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青春日々。  作者: りんご
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始まっては、いない。

雪が溶け始める。春のおとずれだ。

私は入学した高校の二年目を迎えることになった。そう、高校二年生になったのだ。制服に腕を通し、いってきますと母親に告げる。いってらっしゃい、返ってきた言葉に笑みを浮かべて、一年生の時の生活の延長を歩き始めた。




ーーーこれは、そう。ほんの少しチクリとするけれど、でも少しだけ暖まるような、そんな私の恋物語。






1時間程かかって学校についた。地下鉄では、去年仲良くなった真由と一緒にまた登校をした。

クラス変えの紙が廊下にはられているのだろう。学校の階段を上がったすぐの廊下にはたくさんの生徒で溢れかえっていた。鞄を持っていない生徒も数名いる。もう教室に置いて、友達と話でもしているのだろう。



「愛梨、何組?」


「Hだった。まゆは?」


「私G。また同じクラスになれなかったねー残念」


「まあ隣のクラスだし、体育の時とかよろしくね」


「こちらこそ」


真由とは去年、スクールバスの中で仲良くなった。あまりに混んでいるバス、二人用の椅子に一人で腰掛けていた彼女の隣に、私が座ったのがきっかけだ。



『…一年生?』


『うん。君も?』


そんな彼女とは去年も、そして今年も同じクラスにはなれなかったけれど、とても仲の良い友達として、あれからずっと一緒に登校している。


まっすぐあるけばすぐ教室は見えてきた。私は真由と別れ、新しい教室へとはいる。新しい教室といえども、去年とほとんとメンバーは変わらないのだ。教卓の上にある席が書かれている紙を確認して、私は窓側の後ろから二番目の席へと座る。


「愛梨、おはよ」


「おはよ、えみ」


後ろの席の金原えみ。去年も同じクラスで、出席番号は7番。私は6番で、前後というのもあって仲良しになった。よく一緒に行動している子だ。


「あいりんりん、おはよ!!」


「おはよ、萌」


小野田萌。出席番号5番、私の前の席の子。この子は私とはまったく違うタイプの子だけど、やはりこれも出席番号のおかげで仲が良くなった。あいりんりんとは、この子だけが使う私のあだなだ。



「おはようございます」



そこで、担任が入ってくる。これだけは去年とは違う。新しい私の担任。


「三田真です。これから1年、君たちの面倒を見ることになりました、よろしくおねがいします」


この先生はどの先生の中でも一番毒舌で怖い、で有名な先生だ。そんな先生が私達のクラスに宛てられた理由。それは、私達が特進クラスだからだ。

受験時の試験で、30位までの人が入れる特進クラス。私はなんとか20位に入り、このクラスにはいる事ができた。私達は、この学校の看板クラス。勉強に精をだして、これからの学校生活を送らなければならない。



「でも、勉強だけをしたい人は、今すぐこの学校から去りなさい。そういうのは予備校でもいいはずだ。なぜ君たちは学校に通っているのか。人間力を育てながら、毎日頑張っていくように」



怖いだけじゃない、生徒の事もよく考えてくれる先生。みんなの目が少し変わったように見えたのは、きっと後ろのほうに座っていた私だけなのかもしれない。



今日は始業式で終わり、みんな鞄を背負ったり、さっそく今日から勉強しようと机を並べる生徒まで、まばらだった。私はとりあえず鞄はそのままに、去年とても仲の良くなった大田くんの方へと向かう。


「太田くん」


「あ、勝田」


「また同じクラスだ、よろしくね」


「よろしく」


大田くんはおとなしめの子で、顔は可愛い系の子。結構色んな人が大田くんは可愛い!!と言っていて、かわいい系男子としてとても人気なのだ。

かくいう私も大田くんはかわいいいと思っていたうちの一人である。そんな大田くんと仲良くなったきっかけは、1年の時、隣の席になった時のこと。


『今田の英語って、ためになんの?』


と、私に言ってきた時だった。


『さ、さぁ?私は英語苦手だから、とりあえず聞いてるけど…』


『ふーん…あの人の英語は嫌いだな、俺』


『太田くん、結構ずばっというね…意外』


『なんで?』


『かわいい系男子だと勝手に思ってたよ』


『そんなの周りの言ってることじゃん。俺のどこがかわいいわけ?』



こいつ、腹黒だ。



そこから、私だけが知っている腹黒の太田くんとして、私はとても仲良くしていた。太田くんも女子の中では私が一番仲がいいといってくれているようで、嬉しいけれど。


「私もう帰るわ。太田くんは?」


「おれ部活」


「バトミントンか、大変だねー頑張って」


「頑張る。じゃあね」


と、太田くんは鞄を背負って廊下へと出て行った。

太田くんの背中を見送ったあと、別のクラスのりさが私を迎えに来たので、私も鞄を持って帰る準備をしたのだ。



そう、今日から卒業までの、二年間の恋物語は、こうして始まるのだ。



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