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第16話

「そこ間違ってる!」

「えー!?どこ~?」

「だから、問4の問題の答えの計算が間違っているわ!」

「···あっ!本当だ!!」

 クラウスはマリアの指摘により、自身の解き方に問題があることに気が付いた。

「クラウスに比べてライウスは全問正解···。私たちに何を教わろうとしているの···?」

 ライウスもクラウスと共にマリアたちに勉強を教えてもらうと言って、教材を自室から持って来たのだが、教材の問題を誰の助けも要らずに解いてしまったんだ。

「何か···私、自信をなくしちゃいます」

 ライウスのIQの高さにメルリーは自信喪失になってしまった。

「メルリー···、ライウスは私たちの枠にはめちゃいけないよ······」

 マリアはメルリーの肩をポンポンと叩き、顔を横に振る。

 俺、今貶されている···!?

「まぁ、ライウスは何でも出来ちゃうもんな!」

「何でもは出来ないよ」

 ライウスたちはわいわいしながら、勉強をするのであった。


━━━翌日。

「はぁ〜!!もう朝か···」

 ライウスは憂鬱な気持ちになりながらもベッドから降りる。

 ライウスは台所に行き、フライパンの上にベーコンと卵を落とし、カセットコンロを使って十分に火を通す。茶碗に盛り付けた米と共に先ほど作った焼きベーコンと目玉焼きを置き、テーブルで作ったご飯を食べる。

 今日は休みだが、何をしよう···。

 ライウスは思い出すかのように商業ギルドの頼みを思い出した。

 兵士でも使える魔道具······、やっぱり絵巻物が一番しっくり来るよな〜。でも、前回それを想像して歪な見てられない何かになったんだよな〜。

 ライウスは悩みながらも打開策を練っていた。

「お〜い!ライウスいるか~!」

「どうしたんだクラウス?」

 ライウスは自身の部屋の扉を開け、クラウスを部屋へ招き入れる。

「今日は先輩方が出る国家選抜剣術大会を観に行かないか!」

 国家選抜剣術大会とは···剣術世界大会に出る剣士を決める選抜大会のことである!

「あのメリッサ先輩が今日の1試合目に出るんだって!しかも、相手は甲守の騎士と呼ばれたシュレディンらしいぜ!今からでも間に合うからどうだ!!」

 今日は暇だったし気分転換しに行ってみてもいいな。

「良いよ、行こう!」

 こうしてライウスたちは国家選抜剣術大会の会場である国立闘技場へ足を運ばせるのであった。


「いひひひ······」

 フードを被った者たちが裏門から入ろうとする。

「待て、お前らは誰だ!許可証を見せろ!!」

 裏門を守る護衛はフードを被った謎の集団に話しかける。しかし、謎の集団は話しかけても足を止める様子がなかったため、護衛たちは手に持っていた槍を裏門を塞ぐように突き立てた。

「邪魔だ!」

 フードを被った者が護衛をめがけて毒爪のような武器を突く。護衛はみるみるうちに毒に侵され、床に倒れ込むのであった。

「さぁ、我が下部よ突き進むのだ!!」

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