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1-1

 その、後の友人と初めて会ったのは――いや、正確には私が彼を認識したのは――高校一年の春だった。

 高校に入ったらボクシング部に入部することが夢だった私は、四月の初めのその放課後、ボクシング部へ体験入部しに行ったのだった。


 学校の体育館の二階がその部の練習場に充てられていて、私はそこへ向かうためコンクリート製の冷たい階段を上った。階段を上りきると目の前に練習場の風景が広がった。それは奥に細長い、板張りの床の狭いスペースで、奥にリングがあり、サンドバッグが数個設置されていて、何人かの先輩部員がシャドーボクシングやサンドバッグ打ちをしていた。練習場の西面の上部が全て窓になっていて、春の夕方の陽がそこからいっぱいに射しこみ、空気中に舞う細かな埃をキラキラと照らしだしていた。


 その、練習場の中ほどで、何をするわけでもなく立って、練習場に上がってきた私を睨んでいるボクシング部員がいた。小柄で、毛量の多いくせっ毛の黒髪をふさふささせて、ジャージに身を包み、目を細め、眉間に皺を寄せて、私を睨んでいた。


(なんでこの先輩、俺を睨んでくるんだろう)


 私は恐怖した。この、私がすっかり先輩だと思い込んでしまった人が、Kだった。Kはそのままじっとしばらく私を睨んでいた。私はペコリと会釈した――ように覚えている。

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