある。新宿の歌舞伎町から100mの距離のビルの一階に「ボルダリング・ジム」がある。ここも多くの人がビルの前を通る。地元の人が「職安通り」とも「税務署通り」とも呼ぶ通りに面しているので、歩いていると中の様子が見える。同じように、若い人であふれている。西武新宿線の新宿駅からすぐの場所である。当然、駐車場なんてない。

 山手線の電車の中から見えるボルダリング・ジムもある。西日暮里駅と日暮里駅の間。電車の窓からジムの様子が見える。どこも共通しているのは、低い人工壁で行う「ボルダリング」であること。東京ならではの土地の事情から、そうならざるを得ないのだろう。

 一方、白山のふもとの「ワイルドキャット・ボルダリング・ジム」は、駐車場も広く天井の高さもある。ただ、そうはいってもいいことずくめとはならない現実が、目の前に横たわっていた。

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