第6話
教室から男子寮まで徒歩20分……。
「遠い……」
「男子寮まで道のり長くないか!?学園内だよね!」
「まぁこれから慣れていくよ…」
教室から男子寮までの距離が長い話をしていると、ライウスたちは男子寮に着いた。
男子寮は六階建ての高等施設だ。男子寮には飲食店や道具屋、武器屋など多種多様な設備が完備されている。そのため、女子生徒は男子寮に入ることを許されているらしい。
「俺の部屋番号は401だけど、クラウスは?」
「俺は……」
クラウスは先程の説明時にもらった紙をカバンから取り出し、各自に支給された部屋を確認する。
「···402…。って隣じゃないか!?」
「こんなこともあるんだね…」
ライウスの隣の部屋はたまたまクラウスの部屋だった。
ライウスたちは各自の部屋に入り、部屋の中にある荷物を整理する。
━━━数時間後。
「終わったか~!!」
「終わったよ~」
ライウスたちは各自の部屋から出て集まる。
「どったから見る?」
「正直ライウスくんの部屋は気になるよね!」
「俺も最初の印象が強すぎて、どんな感じなのか気になるよな~……」
「それ分かります~!」
「あの……何でマリアさんが来ているの?」
「ギクッ!そっそっそんな…わけ、ないじゃないですか!?私はこの見た目のまま、ただの令嬢ですわ!」
「令嬢なだけで珍しいし、俺らにそんな知り合いはいません!」
「ギクッ!」
「まぁ、良いじゃない!命令よ!見せなさい」
「そういうことにしておきますよ……」
そうして、クラウスたちはライウスの部屋に入るのであった。
中は一般的な成人男性の一人暮らしの部屋だった。
「何か…普通ですね……」
「普通で何か問題でも!!」
「俺たちは六歳なんだぞ!憧れの冒険者のぬいぐるみやおもちゃなんかを置くだろ!」
「ってことはクラウスは置いてあるということ……?」
「···あっ!?それはもちろん………」
そう言うと、クラウスは急いで自室へ戻って行く。
「じゃあ、次はクラウスの部屋だね」
マリアたちはライウスの部屋から出て、クラウスの部屋へと入ろうとする。
「クラウス〜!開けるわよ~」
「待って!!まだ………」
マリアはクラウスの言葉を気にせず、扉を開ける。
そこには大きいベッドに高価そうなデスク、客人に出すお茶の茶葉まで完備されていた。
「クラウスって、外見とは正反対でしっかりしてるんだね!」
「昔からきっちりしているのよね~、クラウスは!」
「違う、違う!これはたまたま親父から送られてきたんだよ!」
「良いじゃない!!誇りなさいよ、真面目な子はモテるわよ!」
「別にモテたくはねぇーし!!」
クラウスは恥ずかしそうに人差し指で頬を掻く。
「照れちゃって!わっはっは!!」
「よし、もう出よう。夕食食べに行こう!」
こうしてライウスたちは男子寮に完備されている食堂へと向かうのであった。