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俺の嫁は最強のオーク嫁。無人島を開拓して、異世界一の村を目指すことにした。  作者: tomoibito


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008 冷静だと思い込んでいた夜

焚き火の前に、ようやく静けさが戻った。


胸の奥が、まだざわついている。

興奮と恐怖――そして、異世界で初めて、はっきりと「モンスターを倒した」という実感。


「……ありがとうございます」


気づけば、自然と声が出ていた。


皆が、こちらを見る。


俺の視界に、【鑑定】の情報が淡く浮かぶ。


ドワーフ夫・ドン――【楽勝】

狼夫・ガルド――【楽勝】

狼妻・ルナ――【楽勝】

猫夫・ニケ――【普通】

猫妻・タマ――【楽勝】

エルフ夫・セイル――【普通】

エルフ嫁・フィア――【少し怖い】

オーク嫁・ミーラ――【少し怖い】

ドワーフ妻・ピリカ――【非常に怖い】


(……ああ)


同じ戦場に立っていても、感じ方はそれぞれだ。


焚き火を囲み、一息つく。

だが、誰も「もう寝よう」とは言い出さなかった。


その沈黙を破ったのは、ニケだった。


「皆さん、休んでください。

 周囲の監視は、夜目が利くボクがやります」


「それなら、オレも付き合うぜ」


ガルドが即座に応じる。


その言葉に甘える形で、皆、横になることにした。


夜明け前。

ふと、目が覚めた。


冷たい空気が、肌を刺す。


隣では、ミーラが丸くなって眠っている。


「……寒い」


小さく呟いた声に、俺は上着をかけ直した。


焚き火のそばには、ニケとガルドがいる。


「お疲れさまです。どうでした?」


「何もなかったよ」


ニケが答える。


ガルドは目をこすり、大きなあくびをした。


【非常に眠い】


ニケの表示は、【少し眠い】だった。


少し遅れて、エルフ夫・セイルが起きてくる。


俺は夜警の二人に、休むよう促した。


ニケが一瞬だけ周囲を見回し、


「少し、周りを見てもいいかな?」


と聞いてきたが、


「慎重にいきましょう。今は休んでください」


そう伝え、横になってもらった。


朝。

全員が起き揃い、焚き火の周りに集まる。


俺、ドン、セイルの三人で、今後について話すことになった。


エルフ嫁・フィアとドワーフ妻・ピリカが、少し離れた場所でお茶を淹れてくれている。

ビスケットと温かいお茶。簡素だが、ありがたい朝食だった。


最初の話題は、全員一致していた。


「周辺確認が最優先じゃな」


水の確保。

そして、住む場所。


ゴブリンの襲来に耐えられる拠点。


誰も口にしなかったが、全員が同じことを考えていた。


俺とセイルで周囲を探索。

ドンとミーラで、資材の移動。


ミーラは少し不安そうだったが、


「すぐ戻るよ」


そう言うと、頷いてくれた。


森に入ると、空気が変わった。


歩きながら、俺はセイルにゴブリンのことを聞いた。


「詳しいんですね」


「昔、巣の壊滅戦に参加したことがある」


ゴブリンは好戦的で、住み着きやすい場所がある。

見つけ次第、排除するのが鉄則だ。


「その時は、ゴブリン十匹に対して、エルフの精鋭が二十人以上だった」


そのゴブリンは、若い部隊だったらしい。


長老からは、もっと恐ろしい話も聞いていたという。


「五十、六十の集団になることもある。

 中には、“火”を扱う連中もいる」


昨日のゴブリンは、火を持っていなかった。


「それは……救いだ」


セイルが静かに言った。


少しして、彼から質問が飛ぶ。


「昨日の指揮……戦闘経験があるのか?」


俺は首を振った。


「鑑定スキルがあるだけです」


進軍ルートが見えることも、隠さず話した。


「……鑑定持ちか。それはありがたい」


セイルは、ゆっくりと頷く。


先代の長老も、鑑定スキル持ちだったらしい。


「何でも知っていた。そんな印象だった」


結局、ゴブリンの巣は見つからなかった。


だが、水源。

森の雰囲気。

霧が濃く、不気味な奥地。

反対側には湿地帯。


今、踏み込む場所ではない。


住居を建てられそうな場所も、いくつか候補を見つけた。


日が傾く前に、引き返す。


一気に疲れが出た。


軽装すぎた。

革袋の水筒と、わずかなビスケットだけ。


歩きながら、俺はずっと「冷静に判断しているつもり」でいた。

周囲を見て、危険を測り、最短で戻る――

頭では、そう整理できていると思っていた。


だが、実際は違った。


昨夜のゴブリンの顔。

刃の音。

焚き火の向こうから聞こえた、あの耳障りな笑い声。


それらが、知らないうちに思考を急かしていた。


「早く確認しなければ」

「次が来る前に」


恐怖が背中を押し、判断を速め、準備を削っていた。


それなのに、当の本人は気づけない。

自分は落ち着いている――そう、思い込んでしまう。


(……冷静なつもりだっただけか)


戻ってきて、ようやく分かる。


これは勇気でも、判断力でもない。

恐怖に引きずられた、未熟な行動だ。


(反省だな……)


次は、同じ失敗はしない。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


この開拓団、

「まあ、悪くないな」

と思ってもらえたら、☆やリアクションを押してもらえると助かります。


正直、かなり励みになります。

というか、次のウェーブを考える元気が出ます。


気軽で大丈夫です。

たのんます。

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