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第11話

「なぁ、ライウス!授業終わったし、学食食べに行こうぜ!」

「良いよ!」

 後ろから顔馴染みのある女子学生がクラウスを追いかけるように走り出してきた。

「私のことを忘れないで!!もぉー、先にどこかへ行っちゃうからビックリしたよ」

「すまんすまん!マリアも行こうぜ!」

 クラウスたちはマリアを含めて三人で学食を食べに食堂へ向かう。やはり、今日も昨日みたいに学生が大勢集まっている。

「今日も混んでるし、昨日のお店に行くか?」

「あまりお金を使いすぎるのも良くないだろうし、今日は自炊にしないかしら?」

 クラウスとライウスは顔を見合わせ、マリアに聞き返す。

「俺たちに料理を作ったためしはないぞ?」

 マリアは誇らしげに右手を胸に当てる。

「私があなたたちに教えて上げるわ!!」

 マリアが料理を教えてくれるということで、ライウスの部屋へ行くことになった。

「俺の部屋には調理道具の一つもないぞ!」

「それならまな板と包丁、フライパンは持ってきたわ!炎はクラウスの魔法で出せば良い!さっさとやるわよ!」

 マリアは早速、料理の準備を始める。クラウスとライウスは置いていかれないように、必死になって手伝ったのだった。

「出来上がったわー!!」

「終わったか···はぁ」

 ライウスたちは作り終えた料理をライウスの部屋にあるテーブルに広げ、腰を下げて食べるのであった。

「意外といけるなこの料理!」

「私の料理が不味いとでも思ったの!!」

「いやいや、違うって!」

 また、クラウスは余計なことを言って、マリアを怒らせている。

 卓上は賑やかで少しライウスはその様子を見て、微笑むのであった。

「何笑ってるんだよ!助けてくれライウス~!」

「ライウス!これは私とクラウスの問題だわ!絶対に口出ししないでね」

「OK~!」

「ライウス~!?」

 やがて、ライウスたちは食事を終え、汚れた皿を洗い終えると帰りの準備をするのであった。

「今日はありがとねライウス!」

「ありがとな!」

「あぁ!また明日!!」

 クラウスたちがライウスの部屋から帰った後、ライウスは静かに眠りにつこうと部屋の電気を消そうとするとベッドの近くにある窓の外から怪しい集会が行われていることに気づいた。

「こんな深夜に寮の裏で先輩たちが何で集まっているんだ?」

 寮の裏で行われている集会の話を聞くために少し窓を開けると案の定首謀者の声が聞こえてきた。

「皆!良く聞け!去年は残念ながら我らの目標を達成することは出来なかった。だが、我らの活動は着実にこの学園を変えつつある!我らの目標である貴族と平民の差別の撤廃をするために今年は直接、学園側にその意思を伝えるつもりだ!これからも我ら、消境会に着いてくるのだ!」

 首謀者の言葉に盛大に応える声援が寮の裏から聞こえてくる。

「何なんだあの集まりは?とりあえず、明日も早いし、寝るか···」

 ライウスは少しの疑念を抱くものの、深い眠りへとつくのであった。

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