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俺の嫁は最強のオーク嫁。無人島を開拓して、異世界一の村を目指すことにした。  作者: tomoibito


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006 上陸、そして最初の襲撃

船が接岸すると、潮と土の匂いが一気に鼻を突いた。


「……ここが、新天地か」


目の前に広がるのは、なだらかな丘と森、そして少し離れた海岸線。

一見すると、穏やかだ。


だが――


(鑑定)


――土地:未開拓

――土壌:可、耕作可能

――注意:排水不良地帯あり

――補足:冬季、気温低下・積雪多


胸の奥が、ひやりとした。


「ハルキ?」


ミーラが、俺の表情に気づく。


「……いや。後で話す」


今は、やることが多すぎる。


まずは、資材の荷下ろしだ。


木材、鉄製の斧やノコギリ。

布と簡易調理器具。

ヒヨコが入った木箱が二十。

保存食のビスケットと、塩漬けの魚と野菜。

運搬用のホイールバロー(手押し車)とスコップ。

その他、いろいろ……


「船は一泊だけだ!」


船長が声を張り上げる。


「明日の朝には出る!」

「次に来るのは半年後だ!」


ざわ、と空気が変わった。


半年。

つまり、それまで――


「自分たちだけで、生き残れってことだな」


狼夫・ガルドが、楽しそうに言った。


作業が一段落したところで、自然と輪ができた。


「さて」


俺は、皆の顔を見渡す。


「まず、何を作るか決めたい」


「家だろ!」


ガルドが即答する。


「寒くなる前に、雨風をしのげる場所が要る」


「テント小屋が先よね」


エルフ嫁・フィアも頷く。


「体を休める場所がないと、怪我や病気が増えるわ」


「俺は……」


言いかけて、少し言葉を選んだ。


「倉庫を、先に作りたい」


全員が、こちらを見る。


「資材は、俺たちの命綱だ」

「雨や獣にやられたら、それで終わる」


一瞬、沈黙。


「でもよ」


ドワーフ夫・ドンが頭を掻いた。


「今夜は野宿か? それはきついぞい」


「ボクもそう思う」


猫夫・ニケが静かに言う。


「疲労が溜まると、判断を誤る」


意見は割れた。


ミーラが、俺の袖を軽く引く。


「……今回は、みんなに合わせた方がいい」


彼女の声は小さいが、はっきりしていた。


(……そうだな)


「分かった」


俺は頷いた。


「今日は、テント小屋を優先しよう」


決まった瞬間、皆が動き出す。


テント小屋は、正直言って簡素だった。


木の柱を立て、

その上に布をかけ、

風が抜けないよう石で押さえる。


「……すぐに壊れそうにゃ」


猫妻・タマが言う。


「でも、無いよりマシだよ」


ニケが返す。


ミーラは黙々と木材を運び、

ドンは勢いよく杭を打ち込み、

ガルドと狼嫁・ルナは笑いながら地面を均している。


(……この判断、間違ってないよな)


そう自分に言い聞かせた。


夕方。


船は、静かに離れていった。


「いいか!」


船長が最後に叫ぶ。


「半年後に戻る!」

「その時、開拓が不可能だと判断したら――撤退だ!」


「最初の一年は税は免除だ!」

「だが、二年目からは納めてもらう!」


それだけ言い残し、船は水平線の向こうへ消えた。


取り残されたのは、俺たちだけ。


夜が来た。


焚き火を囲み、簡単な食事を取る。

ビスケットを割り、塩漬けの魚を分け合う。


「……静すぎない?」


エルフ嫁・フィアが言った。


確かに。

いつの間にか虫の声が止まり、波の音だけが残っている。


静かすぎる。


(……鑑定)


――周辺生物:小型動物

――警戒対象:あり

――注意:夜間、活動活発化


嫌な予感が、背筋をなぞった。


「ミーラ」


「うん。ここにいるよ」


彼女も、同じことを感じているらしい。


その時――


カサッ


森の方で、音がした。


「……今の」


猫妻・タマが、耳をぴくりと動かす。


猫夫・ニケが、すっと立ち上がった。


「複数……小さい足音」


狼夫・ガルドが、にやりと笑う。


「来たか」


ドワーフ夫・ドンが、こん棒を握り直す。


「夜襲、ってやつじゃな」


俺は、盾代わりの木板を手に取った。


(……早すぎる)


だが、逃げ場はない。


ミーラが、大きく一歩前に出る。


「守るよ」


その背中は、頼もしかった。


闇の奥で、

小さな影が、いくつも動いた。


――ゴブリンだ。


こうして、

俺たちの開拓生活は、

最初の夜から試されることになった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


この開拓団、

「まあ、悪くないな」

と思ってもらえたら、☆やリアクションを押してもらえると助かります。


正直、かなり励みになります。

というか、次のウェーブを考える元気が出ます。


気軽で大丈夫です。

たのんます。

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