第13話
「皆さ〜ん!弱治草20個採取出来ましたか~!」
「はい!」
「それでは採取クエストを完了しに冒険者ギルドへ行きましょうか!!」
ライウスたちは手に入れた弱治草を持って、冒険者ギルドへ向かった。
「ようこそ冒険者ギルドへ!皆~、6グループを作ってそれぞれカウンターでクエスト完了証明をしに行きましょう!」
ライウスたちは受付嬢の指示通りにクラウスとマリアとともに一番端のカウンターへ向かった。
「これはこれは、ぼくちゃんたち?何のようかな?」
「弱治草の採取クエストの達成報告をしに来ました!」
「おぉ〜!凄いですね。じゃあ、弱治草を提示してくれる!」
ライウスたちは手に握っていたすべての弱治草を手渡した。
「えっーと、計···100個!?どこでこんなに集めたの!一つの群生地に20個程度だし、このクエストで指定されているのは弱治草20個以上の採取なのよ!!」
受付嬢が慌てふためき、裏へ向かってしまった。少し時間が経つと、慌ててどこかへ行っていた受付嬢が戻ってきて、銀貨5枚が報酬として手渡された。
神黒たちは渡された報酬を手に握りしめ、案内役兼先生である受付嬢さんの下へ向かった。
「皆〜!クエストの達成報告を行って、報酬を貰うことが出来ましたか~!」
全生徒が軽く頷く。
「良かったです!今日の特別訓練はこれで終了になります!ありがとうね~」
受付嬢は話し終えると元の職場へと戻って行くようにいなくなっていった。
付き添いで来てくださった冒険者たちもクエストを受けに行き、残ったのは生徒とリクセルム教授だけとなった。
「それではこれから学園へ戻るから、僕の後ろに着いてくるように、あと、ライウスくん!君には商業ギルドの者が呼んでいたので、そちらに行ってから戻るように。分かりましたね!」
「「はい!」」
ライウスは先生の指示通りに商業ギルドへ向かった。
商業ギルドは昔から変わらず、重々しく佇み、屋敷のように大きく、中も新築のようにきれいな内装、いつ見ても圧巻である。
「やっと来たか!!待ちくたびれたぞ、ライウス!早く、応接室へ!!」
商業ギルド内を箒で掃除していた貧弱な男が箒を肩に乗せて、ライウスを応接室へ連れて行く。
「痛いですって!!」
「すまんすまん、やっと来たからつい焦って!」
「まだ手紙が来てから5日しか経っていないはずだが?」
「そうか、そちらに届いてから7日と書いてしまったのか!?これはしまった」
「もう分かりました!お話を聞かせてください!」
「あぁ、分かった。早速だが、先日国直属の騎士団から変な依頼を受けまして、誰でも魔法を扱うことの出来る魔道具を受注して欲しいと言われまして···」
「何でそんな依頼を受けたんですか!!」
「分かってます!だから、その時言ったんです、そんなものはこの世に存在しませんと。ですが、どうにかしろと言われ、聖金貨10枚を前金として強制的に渡されたんです。これをどうしろと!」
「そんなの知らないよ!今から前金を返しにでも行ってこいよ!」
「そう言われても、一度受けてしまった依頼、無理と言ってお金を返せば、うちの信頼を失いかけません!どうか、ライウスいや、ライウス様、お助けを!!」
懇願するように頼んできたため、可哀想に思ったのか、ライウスはその依頼を渋々受けたのだった。