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俺と糞ゲーⅡ ~2周目はじめました~  作者: ピウス
第2章の4 【アリの迷宮】
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リュミスさんの手紙

「お体のほうはもう大丈夫のようでございますね。あとは体力を回復させるだけでございます。特に足腰は萎えているでしょうから、最初は散歩でもされるとよろしいでしょう」


 工房のおっちゃんと、試作品を作るというハーラウさんがアルマリルに帰ってからしばらくたった日。メリル一の医者だというジーさんがそう太鼓判を押してくれた。

 つってもメリルには医者が二人しかいねーから腕前の方はたいしたことないんだけど……。

 そもそもこの世界には傷薬があるからな。医術はさほど発達していないようなのだ。このお医者さんも山から採ってきた薬草を煎じる程度だし、治療というより予防がメインらしい。漢方っぽい感じだろうか。


 ただまあ、リハビリに散歩をするというのは現実の世界でもやっている治療法だ。やって害になるということはないだろう。

 そんなわけでここんところシルクと一緒にお城の周りを歩くことにしている。

 医者のジーさんの言う通りかなり足腰が弱っているのか、それだけで結構疲れるんだよな。

 睡眠と散歩を交互に繰り返しているような状況だ。

 そんなある日。

 いつものように散歩から帰りベッドに横になると……めまいのような感覚がした。


 ……よしきた!

 麻雀の負債を取り立ててやる!


 勢いよく目を開ける。思ったとおり、そこはリュミスの部屋だった。

 ただ……部屋に誰もいねえ。

 机や棚も綺麗に片付けられていて随分と殺風景だ。

 ガランとした部屋で目に付くのは、紙がはっつけてあるホワイトボードと綺麗な水晶が二つ置かれた小さなテーブル。そのすぐ横に青い光を放つ魔法陣が一つあった。

 ちょっと戸惑いながらも、とりあえずホワイトボードに近づいて紙を手に取る。

 意外と達筆な文字でなにやら長々と書いてあった。



☆★☆★☆★☆★


 東雲様へ。


 まず、諸般の事情によりお手紙にて対応するご無礼をお許しください。<( ̄∇ ̄)ゞゴメリンコ

 アリの女王討伐おめでとうございます。

 個人的には仕事が減りますから、第一の災厄で死ねばいいのに! と思っておりましたのでまことに残念ではございますが、第一の災厄は完全に回避されました。

 ミューとの賭けに負けてしまいましたので、あの売女に一月分の給料をムシられましたが全然気にしてはおりません。

 ヽ(`Д´)ノ

 ほんとに全然気にしておりません。

 ヽ(`Д´)ノ



 ……さて、災厄の女王アリ撃破の褒章でございます。

 前回<上級統率>をお選びになっていますから、


 ①魔の素質

 ②巨根(/ー\)キャッ


 いずれかからお選びください。

 ①であれば青い宝石を②であれば赤い宝石をお取りいただいて魔法陣にはいれば習得できます。

 ……あら? 逆だったかしら。┐(゜~゜)┌

 まあ、確認するのも面倒でございますので適当にお願いします。

 赤と青の水晶を二つとも持って魔法陣に入りますと爆発するらしいのでお勧めです。


 次回の災厄までは少々時間がございますので、貴族として領主としてどうぞご存分に権力を使って淫靡で爛れた生活を送りながら楽しみにお待ちください。

 (´・д・`)ノ じゃあね♪


☆★☆★☆★☆★



 クシャ。


 読み終わった手紙を右手で握り潰した。

 ……あのクズ! 賭けの負けを払いたくないから逃げやがったな!

 卑怯すぎるだろ。

 わざわざ手書きで顔文字まで書きくさりやがってあのボケ女神が。

 いや、百歩譲って逃げるのは我慢する。だけど仕事だけはきっちりしておけよと……。


 テーブルに載った二つの宝石を前に俺は考える。

 どっちだ。

 どっちが<魔の素質>のスキルなんだよ。

 姫様との初夜も済ませていないのに<巨根>のスキルは絶対に選んではならない。


 今までの人生でこれほど頭を使ったことがあるだろうか? そう思うほど俺は頭をフル回転させて考えた。

 素直に考えれば青だ。

 だが、手紙の文面から俺に対する怒りがヒシヒシと伝わってくるからな。

 あるいは引っ掛けかも?


 ……いや、裏の裏。

 素直に青だというのも十分に考えられる。

 なによりそのほうが引っかかった俺を(あざけ)りやすいだろうし。

 というか……前回は三択で今回は二択か……。

 魔の素質を選んだとしても、次回は必ず巨根になるのだろうか……。


 ええいままよ。

 悩んだところでしょせんは五分五分。俺には<幸運>のスキルだってあるのだ。

 そう吹っ切ると、俺は素直に青い宝石をとり魔法陣に飛び込んだ。



 【名前】 東雲圭

 【職業】 貴族(辺境伯)

 【レベル】 65


 【ステータス】

 HP 675/850

 MP 850/850

 筋力 425(298)

 体力 425

 器用 425(298)

 知力 425

 敏捷 425

 精神 425

 運勢 425


 【装備】

 右手 《MURASAMAブレード》

 左手 欠損(筋力と器用に大幅なマイナス補正)

 頭部 《ヒルデグリム》

 胴体 《メリディオン》

 脚部 《ヴィーザル》

 装飾 《リュミスの指輪》

 装飾 願いの指輪


 【スキル】


<上級統率>・・・統率する兵士のステータスに補正

<神殺し>・・・凄く痛かったんですよね 絶対に許さない

<伝説>・・・最も新しい伝説を紡ぐ者 すべてのステータスに大幅な補正

<英雄>・・・少女を救ったアクメド商店街の英雄 レベルアップ時すべての能力にボーナス

<制限解除>・・・レベル制限99まで解放

<幸運>・・・幸運になる

<究極鑑定>・・・見えるすべてが見える

<再召喚者>・・・美しき地母神【ミュー】によって再度異界より召喚された者

 巨根・・・約束された勝利の剣 

 経験値倍増P・・・パーティメンバー全員の取得経験値2倍

 刀の心得・・・剣道2段の腕前

 第二種免許・・・車ないですけどね

 14歳から大丈夫・・・なにが大丈夫なんだよペド野郎

 獣だって大丈夫・・・種族を超えて愛情を育むもの 要するにケモナー

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