食事は作れます!!
耳がこそばゆい。うまく目を開けれない。覚えてるのは、高校の帰り道に暗い路地に入ってちょっと激痛が走ったことだけ。冷たい鉄の床に鉄の壁。そこに女性の声と男性の声が響きうっすらと聞こえる。
「こんなガキ、どうすんですか艦長。裏のマーケットでも15万円位だったんでしょ。また無駄な買い物したでしょ。」
失礼な俺は細くてタッパもない頭もそこそこでだが家庭環境悪すぎて色々できるようになったんだぞ!!
「でもあのマーケットでこの子買わなければ、今頃おばさんたちとおじさんたちの欲のはけ口に使われていたでしょ。そんなのかわいそうで私には、ほっておけないのよ。」
あぁなんと嬉しい事だ。母親とはこういう優しさだったのであろう。まぁ俺の想像だがな。
「艦長の給料から引いておきますからこの分は!」
そんな事を言って隣の部屋から男の人が入でてきた。「ゲッ…起きてるしまぁいっか。船長起きましたよこのガキ」
教育を受けてないのか、このケン〇ーコバヤシに似てる奴は。名前も聞かずにバカにしよって。
「あら、起きたの?こっちにいらっしゃい」
そっと包み込むような声でそう言われ、艦長室と書いてある部屋に入った。
そこには、美しい長髪の軍服の女性がいた。
「私はノダン・ラプチナ。この戦艦の艦長をしているの。あなたの名前は?」
優しさの権化のような人間だ。本当にこの人に拾われてよかった。
「僕の名前は、岩井典武17歳o型です。」
精一杯出せる声で叫んだ。男は第一印象が大事だからな。
「あら、あなたは何ができるの仕事は?戦艦の操縦?ソナー係?それとも敵艦に突っ込む切り込み隊長?」
???????そんな事学生に出来ることではない。どうしよう僕を戦力としてしか見てないこの人は。
「僕は船も運転したこともないしソナーとか切り込み隊長とかよく分からないけど。家事全般はできます!!」
家庭的な男アピールでどうにかこの人に取り込もう。
「あらせっかく異世界バイヤーから買い取って戦闘要員になってもらおうかと思ったのに残念ねぇ。とりあえずあなたの仕事はあとで決めます。」
駄目やった。よく分からんこと言ってるし。でもこの人の以外の所はやだよ。さっきの男の人とか怖いしパワハラしてきそうだし。
「ビチェ・ロンに案内係をお願いするわ。呼び出すからちょっと待って。」
そう言って指を何か鉄の台座に置いた。その途端電気のような光を放ち「ビチェ・ロンいますぐ艦長に来てください。」という声が艦内のスピーカーに響いた。
その声を聞いて。外からバタバタという足音で迫ってきて勢いよくドアを空けた。
「なんでしょうか。艦長」
そこには、三浦〇馬似の超絶イケメンが立っていた。
「この子異世界バイヤーから今日買ってきたの。ここ案内して差し上げて」
と太陽のような笑顔とともにノダン艦長がいった瞬間に僕はビチェ・ロンに持ち上げられた。
「了解です。艦長案内に行ってまいります。」
元気・イケメン・高身長近くで見ていて男なのに惚れそうだ。そのまま、艦長室から持ち出され。案内が始まった。
「岩井くんだっけ?まだ掴めてないでしょこの状況。君ね拉致されて、そのまま異世界に連れてこられて売られちゃったの。よかったねぇ艦長が拾ってくれて。」
ビチェ・ロンから受けた説明をなんとなぁーく受け入れられた。これが神隠しの正体だろうと。
「この船はどこかの国の所属なんですか?」
興味本位で聞いてみると
「この船は傭兵戦艦かな?国に依頼されればどこの戦争にでも行く。今はアメリカの味方かな」
へぇーっと思いながら聞いた。アメリカかぁ。ん?
この世界にもアメリカがあるのか?
「この世界にもアメリカあるんですか!!」
目を大きく開いて聞いた。
「あるよ。君たちの世界とよく似ているからねち。座標関係が若干違うくらいだったかな。ちょっと違うのは魔力の概念があること。ほらこの通り」
そういうと手からさっき艦長が出したような光を放った。
「この魔力はいわば新しい出力ソース。声や指や足での操作と同じ。細かい操作がしやすいんだ。でも君は異世界から来たから使えないよ」
一度は使ってみたかったなぁ。
そんなことを話していると食堂らしきスペースについた。
「やっぱり不味すぎる。どうにかなんねぇかなこの飯。あぁ早く陸に戻りたい。」
さっき艦長室から出ていった男がぐちぐち言いながらご飯を食べている。見ていたら突然、
「おいガキこの飯食うか?お前細えし食ってデカくなってもらわなきゃ困るからよ。」
そう大声で呼ばれた。どんだけ不味いのか気になって食べてみた。不味すぎる。なぜ鶏肉らしき食べ物をここまで不味くできるのかイマイチ分からん。
「俺の作る飯のほうが美味いすよこれ。」
口から出てしまっていた…
「おうガキじゃあ作ってもらおうか?料理係ーこいつがこれより美味い飯作ってくれるってよ。作らせろ」
舐めてもらっちゃ困る俺は親の飯をずっと作らされて来たんだここで見せてやろうヤングケアラーの実力を
。厨房に無理矢理詰め込まれるとそこには強面の人間達が大勢食事を作っていた。
「どんな腕前か見せてもらおうか、あんちゃん」
ハゲの大男にそう言われて肝が冷えたがとりあえず作ることに
冷蔵庫を開けると、じゃがいも、バター、醤油、こしょうが目についた。
「こりゃ簡単にうまいもんできそうだ。」
そうつぶやいた後、調理を始めた。そう、日本の祭りに行ったことのある人間なら食べたことのあるであろうあれだ。
じゃがいもの芽を取って。水にさらしてでんぷんを取る。そして竹ぐしが刺さるくらいまで蒸して。バターをバターをうえに乗せて。しょうゆとこしょうをかけて完成。
「完成です。じゃがバター。さぁ食べてください。」
そういいながら。男に出した。
「えらい短い時間でできたじゃねえか。どれ食ってみるか。」
そういい口に運んだ瞬間目を丸めた。
「何だこのうまいもんは、お前らも食ってみろ。」
そういい周りにいたビチェ・ロン、料理係に食べさせた。
「なんすかこのうまいもん。ただじゃがいもにバター乗せただけなのにこんなにも美味い」
ビチェロンが驚き
「ものの数分で作ったもんがこんな美味いとは」
とハゲの料理係が言った。
「よし、副艦長スノー・ライトフが命じる。お前は今日から料理係専属スタッフだ!」
そう言われ、岩井典武のこの艦での役職が決まった。




