第17話
「さぁ、この日がやってきました!国家選抜剣術大会〜!剣術世界大会へ出場する者は誰になるのか!気になる1回戦目はアリアス・メリッサ!数々のタイトルを所持しており、最も注目されている選手です!それに対するのは新属性防御魔法という確立したものを作り上げた開発者、またの名を甲守の騎士とも呼ばれているバルミール・シュレディンだ〜!!この勝負、どちらの旗が上がるのか要注目だー!!」
1回戦目がまもなく始まる。そんな時、ライウスはというと···。
「クラウス!早くしろよ〜!メリッサ先輩の試合始まっちゃうぞ~!」
「待ってくれ!もう少しなんだよ、少しだけ残ってるんだ~!」
「ライウスじゃない!トイレの目の前で何しているの?」
クラウスのことを待っていると女子トイレからマリアとメルリーが出てきて話しかけてきた。
「マリアとメルリーじゃないか!クラウスが出るのを待ってるんだよ」
「あのバカ!試合前っていうのにトイレに籠ってるんじゃないよ!!」
「この声はマリアか!!俺のことをバカと言うな〜!!マリアー、待ってろ今すぐ出て文句言ってやるからなー!!」
クラウスが話し終えると同時に流れている音が聞こえ始めた。
「ライウス、先に行きましょう!あいつはどうせ追いかけてくるでしょ」
ライウス含めマリアたちはクラウスを置いて、先に観客席に向かった。
「やってるわね···」
「メリッサ先輩、流石ですね!的確に嫌なところを突いてる!!」
「でも、シュレディン先輩も防御魔法で的確に防御結界を張っているな···」
ライウスたちが1回戦目の試合を見ていると突如、盛大な悲鳴が闘技場内を覆い尽くす。
「今のは何の悲鳴だ!?」
突然の悲鳴に試合中のメリッサとシュレディンは戦闘を止める。
「審判さん、何事ですかこの悲鳴は···?」
「只今、調査中です!もう少々お待ちください。観客席の皆様、焦らずに委員会側の職員の言う通りに避難してください!!」
観客があたふたとしている中でライウスたちは何も分からないまま、職員の言う通りに移動するために向かった。
「皆さ〜ん、こちらです······。グハァッ!」
ライウスたちのいた所で避難指示をしている職員は突然、謎のフードを被った男に襲われる。
「職員さん!?」
職員から返事が返される様子はうかがえなかった。
「キャハハハッ!!あんたらはここで人質として残ってもらう!俺らに刃向かうものは全て討ち滅ぼすぞ!」
脅された私達は謎の男の言う通りに中央の広場に向かったのだった。